デビュー20周年を迎え、改めて原点に立ち返り、本来のWEEZERらしさを追求したんじゃないかと思わせる4年ぶりのニュー・アルバム。3パートからなる組曲に加え、新境地を思わせる絶妙な転調やデイスコ・サウンドやトラッド・フォークといった新機軸を取り入れながらも、1枚目と3枚目を思い出させるという意味で、これほどWEEZERらしいと思えるアルバムを作ったのは、たぶん10年ぶり?! ファンはきっとこういう作品を待っていたはずだ。たぶん1枚目と3枚目を手がけたプロデューサー、Ric Ocasekを三たび起用したことも大きかったに違いない。全体的に抑え気味ながらも聴きごたえはあり。Rivers Cuomo(Vo / Gt)も本来のメタル愛をストレートに表現。随所でメタルふうのリフやソロを披露している。(山口 智男)
1992年にアメリカはロサンゼルスで結成された、4人組オルタナティヴ・ロック・バンド。1994年発表のデビュー作『Weezer(Blue Album)』がアメリカだけで300万枚を超える大ヒットとなり、"泣き虫ロック"と評された作風でパワー・ポップ・ブームの火付け役となった。その後、Rivers Cuomo(Vo/Gt)のハーバード大進学、メンバー脱退などで、バンドは一時休止状態となるが、2000年に見事復活、2001年に発表された3rdアルバム『Weezer(Green Album)』は全米4位に輝いた。2006年にRiversはハーバード大学を無事卒業し、日本人女性と結婚。その後も確実にキャリアを重ね、これまでに通算8枚のアルバムを発表している。そして2014年10月、約4年ぶりとなる待望の新作、9thアルバム『Everything Will Be Alright In The End』をリリースする。