アイルランド出身の4人組、KODALINEのデビュー・アルバム。叙情的で壮大なメロディが何よりも特徴的なバラード・ロックで、音楽性的にCOLDPLAYと比較されることは避けられないだろう。だが、ここ数年、COLDPLAYが音楽的実験を推し進めながら重量感のある作品を作り続けているのに対し、このKODALINEのデビュー作にあるのは、とても瑞々しく、繊細なメロディの輝きである。ある意味、COLDPLAYが失ってしまったものがここにあると言ってもいい。タイトルの『In A Perfect World』とは皮肉か、願望かはわからないが、このどうしようもない日常にも輝くものはあるのだと、このバンドが描く美しいメロディは伝えているようだ。SUMMER SONICでの来日も決定。目が離せない大器の登場である。 (天野 史彬)
[SONY MUSIC JAPAN]
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アイルランドはダブリンにて、バンドの中心人物であり幼馴染であるStephen Garrigan (Vo/Gt/Key)とMark Prendergast (Gt)を中心に結成された4人組。StephenとMarkは幼少の頃より聖歌隊に所属しており、彼らの織りなす圧倒的なコーラス・ワークは、日本人の琴線にも触れる普遍的で美しいメロディとサウンドを作り上げている。
2005年より“21 DEMANDS”というバンド名で活動してきた彼らは、2007年3月にリリースしたデビュー・シングル「Give Me A Minute」で地元アイルランド・チャート1位を獲得。2011年、KODALINEへと改名後にリリースした『The Kodaline EP』収録の「All I Want」は、“Google Zeitgeist 2012: Year In Review”のBGMに起用され、続くシングル「High Hopes」はアイルランド・チャート1位をはじめ、スコットランド・チャート13位、UKチャート16位というスマッシュ・ヒットを記録。BBCの権威ある新人賞 “Sound Of 2013”やBBC Radio 1の“Record of the Week”、MTVの新人リストである“Brand New For 2013”にも揃ってノミネートされ、デビュー・アルバム『In A Perfect World』のリリースを前に世界的な注目を集めている。8月には早くもSUMMER SONIC 2013での初来日が決定しており、東京・大阪両公演のSONIC STAGEに出演する。