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DISC REVIEW

Overseas

Finest Hour

SUBMOTION ORCHESTRA

『Finest Hour』

Release Date : 2011-09-07
Label : Pヴァイン・レコード

教会とダブステップ――この2つが結び付くなど誰が想像し得たであろうか。ゴスペルなどソウルフルなサウンドと宗教の結び付きはあったものの、ダブステップとなると話は別だ。しかし、SUBMOTION ORCHESTRAは、“教会での生演奏によるダブステップ”という異色な依頼を受けたことをきっかけに活動をスタートさせた。Nitin Sawhney、Little Dragonらのようにダークでチル・アウトな空気を展開しながらも、より濃厚でアンビエントな空間を作り出す。オーケストラほど飾り過ぎず、ジャズよりも肩の力が抜け、ダンス・ミュージックよりも落ち着いた、実に都会的な色気が満ちているのだ。トランペットを含む7人構成のもと、繊細でありながら、奥が深く厚みのある壮大な、サウンドスケープにまとめ上げられた1作。この幾重にも重なった美しさは、新たなステップへと聴き手を解放してくれるだろう。(山田 美央)