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0.8 秒と衝撃。 塔山忠臣 の「アホボケカスは俺か?」【第2回】
【第2回】2010年10月号掲載
こないだラジオで、どっかの伝統芸能の偉い役者サンが「舞台は体に悪い。」と喋っておられた。なんでも健康診断をした際、たまたまその時期が舞台公演のナイ月で、前年の公演アリの時よりも、全体的に結果が良かったというのだ。こんなベテランで長年やってる人でも、やはりLIVEという場は緊張するものなのかぁ。医者が言うには、公演前は、心拍数その他もろもろが一種の興奮状態で、リラックス出来てないのが悪い結果の原因らしい。
スリップノットの激テクドラマーのジョーイが、ライブ前に緊張のあまりゲロを吐いていたのを、何かの映像で見た事がある。あれだけ演奏の上手い人なら何の不安も無さそうなものが、やはり伝統芸能のオッサンと同じ…。リーダー的存在で、ピエロのマスクを付けたショーンが、メンバー間のテンションが↓になるのを察知してか、そのゲロを素手でさわって自分の胸にあてがい、「この緊張こそが、俺たちのチカラになる!」といったような行動に出た時、苦境や目の前のチャンスでの足の竦み(sukumi)に対し、本当にBANDが1つになって戦うって、こういうコトなんだろうなぁと。
信じられないが、アンガス・ヤングだってそうだ。僕が見た、兄マルコムのインタビューでは「そんなにシリアスにならなくても…っていつも思うよ。」とライブ前のアンガスを見るたび、心配すると言っていた。だのになのに、面白いことに、上記の彼らに共通して言えるのは、それでも、何故やり続けるのか? 舞台に上がり続けるの? カラダや気持ちが辛いなら、ヤメテしまえばいいじゃないか。仕事だからか?
いやいや、どうやらそれだけでは無さそうやねん。しかもしかも、カーテン一枚、カミテから出てきた時、いざ一歩、ステージに現れた時には、彼らは既に完璧な状態に仕上がっている。しかもそこからは通常の人どころか、それ以上にキレッキレの演技、爆発的な演奏を僕たちに聴かせてくれるやないの。
ところで忘れていたが、僕もロックバンドのフロントマン。最近は人前で演奏する機会も増えてきたよ。毎回毎回、やっぱスゲー緊張する。でもそういう勇者たちの緊張話を聞いてからというもの、別に緊張する事が、イヤでは無くなってきた。僕なんかの場合、ステージでよく阿呆みたいに跳びまわるから、LIVE前なんかはメシも受け付けない。地方なんかの公演だと終わったらすぐまた車を運転しなきゃなんないから、大好きなお酒も飲めず、メシも食ってないわけやから、結果、クリーンヤングマンな状態でミヤコに戻ることになるのです、母さん。帰ったらもちろん次の日は朝からアルバイトだよ、うっふ~ん。
総額で見たら今は全然、赤字。でもこの音楽を続けるためにバイトしてる。それはナゼカ…。わからない、でも続ける。やめない、でも緊張する~。カネない、でもエロイことしたい~。そんな毎日。はむはむ、いや違う、そもそも、ライブのチケット代って余裕でアルバムより高いよね。CDは死ぬほど再生できるけど、LIVEで二周する事はナイわな。BANDをやり始めたばっかの僕には、最初そこがスゲー不思議だった。なぜ演者は、そんなしんどい思いまでしてLIVEを続けるのか? なぜ客はLIVEにレコードより高い銭を出してまで見に来るのか?なぜ僕はお風呂がキライなのか。
まあ今は考えるよりもLIVEを続ける事で感じてきた部分もあり、最近は緊張がやって来た時には、逆にめちゃめちゃ緊張してやるんです。「さあ、今日は色んなお客が見に来てるぞ~、失敗したら全部、オマエのせいやぞー、BANDが終わってまうぞー!!!」ってね。全部を受けたうえで、自分がどうするのかが見てみたい。たぶん僕が今、音楽をやっている理由の大きなひとつであります。逃げたり、諦めてしまったら、その先は見ることも出来ない。もしかしたら、その先にファッキン・グレイトな出会いや、僕の奥底に眠っている名曲を、掘り起こしてあげることが出来るかもしれない。その根拠のない「ワクワク」が、今の僕たち、私たちを突き動かしているのかも知れません。(私たちって誰…?)
結局、今回のこのコラムで僕がなにを伝えたかったかというと、前日に思い出したようにこのコラムを、「書け。」と言われて、まったくのノープランで急に仕上げるのは、ハードMの僕には大変アリガタイご褒美の調教PLAYだよー、ひぃぃぃー、ゴンザレス女王様~!!!(ジャーマネの名前、♂ですが…)
0.8秒と衝撃。
[塔山忠臣(唄とソングライター) J.M.(唄とモデル)]
ソングライティングを手がける塔山忠臣と、昼間はモデルという別の顔でも活躍するJ.M.によるユニット。“21 世紀のMorrissey&Marr”を自称し、全てのトラック・メイキング、アレンジまでを2人でこなす。09年10月に、デビュー・アルバム『Zoo&LENNON』で注目を浴び、スペシャ列伝やSAKAE SP-RINGなど多数のイヴェントに参加。ますます加速していく音像と、独創的な世界観は今の音楽シーンにおいてどのアーティストとも比較できない存在感を放つ。
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