SPECIAL
秦 理絵
BEST DISC TOP 10(五十音順)
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No.1
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日本にもサブスクが本格的に波及してきた影響もあってか、個人的に2019年はアルバム単位で聴く以上に曲単体で触れる作品が多かった気がします。そんななかヨルシカ『だから僕は音楽を辞めた』のように、アルバムで聴いてこそ意味が深まる作品が充実していたのも嬉しかった。スピッツ、THE YELLOW MONKEYは、ベテラン勢がフレッシュな感性でロック・バンドを謳歌している姿に感動。若手でよく聴いたのはIvy to Fraudulent Game『完全が無い』。生きる意味を摸索する20代の葛藤がロック・アルバムとして美しく結実した秀作。でも、まだまだ化けそうなバンドなので、あえてベスト・アートワークに。wowaka(ヒトリエ/Vo/Gt)さんが遺してくれた『HOWLS』は、これからもずっと聴き続けます。
BEST ARTWORK
BEST LIVE
SUPER BEAVER(2019.03.30 @中野サンプラザ)
BEST NEWCOMER
BEST MUSIC VIDEO
BEST SONG
石角 友香
BEST CHART 2019
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Spotifyのレコメンドにヒップホップやジャズがさらに増加傾向にあったのですが、単曲のケースが多く、洋楽はアルバムでリピったものを選盤しました。にしても雑食傾向ですが、共通しているのは徹底的に己の脳みその中から発現したメロディやコード、サウンド・プロダクションを具現化している作品ばかりなこと。既存のビートにないバグのような聴後感を残す長谷川白紙やDos Monos、イヤホンを耳に突っ込まなければ体感できないようなローに、震撼するような孤独を感じさせたBillie Eilish、世間の声をシャットダウンし自由な超大作を完成させたSuchmos。各シーンで"その先をゆく"姿勢を見せた作品に鼓舞されました。またFKA TWIGSのMVは彼女の病気からの再生の物語を知らずとも、"ただそこにある命がけの芸術"に涙。
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稲垣 遥
BEST CHART 2019
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TOP10は、オリジナルを磨き抜いたうえで、新たな魅せ方で大いに楽しませてくれたものを中心に選出。何度も聴くうちに不意に入ってくる言葉の力も大きく、沸き立たせられたところがあります。シーンとしては、2019年はBillie Eilishという名前を数え切れないほど目耳にしました。私自身も"コーチェラ・フェスティバル"の生配信を観ており衝撃を受けましたが、極端に音数を減らして驚かせた彼女の音楽の影響を公言するアーティストが、日本でもかなり多かったのも印象的で、2020年の動きも気になるところ。またMVでは、原曲発表時から6年の時を経て、道重さゆみが言うからこそのメッセージを携えた、大森靖子の「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」を。ふたりのストーリーと愛溢れるメイキング映像にグッときました。
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TAISHI IWAMI
BEST CHART 2019
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年間ベストを選ぶ。すなわち、私はここに挙げた数の何十倍もの作品を切り捨てた。その理由を"好みの問題"とすれば、なんとなく許容される平和なんていらない。ポジティヴばかりだと嘘くさい。ポジティヴに近づける作業は虚しくなる。しかしストレートにネガティヴを出そうとすると、どろっとした承認欲求が溢れ出て歪む。沈黙もまた評価を下したうえでの選択。もはや存在していることがつらい。そんなことばかり考えていた2019年。何もかも忘れて自分を思いっきり解放できたのは、日々学ぶ人々が発する言葉や表現に浸っているときと、夜明け前のダンス・フロアでした。積み重ねられてきた文化とみなさまに感謝。だから今年も、私は想像することを止めず、真摯に書き続け、DJし続けます。
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宇田川 佳奈枝
BEST CHART 2019
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ベスト・ディスクはよく聴いた10枚。ひとつに絞れなかったベスト・ライヴ――結成10周年シナリオアートの集大成ワンマンは、文字通り圧巻のパフォーマンスでした。今、このタイミングで改めてシナリオを知ってほしいと思います。凄まじい成長をみせるAliAは、ハコのキャパを越えたパワー溢れるもので、いったい彼らはどれほどの可能性を秘めているのだろうか......。そしてニューカマーはオレンジスパイニクラブやcOups.、Jam Fuzz Kidなどいいバンドが多く悩んだのですが、10月始動のmiidaを選出。ベスト・ソングのLucky Kilimanjaroの「HOUSE」はメロディと歌詞がとにかく最高。ちなみに項目はないのですが、G-FREAK FACTORY主催"山人音楽祭 2019"がベスト・フェスです。
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沖 さやこ
BEST CHART 2019
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テン年代ラスト年、日本のバンド・シーンはOfficial髭男dismとKing GnuのJ-POP席巻に目を見張るものがありました。ここ数年"ブレイクするバンドには鍵盤がつきもの"というセオリーができあがりつつあるので、20年代はギター・ロック・バンドの台頭に期待したいところです。そしてゼロ年代からテン年代にかけて活躍してきたギター・ロック・バンドと言えばBUMP OF CHICKEN。2019年は彼らをフェス、ライヴハウス、ドームで観る機会に恵まれ、"あなたたちではなくあなたに音楽を届けている"という精神を20年も持ち続け、東京ドームというキャパシティでもそれを成し遂げていたメンバーの精神力の強さに、心を乱されるほどに感銘を受けました。僭越ながら自分もそういう文章を書きたいなと思った次第であります。
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高橋 美穂
BEST CHART 2019
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ベスト・ディスクはほぼ純粋に再生回数。ずっと追いかけているアーティストばかりになりました。待ちかねた小沢健二のアルバムは子供を持つ40代前半の人間としてしっくりきた1枚。BUMP OF CHICKENの新作は音楽的進化と精神的不変に触れ、『ユグドラシル』以来の愛聴盤に。ベスト・ソングは同世代のバンドが描く情景に強く共鳴した1曲です。Billie Eilishは言わずもがな2019年の顔。Louis ColeのMVは、ゴージャス感とインディー感がたまらない一軒家セッションに今さらハマりました(2018年の「F It Up」も最高)。Suspended 4thはニューカマーではないかもしれませんが、『GIANTSTAMP』から聴こえるストリートのグルーヴは今後のロックの肝なのでは? という期待を込めて!
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蜂須賀 ちなみ
BEST CHART 2019
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シンプルにグッときたものを選出。ベスト・ライヴに選びたいライヴは他にもあったし(UNISON SQUARE GARDENの舞洲、OKAMOTO'Sの日本武道館とか)、ベスト・ソングに選びたい曲もまだありました(米津玄師「海の幽霊」、ハンブレッダーズ「銀河高速」、でんぱ組.inc「形而上学的、魔法」、BEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」......)。紹介したいものがたくさんあるって幸せ。このスペースでは総括文を求められているのだけど、シーン云々にはさほど興味ないし、そのあたりはそういう話を楽しんでできる人に任せたい気持ちがあるので、ここで喋りたいことは特にないです。そう考えると、個人的にはどんな書き手になりたいかがようやくわかった1年だったのかも。今年もみなさまが健やかな音楽体験をできますように。
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三木 あゆみ
BEST CHART 2019
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2019年はアーティストの旧譜サブスク解禁のニュースがその都度大きな話題になるなど、音楽の楽しみ方がさらにデジタル主流になったと感じた1年でした。興味を持ったらいつでも聴けるという環境で、ロックだけでなく多様なジャンルの音楽に出会いましたが、TOP10はSkream!読者にも馴染みがありそう、且つ実際によく聴いたものからセレクト。BLUE ENCOUNTは、音源でもライヴでもバンドのヴィジョンやマインドを明確に体現していて、かっこいいロック・バンドのあり方を改めて見せてくれたように感じます。流行も好きだけど、やっぱり「ハウリングダイバー」のようなナンバーを望んでいた人も多かったのではないでしょうか。ベスト・ソングには、天性の歌声に一瞬で惹きつけられた曲を。もっと多くの人に届いてほしい歌です。
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宮﨑 大樹
BEST CHART 2019
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編集者/ライターとして関わった邦楽作品を中心に、五十音順でベスト・ディスクをセレクト。2019年は(も)アイドルの取材を担当することが多かったが、いい音楽はジャンルや形態を問わずにいい音楽なわけで、双方のリスナーが偏見を持たず垣根を越えて楽しんでほしいという願いを込め、アイドル:非アイドルを50:50くらいの比率に。戦国時代が終わりに向かい、最盛期と比べるとシーンにいまいち元気がないながらも続々と生まれ続けている素晴らしい音楽たち。そんな2020年以降にも希望を感じた作品の中から、個人的に最も再生回数が多かったであろうsora tob sakana「flash」をベスト・ソングに選出した。2019年最大のグッド・ニュースは、ベスト・ライヴにも選出したNUMBER GIRLの再結成!
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山口 哲生
BEST CHART 2019
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ベスト・ディスクには、自分がよく聴いていたもの、印象的だったものを挙げました。迷いに迷いまくった結果、2位以降は50音順です。ベスト・ライヴにはUNISON SQUARE GARDENの結成15周年記念公演を。ただ、新木場STUDIO COASTでのトリビュート・ライヴ2デイズも強烈すぎたので、どちらにするか迷いました。"こいつさっきから迷いすぎじゃね?"と、書いている本人も思うのですが、迷うほど素晴らしいものとたくさん出会えたのは幸せだったなと。2019年は海外の影響もあって、ゴスペル的なアレンジを取り入れる人が増えた印象。無論、自分も好きですが、そこにワンパンかます人が登場すると、より素敵だなと思います。2020年も、興奮しすぎて自分の語彙力がぶっ飛ばされる素敵な音楽と出会えますように。
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吉羽 さおり
BEST CHART 2019
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フルレングスのアルバムとしては6年ぶりという今の日本のシーンではまずないリリース・ペースになったが、やっぱりいいんだよなと気づけば日に何周もしている、芳醇なポップス/ロック・ミュージックの宝石箱となったサカナクションの『834.194』。かと思うと"フジロック"で来日した豪州のKING GIZZARD & THE LIZARD WIZARDは、超多産型で2019年も2枚のアルバムを発表している。癖になるどっぷりと濃いサイケぶりでスルメ作。ちなみに、ベスト・アートワークで選んだDanny Brownの作品はレコード屋で目が合ったもの。これもまた大事な出会いで、面白いアートワークに違わず、Q-TIPプロデュースで別の意味でも最高の内容だ。ということで2019年は"忘れ難きもの"基準で選ばせてもらった。
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- 2025.01.18
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