ここぞという絶妙のタイミングでのタメと音の解放。彼らはリズムを愛している。 2月のレポートにある様にニュージーランド発、BBC's Sound of 2011（毎年BBCが選ぶ期待の新人アーティスト）にも選ばれている若き5ピース・バンドTHE NAKED AND FAMOUSが前回の会場heavenよりキャパを上げ、今回Shepherd’s Bush Empireに再び現れた。本国でチャート1位に輝く他、GLASTONBURY FESTIVAL、FUJI ROCK FESTIVALなど多くの大型フェスへの出演が決定している事からも分かるように、世界中が注目の新人バンドだ。

ソールドアウトとなった今回の会場にはロンドン在住のニュージーランド人も多く、彼等のサクセスを一目見ようとぎっしりと埋まった会場には今かと待ちわびたオーディエンスの大歓声で一杯だった。 スタートは「The Ends」で彼らの美しい世界観を広げ、続く「A Wolf In Geek’s Clothing」では鋭いドラムのリズムに合わせてギターをぶらさげながら跳ねるThomがさらに観客のテンションを上げていく。
ヒット・ナンバー「Punching In A Dream」では必然のごとく“Way-yay-yay-yay-yay”の大合唱。オーディエンスも既に最高潮に楽しそうだが、何よりも彼ら5人がその音とリズムを全身で感じ楽しんでいる様に見える。 横並びに立つAlisaとThomがツイン・ヴォーカルで歌い上げる「Frayed」では繰り返されるノイズと共に彼らのヴォーカルが中毒的に脳に響いてくる。 切なくも美しいメロディを奏でる「No Way」ではスケールの大きさを感じさせる演奏と、Alisaの甘いヴォーカルにすっかり酔ってしまった。
アンコールは、1stアルバムから「Eyes」そしてAlisaがold songだと言って紹介した「Serenade」この曲はバンドが始めてレコーディングをしたという曲で、今の THE NAKED AND FAMOUSの音とはまったく違った感じであるが、実はこの曲は彼等の原点であるインディー・バンドだったときの曲でとてもポップでかえって新鮮に思えた。やはり最後はこの曲、「Young Blood」のイントロが始まるや否や待ってましたと言わんばかり（実際に待っていた）の大歓声と“Yeah yeah yeah yeah”の大合唱でオーディエンスのヴォルテージは最高潮に達しライヴの幕は閉じた。 彼らのツアーはまだまだ続くが、それと同時に彼らはさらに進化し知名度を上げていくだろう。 余談だが、ライヴ中に携帯で動画を撮影しているオーディエンスが沢山いた。これは今回バンドのウェブ・サイトの呼びかけで、低クオリティ画質のライヴ動画がYOU TUBEに多くUPされている事に対しオーディエンスに高画質で撮影をしてもらいバンド側に送りそれらを編集してライヴ動画を作成してしまうという企画だった。ムービー片手に、踊りながら楽しむ観客の姿がとても微笑ましかった。

【SET LIST】
01. The Ends / 02. A Wolf IN Geek‘s Clothing / 03. Punching In A Dream / 04. Spank / 05. The Sun / 06. The Source / 07. Bells / 08. Frayed / 09. All Of This / 10. No Way / 11. Jilted Lovers / 12. Da Da Da / 13. Girls Like You
ENCORE : Eyes / Serenade / Young Blood