2010年夏からBush hall、Dingwallでのロンドン公演に加え、Reading festivalでのパフォーマンスと、過去3度に渡ってONE NIGHT ONLYのライヴ・レポートをお届けしてきた。同時期にリリースされた彼等の最新2ndアルバム『ONE NIGHT ONLY』を引っさげてのツアー。今回も彼等のUKツアーにお邪魔してきた。

UKツアーの最後を飾るのは、ロンドンはHeavenでのライヴ。通常はクラブとして有名だが、最近では数多くのインディ・ロック・バンドのライヴが行われるライヴ・ヴェニューとしてもお馴染みになってきた。ツアー最終日・場所もロンドンだけあって、ライヴ開始前から会場の温度も熱くなっているようだった。

実は今回のUKツアー中、彼等のロンドン以外でのライヴも拝見しに行ったのだった。バーミンガム、ブライトン、オックスフォードと、ロンドンも合わせて計4回も同じツアー中に彼等のパフォーマンスを拝見できたのは貴重だと思う。やはりそれぞれの土地柄や客層なども、同じイギリスでもこんなにも違うものか、と感じる事もあった。このツアー中で特に一番印象に残っている場所はバーミンガム。ただただ観客の盛り上がりが素晴らしかった。ライヴ開始前に会場に流れるBGMに合わせて観客が合唱したり、メンバーが登場してからも歓声が収まらない状態だった。それに客席を見渡せば、お手製プラカードを掲げているファンもいたり、肩車をして鑑賞するファンもいた。かと思えば、ブライトンやオックスフォードでは少し落ち着いた雰囲気の中でのライヴになった。やはり、バーミンガムは観客席からの熱気と一体感がバンドメンバーにも伝染していくように、メンバーもかなり自分達のライヴを楽しんでいるようにみえた。一つのライヴを完成させるのには、色々な要素が重なりあって素晴らしいものが築き上げられるということを改めて感じた気がする。それぞれの土地によって同じアーティストのライヴにも個性や空気の違いが出てくるということを目の当たりにできたのが、なんだか楽しかった。

さて、今回のロンドン・Heaven。オープニングチューンとして、お馴染み「Forget My Name」で爽やかにライヴがスタート。約半年間ほどのツアーを経ただけあり、技術や見せ方も格段と様になっているように感じた。ヴォーカルのGeorgeも時折、節にアレンジを加えたりとライヴ感を楽しんでいるようにみえた。1stアルバムからの「It’s About Time」は、やはりどこの会場でも人気。80’S感溢れる2ndアルバムからの曲の合間に、正統派でポップなギター・ロック・ナンバーが流れると、また会場の雰囲気が引き締まるような、そしてちょっとノスタルジックな感覚が生まれるようで良い。「Chemistry」、「Nothing Left」などは、エレクトロニックな要素もありの爽やかなバラード・ナンバー。エフェクトの効いたギターとキーボードが奏でる音が心地よく感じた。「Never Be The Same」もONO節ともいえそうなシンプルでキャッチーなメロディにエレクトロ要素が加わった盛り上る一曲。そしてラストは「You & Me」のアコースティック・ヴァージョンで会場を沸かせた。歓声の後でのアンコールでは「Just For Tonight」とエマ・ワトソンがPVに出演したことでもお馴染み「Say You Don’t Want It」で締めくくられた。約半年間ほど、彼等の活動を追ってきたのだが、やはり見るごとに彼等のパフォーマンス技術が上がっていることには驚かされる。まだ20歳を過ぎたばかりの彼等だけあり、今後もONE NIGHT ONLYから目が離せない。