先月のロンドンはBush hallでのライヴレポに引き続き、今回もイギリス・ノースヨークシャー出身のインディー・ロックバンドONE NIGHT ONLYのDingwallsでのライヴをレポート。
8月23日の本国UKでのニュー・アルバム・リリースに向けてのMTV主催のライヴであり、そして8月末に出演が決まっているReading/Leeds Festivalに向けてのウォームアップ・ライヴともいえる、今夜のパフォーマンスには期待がかかる。セカンド・アルバムにしてセルフタイトルが付けられた、今作から、彼等の自信と作品の満足度がうかがえることにも期待大だ。

そんな自慢の新曲達がたっぷりお披露目された今夜のライヴ。新作を作るにあたって、DURAN DURANなどのようなバンドをよく聴いていたというフロントマンのGeorge。そんな80’sサウンドがふんだんに散りばめられた、爽やかなナンバーがぎっしり詰まったアルバムになっている。Emma WatsonがPVに出演して話題を呼んだニュー・シングル「Say You Don’t Want It」は、すでにUKチャート23位にチャートインしている。

ノースヨークシャーにある小さな田舎町Helmsley出身のONE NIGHT ONLYのメンバー。なんと町の人口は約2千人だという。地元に帰ったら町の人のほとんどが顔見知りといっても過言ではないそう。ライヴ中でもファンとのコミュニケーションを欠かさないバンド・メンバー達の気さくな人柄も、どうやらここから来ているようだ。’03年に当時13, 4歳だった彼等がバンドを結成して、今やもう（いや、まだ）、20歳を迎え、若いながらもキャリアを積んでいる。

今夜の会場・Dingwallsはロンドンの北・カムデンマーケットのど真ん中にある小さなライヴハウス。開場前からライヴハウス前にはファンの長いキュー(列)ができていた。
歓声と拍手があがる中、メンバーが登場。「Forget My Name」でライヴがスタートした。ライヴの一曲目にふさわしい、爽やかな80’sナンバー。続いても新曲「Bring Me Back Down」を披露。クールなギターのイントロとキャッチーなメロディが印象的。「It’s Alright」、「Just For Tonight」, 「He’s There」とファースト・アルバムからの人気ナンバーも披露。「Just For Tonight」は、やはり大人気でイントロから観客からも歓声があがり、凄い盛り上がりに。

ニュー・アルバムからのネクスト・シングルカット曲「Chemistry」は、エレクトロな要素も押さえつつ、美しいメロディが映えるスローなナンバーで、早くも彼等の代表曲になりそうな感じ。ONE NIGHT ONLYの新たな魅力を感じるような一曲だ。「All I Want」も80’sっぽいエレクトロ・サウンドに、力強いGeorgeのヴォーカルが映える。ノリやすいメロディで楽しい雰囲気が会場にあふれる感じだった。続いてもエレクトロ・ロックな新曲「Anything」を披露。そしてラスト・チューンはみんなお待ちかねの「Say You Don’t Want It」がプレイされた。こちらも予想通りの凄い盛り上がりに。観客からも合唱が起こって楽しい雰囲気でいっぱい。

新曲を中心にテンポ良く組まれたセットリストは、あっという間にライヴが終わったという感じだった。それだけキャッチーで飽きないナンバーでいっぱいだった気がする。
前回のライヴのパフォーマンスからも、演奏にさらにまとまりが出ていて、完成度が上がっているのを感じた。ライヴ後のメンバーの満足気な表情も印象的だった。彼等自身も納得の完成度の高いパフォーマンスと新作であっただけに、これからもONE NIGHT ONLYの活動に目が離せなくなりそう。