カナダはオンタリオ発のインディーロックバンド、TOKYO POLICE CLUB。バンド名から東京に何か謂れがあるのかと思いきや、ただ単純に歌詞の中から“これ以上ダサいバンド名はないだろう”ということで決められたそう。7月にニュー・アルバム「Champ」をリリースした彼等は、現在ヨーロッパ＆アメリカでのツアーを敢行中。この新作もポップな要素満載の、前作よりも少し力強さも感じるギターロック・サウンドでファンの期待を裏切らない。きっと楽しいギグをみせてくれること間違いなし！という期待がかかるように、今夜のロンドンでのライヴ・ヴェニュー Scalaにはたくさんのインディーロック・ファンが集まった。

歓声の中、新曲の”Not sick”でライヴがスタート。TOKYO POLICE CLUBの持ち味ともいえる、エフェクトの効いた疾走感のあるギターとキーボードが、なんともキラキラしたサウンドで、スタートから既に楽しい雰囲気でいっぱい。続いてお馴染みの人気アンセム「Nature Of Experiment」では観客も一緒になって歌いだした。イントロの手拍子を一緒にするのも楽しい。「Favorite Colour」, 「Graves」,「Box」を披露した後は、エフェクトの効いたギターが一気に駆け抜ける「Citizens Of Tomorrow」。こちらではライヴならではのアレンジも披露してくれて嬉しいサプライズだった。
ライヴの中盤からはびっくりするほど観客のヴォルテージも高くなって、こちらまで圧倒されるという感じに。私自身、TPCのライヴを観るのは今回が初めてだったのだが、ほぼ毎回彼等のライヴは凄まじい盛り上がりになるそう。彼等のハッピーなロック・サウンドで盛り上がる気持ちが抑えられない！というのも確かに分かる気がする。本当に楽しいライヴ。
「End Of A Spark」ではモッシュが起こり、続いて「In A Cave」でもその盛り上がりのまま、ラストではみんなで合唱。新曲「Bambi」はエレクトロ色が強いサウンドでありながら、ライヴで聴くとベースの低音が格好良い。そして案の定「Tessellate」ではイントロから凄い盛り上がりで、この夜一番の盛り上がりだった。その後も、新曲が続々と披露された。エレクトロなギターのイントロから引き込まれてしまう、個性的なリズム＆メロディの「Gone」。これまでのポップな雰囲気とはがらりと変わって、ゆったりと心地よく聴かせてくれる「Hands Reversed」。アップビートな曲にTPCっぽいギター節が光る 「Big difference」, 爽やかで切ないサウンドという言葉がぴったりはまりそうな「Breakneck Speed」。 「Wait up(Boots of danger)」ではサビの“wait up!”の掛け声が観客からも飛んできて、ノリノリのとっても楽しい一曲だった。ラスト・ソングの「Your English Is Good」でも大合唱とダイヴが起こるほどの盛り上がりに。アンコールを含めたっぷり19曲の大満足のセットリストだった。

ライヴならではの、会場の一体感というものを感じずにはいられなかったTOKYO POLICE CLUBのライヴ。特にライヴ中盤からの会場がハッピーな雰囲気でいっぱいになる感じがなんとも楽しかった。音源を聴くだけでも、彼等のポップなインディロックサウンドからパワーを十分貰えるけれど、ライヴではその何倍かのパワーを貰えた気がする。
近いうちにまた3度目の来日公演を敢行してくれることに期待。もう日本でも彼等のライヴを体験した人も多いかもしれないが、まだの方も是非ともこのパワフルなライヴ・パフォーマンスを体験してほしいと思う。