2009年のSkream!年間ベスト・アルバムを選出してみました。2009年、多様な音楽がボーダレスに並び、細分化がさらに進んでいったことをいろいろなところで実感させられた1年。多分、皆さんのミュージック・ライフにもこれまでとは違う変化があったのでは?何となくアンセムが生まれにくくなったのかなとも思いますが、そういう意味でもMIKAは大きかったと思います。それでは、あれやこれやと面白い音が次々と飛び出した2009年ベスト・アルバム15枚、いってみましょう!!
【2009年 Best Album】
MIKA
『The Boy Who Knew Too Much』
MIKAはこのアルバムで、自身の圧倒的な才能とポップ・ソングの本質を見せ付けた。洗練され、ゴージャスになったプロダクションと多彩な楽曲群は、アルバムとしてもほとんど隙がない。だが、それ以上に「We Are Golden」という究極のアンセムが持つ破壊力。ただ楽しいだけのポップ・ソングなどではない。「僕達はもっと凄いんだ!諦めるな!」という衝動が詰まったこの曲は、THE WHO「My Generation」やOASIS「Rock 'n' Roll Star」がそうだったように、これから多くの若者を導くはずだ。(佐々木 健治)
『The Boy Who Knew Too Much』
MIKAはこのアルバムで、自身の圧倒的な才能とポップ・ソングの本質を見せ付けた。洗練され、ゴージャスになったプロダクションと多彩な楽曲群は、アルバムとしてもほとんど隙がない。だが、それ以上に「We Are Golden」という究極のアンセムが持つ破壊力。ただ楽しいだけのポップ・ソングなどではない。「僕達はもっと凄いんだ!諦めるな!」という衝動が詰まったこの曲は、THE WHO「My Generation」やOASIS「Rock 'n' Roll Star」がそうだったように、これから多くの若者を導くはずだ。(佐々木 健治)
PASSION PIT
『Manners』
ANIMAL COLLECTIVE
『Merriweather Post Pavilion』
THE MIRRAZ
『Necessary Evil』
MIKAさえ出て来なければ1位に輝いていたのは間違いなく彼らだったはず。それ程上半期の彼らの勢いは凄まじかった。「Manners」がリリースされた当初は彼らに対して流行のエレ・ポップ・バンドと疑がっていたが、聴き込むうちに彼らの虜になってしまった。感情が爆発する様なダンサブルな前半から、今にも涙がこぼれ落ちそうな儚いトラックが続く後半までジェット・コースターの様にノン・ストップ。まさに捨て曲無しのドリーミー・ポップ・アルバム。(遠藤 孝行)
2009年前半。どこに遊びに行っても、誰にインタビューをしても、このアルバムの名前が出てきた。それだけ、このアルバムは衝撃を持って迎えられた。ANIMAL COLLECTIVEという孤高のバンドが、その実験精神を極限まで高めて行くとどうなるか。誰もが知りたがっていた答えがここにある。誰も辿り着けない場所に行き着きながら、誰もが愛して止まない桃源郷を生み出してしまったような至高のサイケデリック・ポップ。(佐々木 健治)
主要メンバーの脱退というショッキングなニュースがあったものの、彼らの今後にはやはり目が離せない。このアルバムの続きが気になって仕方がないからだ。攻撃的で時にウィットにとんだ歌詞、そしてARCTIC MONKEYS譲りのつんのめったリズムと疾走感溢れる演奏。少し世の中を斜に構えてみる所でさえチャーム・ポイントに見えてしまう。道ばたでふと口ずさんでしまうそんな感じもTHE MIRRAZの良いところ。(遠藤 孝行)
JET
『Shaka Rock』
THINK ABOUT LIFE
『Family』
GIRLS
『Album』
冒頭を飾る2曲の序盤から、セカンド・アルバム『Shine On』のセンチメンタリズムから離れたことを告げる、ファースト・アルバム以上に骨太なロックンロール。その後も、重心を落としたヘヴィなグルーヴが唸る「Black Hearts(On Fire)」や、美しいピアノをフィーチャーしたバラードがパーカッシヴなロック・チューンに変貌していく「Walk」、などヴァラエティに富んだ楽曲が並び、そのどれもが圧倒的なエネルギーを放っている。まさに今のJETにしか作りえない、王道ロックンロール・アルバムだ。(杉浦 薫)
JETインタビュー>>
JETインタビュー>>
雑食性もディスコも別に珍しいものではなくなり、ただの流行になりかけていたが、このバンドの登場は衝撃だった。この雑食性満載の斬新なディスコ・グルーヴは「もういいんじゃないの?」と思いかけていた脳ミソと腰すら余裕で打ち抜いてしまった。昨年のTV ON THE RADIOに迫る、いやそれ以上の衝撃に満ちたアヴァンギャルドかつヒップなダンス・ミュージック。このグルーヴは、これからさらに世界中を席巻するはずだ。(佐々木 健治)
自殺未遂、売春、逃亡、僕にはそんな経験なんか全く無いにも関わらず、なんでこんなにも彼らの音楽に自分を重ねてしまうのだろう。このシンプルで飾り気の無いメロディからはキラキラとしたサイケデリアが放たれている。真っ直ぐ過ぎる純粋な歌声にはレイド・バックという言葉では片付けられない何かがある。危なっかしい末っ子としっかり者の兄の様な絶妙のバランスで成り立つGIRLS。2009年は彼らの年だったと言っても過言ではないかもしれない。(遠藤 孝行)
THE BEACHES
『Hi Heel』
THE HORRORS
『Primary Colours』
BLACK EYED PEAS
『The E.N.D.』
これまでよりもディープに、腰にグッと絡みつくフラチなビート。この快感を知ってしまえば、そこはもう常夏。夜をテーマにしたというこのアルバムは、THE BEACHESが新境地に到達したことを感じさせる。これだけパンク精神に溢れていて、しかも最高にヒップな無国籍ビートが今の日本で生まれているという事実。誰もが踊らずにはいられないこの斬新なビートで今、同じ時代に踊れていることをとても幸福に思う。(佐々木 健治)
THE BEACHESインタビュー>>
THE BEACHESインタビュー>>
個人的にはSUMMER SONIC09のスリリングなライヴでがっつりとやられてしまった。ガレージ・ゴスとも言われていたバンドの華麗なる変身。そしてなんと言ってもサウンドの中心を担うSpider Webbの一つ一つの動きにも目が離せなかった。サイケデリックが一つのキーワードとなった今年の話題作たちの中でもこの作品が最高傑作。孤独な海の底から聴こえる様な8分の大作「Sea Within A Sea」の漆黒のダンス・グルーヴはここでしか味わえない。(遠藤 孝行)
意味深なタイトルと共に、それまでのファンキーなヒップホップ・スタイルから脱し、全曲ほぼ四つ打ちの、ハウス/ エレクトロに特化した、ある意味思い切った作品となったのだが、これが意外にもはまっているし、全曲粒揃いのBEP流極上ポップソング集に仕上がっている。エレクトロ全盛期のこのご時世においても、BEPここにありを示したわけだ。「Rock That Body」の哀愁、「I Goota Feeling」の高揚感、「Imma Be」の疾走感が素晴らしい。(杉浦 薫)
BEST ALBUM 2009 | Skream! SPECIAL