FLORENCE+THE MACHINE｜Skream!LISTEN UP! -LIVE REPORT FROM U.K.-

FLORENCE+THE MACHINE｜Skream! LISTEN UP! -LIVE REPORT FROM U.K.-

2009.11.27 @Tabernacle, London

Reported by Ayano Onodera

FLORENCE+THE MACHINE : Official-Site　facebook　myspace

Little BootsやLa Roux等若手女性シンガーの活躍から音楽雑誌NME初の女性エディター誕生まで、女性陣の大活躍が目立った2009年のイギリス音楽業界。そのムーブメントの牽引者であり、圧倒的な存在感で人々を魅了してきた「2009年の顔」と言えば、Florence and the MachineことFlorence Welchである。7月リリースのデビュー・アルバム『Lungs』はナショナル・チャート２位に輝き、夏のフェスでも引っ張りだこ。彼女の話題を聞かなかった日はないといってもいいほど、Florenceは“時の人”であり続けた。そんなFlorenceが、英音楽雑誌NME企画のイベント「NME Calling」一環として、スペシャル・バンド「Florence and Friends」を結成！会場となったTabernacleは、キャパシティ400名のシアター風ヴェニューで、ホール級ヴェニューでも余裕でソールド・アウトさせる彼女がプレイするにはかなり小さい。もちろん、この日のチケットもソールド・アウトである。

会場に入ると、ランプの入った4つの鳥かご、ドラム台に巻き付いたバラの花、本人曰く「私の好きな物が全部描かれている」という「Florence and Friends」と書かれたバックドロップと、ド派手なステージ・セットにまず目がいく。しかし、演奏はFlorence＋ハープ＋ドラムの3ピースで意外とシンプル。面白いのは、バックバンドがシンプルだからこそ、Florenceのヴォーカル力が際立つと言うこと。まるで大地の叫びのようにパワフルで伸びのある声に圧倒される。長い髪を振り乱しながらステージの上を踊る彼女の姿は、まさに歌姫というに相応しい。

さすがこれだけの実力の持ち主、彼女に惹きつけられた“Friends”たちも実に豪華だ。2曲目の「Cosmic Love」で早速登場したのは、独自の世界観ですっかりその地位を確立したPatrick Wolf。中性的なPatrickの声と、艶のあるFlorenceの歌声は相性バッチリ。続いて、同じ学校に行っていたというJack Penateや昔からのコラボレーターKid Harpoonが登場。そして極めつけは、Jarvis Cocker！スペシャル・ゲストの名前が事前に発表されていなかったこともあってか、PULP解散後も絶大なる人気を誇る彼の登場に、この日来ていたお客さんも大喜び。「Girl With One Eye」に加え、PULP時代の名曲「Underwear」をデュエット（バックバンドには彼女のプロデューサーで元PULPのSteve Mackeyがおり、プチ再結成でもあった）。UKロック最重要バンドの元フロントマンだけあり、Jarvisの放つ独特のオーラは圧倒的かつ非常に独特。しかし、異色者同士であるFlorenceとJarvisのデュエットは意外なほどはまっていて、まさにスペシャルな競演となった。

最後はFriendsがステージに再び集結し、「You've Got The Love」で華々しい幕切れを迎えた。豪華ゲストを交えた非常に濃度の濃い、しかしながら、1回限りのスペシャル・ギグらしく良い意味で力の抜けた、何とも心地よい夜になった。

LUNGS

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Release :

先行シングル「Kiss With A Fist」の衝撃は忘れられない。やはりこのバンドの一番の魅力は幻想的で存在感のあるFlorence の歌声だろう。今年復活を果たしたBLUR のオープニング・アクトも務め、今年のBrit Awards では話題の新人に送られるクリティック・アワードを受賞。今最も注目すべきアーティストの一つ。ビートを意識したダイナミックでパワフルなトラックから、物語を紡ぐ様な繊細なバラットまで。全体をグッとまとめる緊張感溢れるサウンドも見事。Paul Epworth、James Ford、という2 人の人気者とTHE STOOGES のSAX 奏者であるSteve Mackayが揃ってプロデュースを手掛けたのも頷ける天性の歌声。新しい歌姫の誕生だ。

（佐々木健治）

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