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2011年のアナログフィッシュに寄せて。
2011年のアナログフィッシュに寄せて。
彼らのニュー・アルバム『荒野 / On the Wild Side』に寄せて。
本作を聴いた上で、先日9月4日に、下北沢SHELTERで彼らのライヴを観ました。まず圧倒されたのは楽曲の広大なスケール。全てが伸びやかで力強く、生きる活力が次々と沸き上がってくる、底なしの生命力を持ったステージでした。
1日より配布されているSkream!最新号で、彼等のニュー・アルバム『荒野 / On the Wild Side』のレビューを書かせていただいたのですが、このアルバムを聞けば分かる通り、今、アナログフィッシュはとてもシリアスです。3.11や、東日本大震災という窮地に立たされているこの国と世界の状況下において、彼らはこの作品でもって、そこへ真っ向から足を踏み入れています。
今思えば、5月に発売されたミニ・アルバム『失う用意はある?それともほうっておく勇気はあるのかい』は、そうやって現実をえぐっていく、戦う覚悟を決めたぞという宣誓のようでもありました。
かつて、宮崎駿は言っていました。ある時点で、アニメーションは一つの分岐点に立ったと。“時代を無視し、アニメはアニメの世界=夢の国だけに居留まるか”、それとも“現実・時代にシンクロしていくべきか”。結果、宮崎氏は、後者を選択しました。そして、今、彼はアニメーションでもって、多くのリアリティとメッセージを孕んだ世界を描き、世界や、この国の愚かしい現況を、私たちの前で丸裸にし、多くのメッセージを投げかけています。
アナログフィッシュもそう。彼らも、音楽において後者を選択したのです。だから、彼らは失う覚悟を持って、時代を真っ直ぐに見据えて、プロテストソングを歌うのでしょう。
彼らの歌には、まごうことなき現実が、丸裸のリアリティがあります。だからこそ、その音楽は本当の意味で生きていたのです。言葉が、声が、ハーモニーが、空気を揺らす一音一音が、あらゆるものが解放され、あらゆるものが脈打っていました。それは、美しいとかではなく、勇ましく、逞しい。強固で揺るがない生命の輝きに溢れていました。
これこそが、今聴かれるべき音楽です。
この歌が東京の空へと撒かれる日、彼らの10月10日の日比谷野外音楽堂が待ちきれません。空と、音楽と、世界と、アナログフィッシュと。あらゆるものが、ありのままの姿で、私たちの目の前にさらされることでしょう。それは、風に乗って、どのようなメッセージとして聴こえてくるのでしょうか。
(島根 希実)
Skream! Diskreview