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MUSEは別に、彼らのキャリアの中でもっとも華々しく野心に満ちたアルバムを生み出すべく作品に着手したわけではなかった。そんなの無理ではないだろうか? 「Supermassive Black Hole」、「Knights of Cydonia」、そして3部構成の交響楽「Exogenesis」を創り出したこのバンドの手腕は既に熟練に達している。それ以上ワイルドになり、更に先へ突き抜けようとするならば、MUSEは彼ら自身が招いたリスク、矮星にぶつかって燃え尽きる危険を冒すことになるだろう。

しかしただ手をこまぬいているだけではこの惑星に存在する最大のバンドのひとつ――全世界アルバム累計売り上げ1500万枚以上、欧州MTVアウォード5など様々な賞を受賞し、2011年グラミーで最優秀ロック?アルバム賞、『The Resistance』で19カ国のアルバム?チャート1位を達成するという、世界中のアリーナやスタジアムを埋めるアクトにはなれない。

MUSEが6枚目のスタジオ?アルバム作りに取りかかった時、彼らは聖歌隊、ストリングスやホーン?セクションをケチろうとはしなかった。そしてご安心あれ:ギターを速弾きし、ピアノを叩き鳴らし、オーケストラの編曲をこなし、本を読みふけり、ビッグな思考を持つMatthew Bellamyは、バンドの主要ソングライターとしてその照準をビッグな全体図から下げることも、あるいは大切な細部を無視することもなかった。またこのトリオは、自分たちのサウンドにあでやかな新要素が加わる余地を与えることも恐れなかった――ベース?プレイヤーであるChris Wolstenholmeが書き、歌った楽曲のことだ。

今回、MUSEにとっての時間との闘いの相手は彼ら自身のバンドの内的リズムだけだったことになる。彼らには時間の余裕があったし、実験し、アイディアを探り、巨大なPAシステムを設営し、リミキサー陣を雇い入れ、様々なエフェクト?ペダルで遊び、そして自分たちの満足のいくまで機材をいじりまくるだけの空間も手に入れた。そして今回のMUSEは『The Resistance』を自主プロデュースしたことを通じて生まれた、彼らが本当に作りたいと思う音楽をクリエイトするためにスタジオに関する彼ら自身の知識を適用する、という経験も積んでいた。

それは要らぬ腹立ちをセーヴし、エネルギーを温存するということだった。そしてそれにふさわしい、『The 2nd Law』についてでもあった:熱力学の第二法則、すなわち閉鎖系システムの中でエネルギーの浪費は不可避であるという考え方にテーマの面で影響を受け、タイトルもそれに由来したアルバムだ。それは自分達を解放し、彼ら自身がエンジョイするということでもあった。とどのつまり、MUSEはそうするに値するだけのことは成し遂げてきたのだから。

■2013年1月11日(金)@会場:さいたまスーパーアリーナ
OPEN 17:30 / START 19:00

■2013年1月12日(土)@会場:さいたまスーパーアリーナ
OPEN 16:30 / START 18:00

主催:J-WAVE
協力:ワーナーミュージック・ジャパン / さいたまスーパーアリーナ
企画・制作・招聘:クリエイティブマン
詳細はコチラ: http://www.creativeman.co.jp/artist/2013/01muse/


『The Resistance』特集:
管理社会に迎合するべからず。クラシックの要素を大々的にフューチャーしたMUSEの5thアルバム!
[2009.09.27 UpDate]