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LIVE REPORT

Japanese

ポタリ

Skream! マガジン 2018年05月号掲載

2018.03.25 @渋谷TSUTAYA O-Crest

蜂須賀 ちなみ

"今日みたいに素敵な日があると、いつも悩んでいることがちっちゃく思えます。みんながこうやって来てくれたことが、私たちにとっての正解で、パワーの源です。"

2ndフル・アルバム『ポタリの2』のリリースを記念して開催された全国ツアー。対バン編を経て突入した東名阪ワンマンの2本目、渋谷TSUTAYA O-Crest公演。2時間で26曲。尺のわりには異様に曲数の多いセットリストの時点から気合が感じられたし、4人の演奏自体も熱く頼もしいものだった。冒頭に引用したのはライヴ終盤での鈴木奈津美(Vo)のMCだが、その言葉は、彼女たちが今現在抱く自信、そして未来の自分たちに対する期待の表れと言えるだろう。

この日の1曲目「MUSIC」の"止まないノイズ混じりの日常/今すぐ掻き消して!"という歌詞になぞらえてだろうか。定刻を少し過ぎたころ、ジジジッ......と電子音が鳴り、ステージ上の照明が点滅し始めた。暗転に近い暗闇のなか、4人がスタンバイ。茄子川(Dr)の鳴らす4発のシンバルをきっかけにして一気に明転、フロアを指さし前へ乗り出す鈴木の歌声が生き生きと飛び出してきた。テンション高い問い掛け&タイトル・コールとともに「Are you ready?」に突入すれば、中西詠美(Gt)と内田愛子(Ba)が揃ってお立ち台へ。"オイ! オイ!"と声を張り上げ、拳を突き上げるオーディエンスを見て、鈴木が、前日の大阪公演と比べながら"私が思うに、今日の東京も負けてないのよ!"とひと言。そのあとはマイナー調のハード・ロック「AGFG」でピリリとスパイスを効かせ、4人揃って鳴らすキメを転調させながら「Escape」へと繋げた。

この日のセットリストは、『ポタリの2』収録曲を軸にしつつ、ブロックごとにサウンドの色を変えていくような構成だった。アッパー・チューンで要となるのがリズム隊のふたり。柔らかく微笑む茄子川のビートは躍動的ながらもテンポ・キープ力が抜群で、赤のリップがクールな内田のベース・ラインはバンドをグイグイと前へ引っ張る。リズムに任せ、身体を揺らすオーディエンスの姿が多く見受けられたのもこの土台がしっかりしているからこそだ。また、オーディエンスの視線をグッと惹きつけたバラード・ゾーンでは、鈴木の魅力がさらに光った。もともと声質も発音もクリアではあるが、バンドが作り上げたテンポやリズムを守りつつ、特に重要なフレーズには息を多めに入れてしっかりと歌うようにしている様子。このように"伝える"ための工夫を決して怠らないところがヴォーカリストとしての彼女の長所だ。そして様々なタイプの曲を演奏するようなライヴだからこそ、曲ごとにその表情を変えていく中西の表現力もしっかりと生きていたように思う。結果、それぞれのプレイヤーとしての個性が炸裂することによって、各曲がいっそう鮮やかに鳴るようになっている印象があった。

対バン・ツアーでは自分たちの音楽を"届けに行く"という気持ちだったが、ワンマンともなるとみんなを"迎える"という気持ちなんだ、と鈴木は言っていた。そう思えるようになったのはきっと、このツアーで成長できたという確かな手応えがあるからだろう。"これからも迷いなく進めるように"と「走る」で本編を終えたあと、アンコールでは早速新曲も披露。「MONSTER」と名付けられたその曲には、衝動に身を委ね、喜びを溢れさせる彼女らの奔放さとリンクするようなフレーズもあった。

"4人で音を出してライヴをすること、音楽を届けられること、ものすごく自信があって。だから今のポタリを観てもらえて嬉しく思います。これからも今が一番だって言い続けられるような存在でありたいし、そんなポタリをみんなに観てほしいです。"(鈴木)

過ぎ去った今日は過去になり、糧になる。"最高"だった日々を血肉に変えて、ポタリは "今"を更新し続けていく。


[Setlist]
1. MUSIC
2. Are you ready?
3. おばけのチャ★チャ★チャ
4. ナイショ ナイショ
5. AGFG
6. Escape
7. SOS
8. Re-action
9. 君とアワー
10. ハルノカゼ
11. ニーニーピース
12. あいまい
13. 夏の言い訳
14. 最終列車
15. コンパス
16. GOOD LUCK
17. Scope
18. カメレオンガール
19. scratch
20. レディー Go!Go!
21. セツナジェットコースター
22. 走る
en1. てっててー
en2. JUST!
en3. MONSTER
en4. 明日へ