Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

LIVE REPORT

Japanese

SCOOBIE DO

Skream! マガジン 2018年03月号掲載

2018.02.11 @Zepp Tokyo

Writer 岡本 貴之

"ダンス・ミュージックだけどパーティー・ミュージックじゃない"。アルバム『CRACKLACK』リリース時のインタビューで、コヤマシュウ(Vo)はそう言った。"「自分は絶対そこにあるままにノれる」ところがSCOOBIE DOっぽいと思う"とも。そうだ、まさにロックが好きな人間の気持ちはそれなのだ。"Funk-a-lismo! vol.11"ツアー・ファイナル公演として行われたSCOOBIE DO初のZepp Tokyo公演は、すべての人がミラーボールの下で"自分は絶対そこにある"まま、歌い踊り輝いた最高の一夜となった。

打ち込みで作られたデモをバンドで血肉化するという、シングル『ensemble』で試みたチャレンジをさらに深めたアルバム『CRACKLACK』。その楽曲たちがツアーを経てどのように成長しているのか? 期待が高まるツアー・ファイナル。"プラスワンモー"(※SCOOBIE DOファンの総称)が待ち受けるなか、登場した"FUNKY4"に、とてつもない大歓声。早くも会場の雰囲気はできあがっている。それもそのはず、会場となったZepp Tokyoの天井からは巨大なミラーボールが、そしてセンター・ステージが設けられ、否応なのだ。

マツキタイジロウ(Gt)、ナガイケジョー(Ba)、オカモト"MOBY"タクヤ(Dr)がステージに上がり、コヤマシュウが広い会場に届けと言わんばかりに投げキッス。お馴染みの前口上"You can get the funky mellow fellow! You can feel Swingin' Rebel Groove! We are SCOOBIE DO!!"にも、センテンスごとに"ウォー!"と、観客はものすごい反応ぶりだ。"やってきたぜZepp Tokyo!" コヤマが第一声を上げ、『CRACKLACK』からのナンバー、「Love Song」でファンキーにメロウに幕を開けたステージは、「Get Up」へと続き、"あこがれに手を振ろうぜ"の歌詞に合わせて大観衆が一斉に手を振り、メンバーの一挙手一投足に大歓声が上がる。お客さんたちがいかにこの日を待ちわびていたのかがわかった。「新しい夜明け」では、コヤマがセンター・ステージでサビを歌い、序盤から会場中に多幸感が広がっていく。

"すごく気持ちEです! 最後まで誰よりも自由に楽しんでいってくれ!"。ドラム・ブレイクに乗ってのMCの途中では、ドラム・セットに近づきながらコヤマが"これはあれか!? これはあれか!? 超Make It Funkyなやつだ! そう、「ダチーチーチー」だ!"とラップで絡み、MOBYがBernard Purdie直伝の"ダチーチーチー"を繰り出して応えたものだから、会場は割れんばかりの大歓声! こんなにソウル・フリークスが集まっている会場はおそらく日本でここだけだ。続いて披露された「ensemble」でも惜しみなく"ダチーチーチー"がフィーチャーされていた。"この世は男次第 この世は女次第"と会場を指さし男女がそれぞれ歓声を上げた「What's Goin' On」、「MIGHTY SWING」などで盛り上がった中盤から、珍しくマツキがマイクを持ち、"23年かかってZeppに辿り着きました"と、観客へ感謝のMC。さらにセンター・ステージへと移動して"嵐スタイルでやっていいですか?"と笑わせながら、アコースティック・セットへ。「美しい日」、「最終列車」と、抒情的なムードで酔わせた。

そして、メンバー紹介から始まったコーナーがヤバかった。"ライヴハウスお台場いくかー!"と煽ってからの「禁じられたふたり」から「アウェイ」ではセンター・ステージにマツキとナガイケが躍り出て、向かい合ってソロを取り盛り上げ、続いてライヴ・アンセム「真夜中のダンスホール」へと突入してボルテージは最高潮に。"自由に踊れ! お前たちがいるここが、ダンスホールだぜ!"(コヤマ)。このあたり、筆者も我を忘れて歌い踊っていたので、正直ほとんどメモを取っていなかったのだが、ミラーボールの下、会場にいるすべての人々が己を解放して自由に踊っていたことだけは間違いない。センター・ステージへと続くランウェイでコヤマ、マツキ、ナガイケの3人がダンスをキメると、ステージを囲むプラスワンモーも大熱狂で迎える。間奏明けの"ケモノだもの"という歌詞へ入れる合いの手も、本当に気絶するんじゃないかというほどの異常なテンションだった。

そんな熱狂のあとは、MOBYによる"アメリカ横断ウルトラクイズ"風の"クイズコーナー"でまったりと楽しんで、「PLUS ONE MORE」から後半へ。"FUNKY4!"、"プラスワンモー!"の掛け合いも楽しい。ニュー・アルバムからの「愛はもう死んだ」では土着的で重たいビートが会場を支配して、ヘヴィなロック・バンドの迫力を見せる「Back On」からアツくてクールなダンス・チューン「Cold Dancer」へ。アンコールではこの日のライヴがDVDとして発売されることも発表され、ラストは「やっぱ音楽は素晴らしい」で締めくくる。"オレたち、ライヴやらないと死んじゃうからさ。これからもライヴをやり続けます"ステージ上からコヤマが発したそんな言葉が、これ以上ない説得力を持っていた、SCOOBIE DOが最高のライヴ・バンドであることを証明してみせたライヴだった。

  • 1