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LIVE REPORT

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。 / NoisyCell / DOG MONSTER

Skream! マガジン 2017年08月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Official Site

2017.06.28 @下北沢LIVEHOLIC

吉羽 さおり

Vol.19に出演したのは、DOG MONSTER、NoisyCell、ぜんぶ君のせいだ。というバラエティ豊かな3組。





まず登場したのは、6月に1stアルバム『TOKYO, BLACK BERRY』をリリースした女子ベーシストとリード・ギターによるツイン・スラッピング3ピース・バンド、DOG MONSTER。愛らしいルックスやヴォーカルに、バッキバキのスラップを聴かせるchloe(Ba/Vo)と、gouache.(Gt/Cho)、LiM(Dr)によるグルーヴィでテクニカルなアンサンブルが肝のバンドで、1曲目「Money Monster」から馬力のあるサウンドでフロアを掴んでいく。アルバムでは楽曲やメロディのポップさが際立っていたが、ステージではよりソリッドでアグレッシヴな印象だ。「バイトなんて辞めたいです」、「吐かせたろうか」など、前半は気持ちのいいノリとキャッチーな歌の曲を聴かせ、観客はハンドクラップをしたり身体を揺らしたりという感じだったが、ステージも会場もグッとテンションが上がったのが後半。gouache.がステージ前へと躍り出て華麗なギターで攻め、chloeのスラップとキレのいいLiMのドラムとで超絶なインストをスタートすると、歓声と拍手が大きくなってフロアの温度が上がっていく。そのままchloeがさらに激しいスラップで観客の手拍子を煽って「ボブ知らん」へとなだれ込む。飄々とした佇まいのまま激しくベースを操り、キュートなヴォーカルも聴かせるギャップに惚れ惚れする。ヘヴィなギター・リフとスピード感のあるサウンドとフレンドリーな歌とで疾走する「酒乱犬」、そして"みなさんありがとうございました"(chloe)とラストの無機質でシュールな「東京、奇怪なサーカス。」まで、しっかりと観客の心を掴んでいった。




アンセム的な、高揚感のあるコーラスで掴む「Lily」でダイナミックに幕を開けたNoisyCell。Ryosuke(Vo/Gt)のハイトーン・ヴォーカルが、力強いサウンドに映える。続けざまに、バンドのアクセルをグッと踏み込み、スピーディでパンキッシュな「Mirror」へと突入。ヴォーカルは、一段と高音のメロディを操る。求心力のある、華やかな歌声にフロアのクラップが大きくなっていった。続いて披露したのは「Pieces」。RyosukeがMCで"変わることを恐れずに突き進んだ結果のアルバム"と紹介した、6月リリースの最新作『Pieces』のリード・トラックであり、言葉どおりに新鮮なタッチのサウンドで、ラウド~パンク、アレンジの妙味を聴かせるロックや、キャッチーで歌謡的なメロディなどこのバンドの面白さがすべて詰まった1曲。しなやかに躍動するバンド・アンサンブルが、多彩な要素をなんなく昇華している。そこからアンビエントなギター・サウンドで会場の空気を変えて、エモーショナルなバラード「Innocence」をじっくりと響かせた。前半からドラマチックで、変化に富んだセットリストだ。 "ここからは、みんなのその手と声を借りたい"とRyosukeが声を掛けてスタートした後半は、ポジティヴなコード感とリズムで、一歩一歩踏みしめていくような「Days」で、一体感のあるハンドクラップを生み出した。"ラストスパートかけるから、ついてきて。あなたたちの意志を見せてください"というRyosukeの言葉を合図に「Will」が始まると、大きなハンドクラップが力強いコブシとコールになってフロアが盛り上がっていく。熱いフロアに"自分たちは強い意志を持って進んでいく"と高らかに宣言して、さらに会場を熱するようにして「Your Hands Grasping Even Yourself」の爆音をお見舞いした。




この日のトリを飾ったのは、今年新体制となった5人組アイドル・ユニット、"ぜんぶ君のせいだ。"である。熱量の高い2バンドのエネルギーを受け継いで、"下北! 最後まで盛り上がってね"(如月愛海)と頭からハイ・ボルテージなステージとなった。「Sophomore Sick Sacrifice」から「痛カルマバ◯ス」、そして「キミ君シンドロームX」と、頭から怒濤の勢い。如月愛海、ましろ、一十三四、咎憐无、未来千代めねの全員で、ステージから観客の手を掴んで身体をのり出すようにして歌うと、フロアから大きなコールが巻き起こっていく。ステージの5人はもちろん、ファンと一体となって作り出していく空間。新メンバーの咎憐无と未来千代めねも、加入直後からのライヴで鍛えられてきたのだろう、インタビューなどではまだ控えめなところがあるけれど、ステージでは3人とともにがっぷりとフロアに掴みかかっていっている。曲ごとに振り付けや、フォーメーション的な動きもあるが、こうしたライヴハウスでのライヴは特に、魅せるよりもいかに感情をバーストさせて、自らの熱に観客を巻き込んでいくかに重きを置いているのだろう。メーターを振り切ったままで、爆走していくステージとなった。またステージ上だけに留まらず、「うぇゆうぇゆうぉっ~ヒネクレノタリ~」では、全員がフロアへと降りていって、観客と一緒になって歌い踊っての祭り状態に持っていく。力技ではあるが、その全力ぶりが爽快だった。