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LIVE REPORT

Japanese

鶴 / 井乃頭蓄音団

Skream! マガジン 2017年08月号掲載

2017.06.24 @下北沢LIVEHOLIC

岡本 貴之

この日の下北沢LIVEHOLICは鶴と井乃頭蓄音団という、ユーモアとグッド・メロディで最高に楽しいライヴを見せてくれる2組が登場。井乃頭蓄音団が来年結成10周年、鶴は来年結成15周年&デビュー10周年という節目を迎えることも共通点だ。




先攻は"いのちく"こと井乃頭蓄音団。松尾よういちろう(Vo/Gt)が弾く軽快なアコースティック・ギター、ヒロヒサカトー(Gt)が弾くマンドリンの音色が鳴り響き、「ようこそ我が家へ」でライヴがスタート。激しいロックを奏でるバンドが多いイメージがあるハコだけに、バンジョー、マンドリンを使ったマリアッチ的な演奏はなかなか新鮮だ。続けざまにカントリー・タッチの「この人は誰だろう」ですっかり会場は牧歌的な雰囲気になってきた。"井乃頭蓄音団です! 今日もシブく盛り上がりたいと思います!"と言いつつ、ハンドマイクで観客を煽りながら歌う松尾。ギターのふたりもエレキ・ギターに持ち替えて「さよならと言ったわけ」、「好敵手~ライバル~」でロック・サウンドを披露。ヒーローものみたいなポーズをキメながら歌う松尾。ユーモアたっぷりなキメ顔に観客はクスクス。何しろ表情豊かなステージングで、「タスマニアエンジェル」なんかは完全にいのちくワールドに染めながら"みなさんの戸惑いが伝わってきます"と笑わせる。
MCでは、"結成9周年企画「井乃頭蓄音団と行く井の頭線の旅」"として、3ヶ月連続で井の頭線の旅を開催することを告知。来年10周年を迎えることが伝えられると、大きな拍手が贈られた。アコースティックに戻ってのフォーキーな中盤のハイライトは、名曲の日本語カバー「カントリーロード」。スライド・ギター、マンドリンの音色が会場をノスタルジックに包み込み、"カントリーロード 今の場所が/目的地だったかわからないけど/振り返るとそこにあるのは一本道でした"という最後の歌詞が心に沁みる名演だった。その感動的な余韻を破るように、頭を振りながらアコギでメタルちっくなフレーズを激しく弾き出した松尾は途中でピタッと演奏を止めると、"ヘドバンは良くないってYOSHIKI(X JAPAN)が言ってた"と時事ネタで笑わせつつ、聖飢魔IIばりの様式美曲「アンゴルモア」へ。そしてメンバーがヴォーカルを順番に回す「東京五輪」でじっくり熱くドラマチックに盛り上げ、ラストは「親が泣く」で明るく人生の悲哀を歌ってステージを降りた。




昨年"Soul Mate Record fes"を行って以来のLIVEHOLIC登場となる鶴のライヴは、メロウなファンク・チューン「花のフライデーナイト」から幕を開け、2曲目にいきなりライヴの定番アッパー・チューン「踊れないtoフィーバー」がヒット! 一斉に手拍子で沸き立つソウルメイトたち。"LIVEHOLICの2周年を祝いに来ました! 俺たちが鶴です!"と、最初からアクセル全開、フルスロットル。「高性能」なバンド・サウンドで一気に会場を「Home」にしてしまった。"LIVEHOLIC 2周年おめでとうございます。鶴の2周年はアフロ2年目、さっきあっちのバンドにいたよね? 懐かしかった(笑)"と笑わせる秋野 温(うたギター)。しかもギターのストラップも同じものを使っているとあって、いのちくのアフロヘア・ギタリスト、ジョニー佐藤にはシンパシーを感じたようだ。笠井快樹(ドラム)がドラム・セットから立ち上がって客席に語り掛けるなど、わいわい楽しいトークを挟んでライヴは進み、7月リリースの約5年ぶりの新シングルから「グッドデイ バッドデイ どんとこい」を初披露。歌い出しから実に鶴らしいミディアム・テンポの跳ねたリズム、柔らかなメロディとハートフルなメッセージが込められた、"背中を押される"1曲で、歌い終わると大きな拍手が起きた。"来年結成15周年!"と、神田雄一朗(ベース)が大きなパネルを見せてアピール。客席にパネルを渡して記念撮影を行うと、"これからも一緒に転がり続けよう!"と叫んで「ローリングストーン」から、鶴とソウルメイトのテーマ曲とも言えるダンス・チューン「ソウルメイト今夜」へ。コール&レスポンスを繰り返し、よりいっそう一体化するLIVEHOLIC。あまりの熱量に(!?)秋野のギターからピックガードが外れてしまうハプニングも。ラストは"あなたの心のグラスを上げてください!"との粋なセリフから、アッパーなお祭りソング「乾杯」で大合唱。なんと、神田がベースを客席に渡して、ベースだけがクラウドサーフ! 単独で黒いボディを光らせながらグルグル観客の頭上を移動していくベース。こんな光景初めて観た。最後はソウルメイト全員の"カンパーイ!"で締めて、ステージを降りずにそのままアンコールに突入。「夜を越えて」を歌って大団円となった。井乃頭蓄音団、鶴ともに熱い楽曲と遊び心満載のステージングでお客さんを楽しませたこの日のライヴ。2バンドのキャリアからくるライヴ巧者ぶりを感じさせる圧巻の一夜だった。


[Setlist]
■井乃頭蓄音団
1. ようこそ我が家へ
2. この人は誰だろう
3. さよならと言ったわけ
4. 好敵手~ライバル~
5. タスマニアエンジェル
6. ぼくら風まち
7. 二人の影
8. カントリーロード
9. アンゴルモア
10. 東京五輪
11. 親が泣く

■鶴
1. 花のフライデーナイト
2. 踊れないtoフィーバー
3. 高性能
4. Home
5. 公約数
6. 小さくても世界は変わってる
7. グッドデイ バッドデイ どんとこい
8. ローリングストーン
9. ソウルメイト今夜
10. 乾杯
en. 夜を越えて