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GOODWARP

Skream! マガジン 2016年08月号掲載

グッバイフジヤマ

Official Site

2016.06.24 @下北沢LIVEHOLIC

藤井 美保

ミニ・アルバム『FOCUS』を3月にリリースし、インストアやフェスで着々とファンを増やしているGOODWARP。ファンキーなのにどこか切ないその楽曲は、世代を超えて音楽好きを虜にし始めている。6月24日には、"GOODWARP × Skream!企画『グラデーション~とぅゆ~』"と銘打ったイベントを下北沢LIVEHOLICで開催。グッバイフジヤマの中山卓哉(Vo/Gt)とOverTheDogsをゲストに迎え、自らオープニング・アクトとトリを務めるという離れ業(?)をやってみせた。

初っ端のGOODWARPはアコースティック・セット。ヴォーカルの吉崎拓也とギターの藤田朋生がアコギを抱え、ゆるゆるとしたムードで「My Girl」が始まった。ドラムの有安祐二が、まずはシェイカーとタンバリンだけで心地よいリズムを作っていく。ベースの萩原"チャー"尚史は、高い身長とは不釣り合いのかわいすぎる小型シンセを弾き、効果音的サウンドでドリーミーな曲を彩る。アコースティック・ライヴに慣れてない10代の観客は、どう反応していいかわからない様子でほぼ直立不動だったが、その光景がなんとも初々しい。1曲終えて、"みんな緊張してない?"と吉崎は笑顔を見せたが、当の本人にも緊張は伝染しているようだ。その硬い空気をなんとか弾ませようと、吉崎はベースを肩にかける萩原の髪を指し、"あじさい色にしたんだって"とみんなの注目を促す。"グラデーション~とぅゆ~"の"とぅゆ"が"梅雨"の意味であることを地味に明かすと、"へー!"という声も上がり、少しずつステージとフロアとの距離が近くなっていった。有安のカホンと萩原のベースで一気に気持ちいいグルーヴ感が生まれ、「STAR SIGNAL」、「All the freaks around me!」を披露。後者では"手拍子してくれていいんだよ"という吉崎の誘いで、ようやく堰を切ったようにみんな揺れ始めた。最後は有安がドラム・セットに移動し、ロマンチックな「My Moon」。静かなのは、緊張のせいだけではない。きっとみんな、GOODWARPの曲に聴き入りたいという気持ちが強いのだ。演奏する側にとっても、聴く側にとっても"お見合い"のような、ちょっと微笑ましい時間だった。

2組目はグッバイフジヤマの中山卓哉。この日は、彼ひとりのギター弾き語りスタイルでの登場だった。前は見えてるのかな?と思うほど、目の隠れてしまっているマッシュルーム・カットからこぼれる笑顔が、なんともキュート。素直すぎる歌声とオーバーすぎるリアクションも含めて、強烈な印象を残した。
3組目のOverTheDogsは、イカしたロックなお兄さんたちといった風情。フェミニンとマッチョが合体したエキセントリックで芯の太い世界観は、これまた圧巻だった。

ここで一旦ステージに黒い幕が下り、いよいよバンド・スタイルのGOODWARPの出番。流れてきたSEに合わせて、待ちきれないと言わんばかりに手拍子が起こる。幕が上がると同時に始まったのは、切なさ120%の「アノラック」。AOR風のムードあるサウンドに、"お見合い"を済ませた観客は、もう何も緊張することなく身を委ねていく。"とびきりドラマチックな夜にしましょう"という吉崎のきっかけで、「FOCUS」のキラキラなイントロを放つ。ミラーボールが回ると、"ウォーッ!"と男子の声も上がり、熱気はさらに増していった。有安と萩原が紡ぎ出すグルーヴに、藤田のちょい渋なフレーズが絡むと、吉崎のヴォーカルがグッと色っぽく響く。音への共通した愛とこだわりがあるんだなと想像できる、本当にいいアンサンブルだ。梅雨にぴったりの「レイニー白書」では、フロント3人が振りをつけてダンス。これでフロアも一気にハイテンションになった。"ビショビショになってもダンスを止めるなよ!"と叫ぶ吉崎。みんなバック・ビートでノリながら、サビでは一緒にキメのクラップ。エネルギー交換は完璧だ。"ひとりひとりの子供みたいな顔、マジ忘れない。跳んでください。いくよ!"と、ミニ・アルバム『FOCUS』のラスト・ナンバー「大人になれば ~lights & music~」が始まると、そこにいる誰もが最高の笑顔で手を空にかざし、エンディングで"オッオッオー"とめいっぱい大きな声を合わせた。

アンコール、藤田は"俺いいこと言うよ"と予告してこう続けた。"1ヶ月ぶりのライヴで、その間なんかモヤモヤしてたけど......やっぱりFace to Faceだね!"。つまり、ライヴはやっぱり最高ってことだろう。その開放的な表情に、メンバーも会場もドッと沸き、"Come on Drums! 聴いてくれ"という吉崎の合図で、ご機嫌なシャッフル・ビートの「snob beat(でっかく見せろ)」になだれ込んだ。"OHHHHHHH DANCE!"という勢いよく駆け上がるフレーズを一緒に叫びながら、みんなきっと心の中に湧き上がる何か熱いものを感じていたのではないだろうか。GOODWARP、絶対に何かやってくれる奴らだ。そんな未来の片鱗が見えた下北沢の一夜だった。