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LIVE REPORT

Japanese

04 Limited Sazabys

Skream! マガジン 2016年08月号掲載

2016.07.09 @豊洲PIT

Writer 山口 智男

7組のツワモノたちと全国7ヶ所を回った"AIM tour 2016"。その大団円となるファイナル公演。豊洲PITがソールド・アウトになってしまうなんて! いや、04 Limited Sazabys(以下:フォーリミ)によるこの1、2年の快進撃を考えれば、ソールド・アウトは当然と言えば、当然か。しかし実際、あの広いPITがフォーリミだけを観に来たファンで埋め尽くされている光景を目の当たりにしてしまうと、興奮せずにいられなかった。
 
序盤のブロック終わりでGEN(Ba/Vo)が語ったところによると、この日の観客数は3,103人。"今年初めてのワンマンです。(ワンマンってことは)俺たちだけを観に来たってことでしょ? 俺たちがめっちゃ好きってことでしょ? 俺たちの曲ならなんでも知ってるってことでしょ!?"と、自分たちだけを観に3,000人以上の人が集まった喜びを語ったGENは続けて、"イベントやフェスは(観客を)いかにライヴハウスにお持ち帰りするか、その前戯みたいなもの。ワンマンこそが本番。一緒に生で本番しましょう!"と彼らしい表現で、この日のライヴにかける意気込みを客席に伝えた。
"行くぞファイナル!"というGENの掛け声を合図に、ズドドドドとKOUHEI(Dr/Cho)のツイン・ペダルが炸裂。いきなり前列のファンが2ビートの演奏に応え、クラウド・サーフィンを始めた1曲目の「climb」から、"オイ!オイ!"とRYU-TA(Gt/Cho)が煽りながら「monolith」、「escape」と激しい曲を畳み掛け、怒濤の勢いで突っ走った前半。そしてハードコア由来の激しさをアピールした「knife」、「cubic」から一転、HIROKAZ(Gt)が奏でる泣きのフレーズとともに「fog」、「Letter」で持ち前のメロディアスな魅力を印象づけた後半。振り返ってみれば、単にライヴの動員が増えたとか、会場の規模が大きくなったとかいうことだけに留まらず、多彩なセットリストで、現在のフォーリミのスケールやポテンシャルをダイナミックに見せたところにこの日の見どころがあったと思う。広いステージを左右に目一杯使うHIROKAZとRYU-TAの動きも見事だった。
 
前半と後半の間には、KOUHEIが警官に連行されるという前フリから、ニュース・キャスター、コメンテーターに扮した他の3人がKOUHEI逮捕を伝えるニュース番組を模したスペシャル・ムービーを流すという演出が加えられた。それもまた、今後さらに大きなステージに立つことを視野に入れたバンドのスケール・アップを印象づけたが、その一方で、ムービーの内容は彼らがインディーズ・シーンで泥水を飲む思いをしながら活動してきたころと何ら変わっていない――こういう晴れの舞台でも悪ふざけがまだ普通にできることを伝えるものだった。そこにほっとしたという昔からのファンもいたんじゃないか。
しかし、いつもよりも多めに下ネタをMCに交ぜながら、後半、GENの言葉は次第にシリアスなトーンを帯びていった。中でも一番印象に残っているのが、ファンに支えられているおかげでバンドが生き甲斐になっていることと、(ミュージシャンという)最高の仕事をさせてもらっていることに対して感謝の気持ちを述べたあとに言った"こうやってライヴに来てくれている人たちがいつか、それぞれの事情で来なくなってしまうこともわかっている"というひと言だった。それを聞いたとき、あぁ、彼らは決して浮かれていない。自分たちが今、置かれている状況をちゃんと見据えたうえで、できることを精一杯やろうとしていると思った。さらなるブレイクのステップになることは間違いない今回のファイナルで、それを改めて感じられてよかった。パンク精神が根っこにある彼らなら何があっても大丈夫。歩幅はこれまでよりも大きなものになるかもしれない。しかし、これからも一歩一歩、着実に進んでいくことだろう。
 
"受け入れ態勢を万全にして待っています。生きる力が擦り切れたらいつでもライヴに来てください"と言ってから演奏した「Terminal」。"闇を打ち消す光を東京のみんなに! そして、日本のロック・シーンに光が射すように!"と思いを込めた「swim」。さらに、再びニュース番組仕立てのスペシャル・ムービーを流して2ndフル・アルバム『eureka』のリリース(9月14日)および12月7日から全国ワンマン・ツアーを開催することを発表してから、"できれば長い付き合いがしたい。一生一緒にいたい"という思いを込め、最後の最後に演奏したスウィートなロックンロール・ナンバー「Give me」の3曲には、彼らがどんな気持ちでバンドに取り組んでいるか。その思いがひと際溢れ返っていたように感じられた。

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