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LIVE REPORT

Japanese

THE BACK HORN

2015.04.30 @渋谷公会堂

岡本 貴之

THE BACK HORNが4月30日に東京・渋谷公会堂で、ワンマン・ライヴ["KYO-MEI SPECIAL LIVE"~人間楽団大幻想会~] を開催した。

彼らが渋谷公会堂でワンマン・ライヴを開催するのは2006年11月の"秋の東阪ホールツアー~鈴虫デストロイヤー~"以来、実に9年ぶり。会場は開演前からファンの熱気が充満していた。

この日のライヴは開演時間ピッタリにスタート。暗闇で勇敢なSEが流れると、ステージにメンバーが現れ、自然に手拍子が起こり客席は総立ちに。うす暗いままのステージに照明があたりバンドが水中にいるようだ。1曲目は「航海」。静かなギターのアルペジオから始まり、後半は嵐のようなけたたましいサウンド描写と共に曲が進み、バンドがこれまで歩んできた道のりを感じさせる壮大なオープニングとなった。ステージ後方にはストリングス・チーム"めかるストリングス"が控え、THE BACK HORNのダイナミックなサウンドをさらに強固なものとしている。

一転、明るく照らされたステージで始まったのは「光の結晶」。山田将司(Vo)がモニターに足をかけるおなじみのアクションで"渋公ー!!"と叫ぶと、待ちわびたファンから一斉に腕が突き上げられる。間奏では菅波栄純(Gt)が前に出て興奮を煽る。ホールという空間を目一杯使ったパフォーマンスだ。

"ようこそ渋公へ!サイコーの夜にしようぜ!"との山田の声に"ウォー!"と地鳴りのような大歓声。武骨かつファンキーなギターのカッティングで始まった「涙がこぼれたら」では、後半赤く染まるライトの中で激しさを増し、早くもライヴをヒート・アップさせる。曲が終わると松田晋二(Dr)がマイクを取り"人間楽団大幻想会へようこそ!今日はスペシャルな感じで特別な一夜をお届けします。椅子席だけど、気持ちはライヴハウスです!"とのMCにドッと場内が湧く。

岡峰光舟(Ba)のベースがうねる「罠」から「ひょうひょうと」、そして結成15周年記念シングルとしてリリースされた「バトルイマ」ではコーラスに声を重ねる観客たち。椅子席だが座っている者はほとんどいない。続いてハードなギター・リフが印象的な新曲を挟み、松田のMCでは"渋公は初めてホールでやった場所です"と思い出を語る。しかし以前は会場名が"渋谷C.C. Lemonホール"に変わっていた時期なので、事実上"渋谷公会堂"でのライヴは初めてということになるようだ。キーボードにゲスト・ミュージシャンの曽我淳一を加えて「冬のミルク」へ。ハモンド・オルガンの音色が小気味良い。続く「白夜」ではムーディな演奏を聴かせ、ピン・スポットに照らされてギター、キーボードがソロを聴かせた。THE BACK HORNの楽曲にある多面性を感じさせる中盤の演奏だった。さらに
「泣いている人」では、包み込むような山田の歌声とストリングスの演奏がマッチしており、個人的にはこの日のベスト・テイクに挙げたい素晴らしさだった。また、続けて演奏された力強いバラード「美しい名前」にも圧倒された。ハードな楽曲と表裏一体となっているもうひとつの彼らの魅力がここにある。

ライヴは後半戦に突入し、激しく点滅する赤い照明の中「戦う君よ」へ。客席に向かいマイクを向け、声を求める山田に観客も全力で応える。「シンフォニア」が始まるとさらに盛り上がり、2階席が驚くほど揺れていた。「ブラックホールバースデイ」では"オイ!オイ!"と腕を力いっぱい突き上げる。男も女も、この瞬間に一体となっている。

"最高の夜をありがとう!本当にみんなからたくさんの力をもらっています"という山田のMCから最後はロッカ・バラード「世界中に花束を」。ステージのバックには20人の男女によるコーラス隊が現れ、華を添えるドラマティックな演出の中、ライヴ本編はここで終了。アンコールの声が鳴り止まず、再びステージに姿を見せたメンバーたち。"もう1曲、新曲やっていいか!?"の山田の声に大歓声を送る観客たち。どうやら着々と曲作りが進んでいる様子がうかがえる。8ビートのストレートなロック・サウンドが、次回作への期待感を膨らませた。

"生きてまた会おうなー!!"と叫んだ山田が歌いだしたのは「コバルトブルー」。THE BACK HORNらしさ全開のドラマティックな楽曲を、狂ったようにのたうちまわり弾きまくるギター、ベース、そしてドラム・セットを破壊せんばかりにスティックを叩きつけるドラム。山田がマイクを向けると腕を振り上げてコーラスする観客たち。まさに渋谷公会堂がライヴハウス同様のスペースに感じるほどの熱気でエンディングを迎えた。現在の充実ぶりがわかるバンドの演奏と、ストリングスとキーボード、コーラス隊も加わった豪華な演出により、ファンにとっては忘れられない特別な一夜となったはずだ。