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LIVE REPORT

Japanese

UNCHAIN × アルカラ

Skream! マガジン 2012年12月号掲載

2012.10.16 @新代田FEVER

Writer 沖 さやこ

UNCHAINが主催するイベント“Mr. VIRUSOUL”。VIRUSOUL –ヴィルソウル-とはウイルスを意味するドイツ語の“Virus –ヴィールス-”と、UNCHAINの音楽の要である“soul –ソウル-”を掛け合わせた造語。イベントを通して、UNCHAINのSOULという名のウイルスを会場のみんなに感染させてやろうという意気込みから名付けられたタイトルだ。記念すべき新イベントの“1stオペレーション”のゲストに招かれたのはロック界の奇行師・アルカラ。TOKYO BOOTLEGの主宰者であるO-antのオープニングDJで流れていたFoZZtoneの「Blow By Blow」に乗せて、稲村太佑(Vo/Gt/Viorin) がひょろっとステージに現れる。口パクで歌うふりをするなど笑わせ“アルカラのコピー・バンド、SMAPです”と言うと、さっきまでのゆるい空気はどこへやら。ステージの4人は耳を強烈に劈く轟音を鳴らし「癇癪玉のお宮ちゃん」へ。「キャッチーを科学する」では歌詞を一部“UNCHAIN”に変えると歓声が。バキバキに歪んだギターが胸を切り裂く「デカダントタウン」、ムーディーで憂いのあるヴォーカルとトリッキーな拍子の瞬発力が爽快な「シェイクスパイ」とめくるめくアルカラワールドに翻弄される。稲村は突き抜ける高音、地声、デス・ヴォイスにも近いシャウトなど、自身の声を巧みに使い分ける。鋭い音の中に光るそのユーモアはロック界の奇行師の名に相応しい。淡谷のり子と美川賢一の物まねをはさみ「YOKOHAMAから来た男」。昭和歌謡テイストの楽曲にダイナミックなドラムのコントラストが美しい。

MCでサッカーのブラジル戦に触れた稲村は“アルカラ見たらUNCHAINを見ずに家に帰ってサッカーを見ればいい”と言う。“そしたらUNCHAINがこう言うんですよ……チクショー!チクショー!”と「チクショー」へ。ヴォーカルのテンションと音の緊張感は更に高まり、間髪入れず「夢見る少女でいたい。」「半径30cmの中を知らない」「メランコリア」とクールに荒々しくキラー・チューンを畳み掛ける。いつの間にか彼らのペースに巻き込まれてしまうこの巧妙な展開は、かわすのが困難な罠としか言いようがない。ラスト「授業参観」まで鮮やかに駆け抜け、稲村がX JAPANの「紅」の一節をアカペラでカヴァーし、ステージを去った。

稲村の言葉を受けた谷川正憲(Vo/Gt)の“チクショー!”という第一声で幕を開けたUNCHAINのステージ。「Eat The Moon」「Don't Stop The Music」と、コール&レスポンス、キレのある演奏とパワフルなヴォーカルでフロアを盛り上げる。「You Over You」ではミラー・ボールが回り出し、クラップやジャンプなど、オーディエンスはUNCHAINの音に身を委ねる。ハーモニーと軽やかなギターが心地よい「Inspire of life」、流麗なメロディが光る「暁のコドウ」と“俺らのソウルにお前ら感染させたるからな”という谷川の言葉通り、スマートに観客の心を掻っ攫う。

このイベントのために作ったという新曲「ブリリアント・ガーデン」は、その名の通り光が降り注ぐような多幸感に溢れるナンバー。UNCHAINのドラマティックな要素が十二分に溢れる。そこからの「太陽とイーリス」は、夢のなかにいるような感覚に。4人の音が谷川の歌を押し上げるように、ひとつの方向へと集まってゆく。来年の2月にカヴァー・アルバムをリリースすることを発表し、そのアルバムにも収録される椎名林檎の「丸の内サディスティック」を披露。谷 浩彰(Ba)の熱いラップに場内も更に盛り上がる。ストレートなギター・ロック・ナンバー「Higher」、ソウルフルな「Show Me Your Height」はスキャット風のヴォーカルを披露するなど、力強さと遊び心のある谷川の表現力を改めて噛み締める。アンコールでは谷が坊主頭で登場し、場内は一瞬騒然となる。本編とアンコールの間という短時間に刈ったからか、かなりワイルドな坊主頭だ(笑)。「Quarter」「make it grow」、予定外のダブル・アンコール「Saves The Days」まで、ミュージシャン同士の繋がりを感じられる非常にアットホームな一夜だった。このMr. VIRUSOULの第2回目となる“セカンド・オペレーション”は来年2月に同じく新代田FEVERで開催されるとのこと。ゲストは後日発表されるとのことなので、乞うご期待。

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