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LIVE REPORT

Japanese

The Mirraz

Skream! マガジン 2012年08月号掲載

2012.07.16 @代官山UNIT

Writer 沖 さやこ

このライヴの告知と同時に公開されたThe Mirrazのアーティスト写真。バンドのアルファベットのプラカードを持ったメンバーの姿に、勘の良いファンの皆さんはお気付きだっただろう。祝! The Mirraz、EMIからメジャー・デビュー! この時を待ちわびたと同時に、シニカルなイメージの強い彼らゆえ“メジャーで大丈夫?”なんて心配をしてしまう人も多いかも。でも、メジャーであろうとインディーであろうと、The MirrazはThe Mirrazを貫き通す。それを証明する潔いステージだった。

公式キャラクターであるキノイ君があしらわれたTシャツに身を包んだ若い男女が溢れるフロアは、開演前にも関わらず熱気が充満。場内が暗転するとステージめがけてオーディエンスが押し寄せる。畠山承平(Vo&Gt)が「レディース&ジェントルマン」を歌い始めると大歓声、激しいモッシュが巻き起こる。シニカルで攻撃的なロックンロールが炸裂すればするほど、オーディエンスの笑顔はより熱を持つ。ステージに向かって腕を振り上げる人、フロア後方でサークル・モッシュをする人、ステージそっちのけで輪になって歌う人、ダイヴする人……全ての人が思い思いにThe Mirrazの音楽を貪欲に吸収し、楽しんでいる。その自由度はロック・フェスティヴァルのような振り切れた幸福感だ。

浮遊感が心地よい「あーあ」から、ベースとギターの交錯がスリリングな「WAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!」「ハイウェイ☆スター(仮)」へなだれ込む。襲いかかるようなササクレ立った音に、一心不乱のオーディエンス。ステージの4人はそんなフロアをぐるっぐるに引っ掻き回すように音を鳴らす。この日は今年初の猛暑日だったが、UNITの中はそれ以上。立っているだけで汗が滴り、軽く酸欠で気が遠くなる。

ライヴ中盤に畠山からメジャー・デビューの発表があると拍手と大歓声が。“メジャーでもインディーでもかっこいいことやることに変わりはない”と語った後の「なんだっていい//////」の歌詞の説得力は絶大。“インディーでもメジャーでも、どっちだってなんだっていい”という言葉にフロアは笑顔と手拍子で応え、ハッピー・ムードだ。その後、メジャー・デビュー・シングル曲となる「僕らは」を初披露。The Mirrazらしさと、新たなるスタートを目前にし“ロック・シーンのトップを狙う”という気合が全面に躍り出た、キャッチーかつ攻める楽曲だ。畠山の言葉もより鮮明にまっすぐ胸に飛び込んでくる。「僕らは」の両A面曲となる「気持ち悪りぃ」は、気だるさと瞬発力のコントラストが小気味よい。

優しい空気の「朝、目が覚めたら」、軽やかなビートとソフトなヴォーカルの「i want u」でクール・ダウンさせた後は、「TOP OF THE FUCK'N WORLD」「Let's Go!」「ラストナンバー」と駆け抜ける。フロアとステージの“楽しい”という感情がむき出しになって激突する、その様子は灼熱の太陽さながらにギラギラに眩しい。

この日のライヴではEMIからのメジャー・デビュー、両A面シングルのリリース、ハロウィンの企画イヴェントなどが発表された。この原稿を書いている段階ではまだ詳細が明らかではないが、メジャー・デビュー・シングルを引っ提げたプチ・ツアーも予定されているとのことだ。アンコールでは途中“EMIコール”が起こるほど。皆、The Mirrazがメジャーでもっと面白いことをしてくれると期待してやまないのだろう。トップに立つ――そう語るThe Mirrazはこれからどんな景色を見せてくれるのか。彼らが仕掛けるロック・シーンへの襲撃は続く!

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