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INTERVIEW

Japanese

NICO Touches the Walls

2018年07月号掲載

NICO Touches the Walls

Member:光村 龍哉(Vo/Gt) 古村 大介(Gt) 坂倉 心悟(Ba) 対馬 祥太郎(Dr)

Interviewer:山口 智男

7ヶ月ぶりのリリースとなる『TWISTER -EP-』は、新曲5曲に加え、その5曲のアコースティック・バージョンをボーナス・ディスクに収録した前作『OYSTER -EP-』と同趣向の作品となった。普段できないことにあえて挑戦するというテーマも前作同様だが、パンクなロック・ナンバーからR&B調のバラードまで、幅広い曲を収録した前作から一転、今回はファンク/R&B/ブルースのエッセンスを随所に感じさせながらバンドのグルーヴをガツンとアピールするロック色濃い作風に。現在、バンドは新作のリリースを待たずにスタートさせた["N X A" TOUR]の真っ最中だ。


音楽なんだから、楽しんだ者勝ち。楽しんでいるバンドを、お客さんだって見たいだろうし、聴きたいだろうし


ツアー初日のZepp Tokyo公演(6月6日に開催された["N X A" TOUR -Electric Side-])を見せてもらったとき、まさか『TWISTER -EP-』から新曲を、カレキーズ(古村、坂倉、対馬)の「Kareki is burning!」以外、全曲やるとは思ってなかったからびっくりでした。でも、その新曲に対するお客さんの反応もすごく良くて。

光村:そうですね。思ったより反応がいいなっていう手応えはありました。今回はわりと現場主義的なね(笑)。曲が多いからツアーはめちゃめちゃいい感じなんですよ。初日はだいぶ飛ばしすぎちゃって、あとで映像を観て、何これ!? って爆笑しましたけど。早送りで観てるんじゃないかって(笑)。

-たしかに勢いはありました(笑)。

光村:ライヴを重ねるごとに勢いだけじゃなくなっていっていて、どんどん演奏が良くなっているんです。"これ、どこまで良くなるんだろう!?"って、自分たちでもわからないくらい、いい感じです。Zepp Tokyoは"Electric Side"だったから、"Acoustic Side"も見てほしいですね。9月の4日、5日、10日に東名阪のクアトロ(CLUB QUATTRO)でやるんですよ。

-クアトロですか。どう考えたってパンパンになりますよね。

古村:いや、スタンディングでパンパンに入れたら、アコースティックできないからね(笑)。

光村:そこはイスの置き方も含め、いろいろと考えていて。

坂倉:アコースティック独特の空気感があるからね。

光村:今回のツアー、"Electric Side"がロック・バンドとして、タイトに90分一本勝負って感じでやっているから、汗だくのライヴになるんですけど、"Acoustic Side"は逆に汗ひとつもかかない、みたいなね。"Electric Side"で溜まった乳酸を"Acoustic Side"の日にマッサージしているような真逆のライヴをしてます(笑)。

古村:だから楽しいです。全然違うから。

光村:広島で"Acoustic Side"をやった会場(6月12日に公演を行ったLive JUKE)はステージがなくて、お客さんと同じところでずっと演奏しているって感じだったんですけど、それが結構楽しかったんです。自分たちの家にホーム・パーティー的な感じで集まってるみたいなね。そういうふうにやれたら楽しいよねって。

対馬:"お酒、取りに行ってもいいよ"って俺らも言ってますから。お客さんに(笑)。

坂倉:でも、なかなか取りに行ってくれないんだよね。

対馬:お客さんの方もちょっと緊張してたりするんで、そこもいい雰囲気でやれたらいいなって試行錯誤しているところです。

光村:曲もその場で変えちゃって、全然予定にない曲をやったりしているんです。そこも"Acoustic Side"ならではで。ところで、今回のEPどうでした?

-びっくりしました。

光村:ははは(笑)。そう言ってもらえるのを待ってました(笑)。

-1曲目を聴いたとき、違う音源が送られてきたんじゃないかって。でもそうじゃなかったから、何かあったんですか? どうしちゃったんですか!? って(笑)。

光村:何かあったわけではないんですけどね。もともと、前回の『OYSTER -EP-』(2017年リリースのメジャー1st EP)のときもそうでしたけど、普段のシングルやアルバムじゃできない、ちょっと課外活動的な気持ちで作品を作りたかったんです。今までの枠からはみ出るっていうか、何も考えずに自分たちが楽しいと思うことを思いっきり詰め込もうっていうのが前作で成功したと思ってたし、1枚に収まり切るとは思ってなかったから、最初から2枚作りたいって話はしていたんですよ。そもそも『OYSTER -EP-』が作品としては1年ぶりだったんで、溜まっていた曲もあって、それなりにバラエティ豊かな感じにはなったんですけど、その手応えも経て作っていったら、ほんとにいろいろな曲ができて。それこそポップな曲もあったし、いい曲だなって思える曲もいっぱいあったし。ただ、スタジオで盛り上がるのがやっぱり、「VIBRIO VULNIFICUS」とか「SHOW」とか、ああいう感じの曲が多くて、だったら1回、振り切って作品を作っちゃってもいいんじゃないの!? って。ほんとにしゃぶしゃぶで言ったら、アクだけ取って出したみたいな(笑)。

対馬:その表現、いいの(笑)!?

-(笑)そういうことだったんですね。

古村:ツアーを見据えていたっていうのもあったと思います。

光村:前回の『OYSTER -EP-』の「mujina」とか「Funny Side Up!」とかがものすごく受け入れられたんですよ。ライヴでやっていても、僕らの中の新興勢力というか、「THE BUNGY」(2008年リリースのシングル表題曲)に取って代わるアンセム感がすごくあったので、じゃあ"この感じ、全然ありなんだ"っていう手応えで「VIBRIO VULNIFICUS」とか「SHOW」とかを作ってましたね。