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INTERVIEW

Japanese

それでも世界が続くなら

2018年07月号掲載

それでも世界が続くなら

それでも世界が続くなら

Official Site

メンバー:篠塚 将行(Vo/Gt)

インタビュアー:吉羽 さおり

周囲とうまく馴染めない、また様々なマイノリティの心へと、今日を生きる糧と武器を音楽で届ける4ピース、それでも世界が続くなら。今年2月に突如、9月2日の東京でのワンマンをもって活動中止するという発表をし、またベスト・アルバム『僕は音楽で殴り返したい』のリリースと、8月にニュー・アルバム『それでも世界が続くなら』をリリースすることもアナウンスされた。今回は、活動中止に至ったことと、今現在のバンドについて、それでも世界が続くならにとってのベスト・アルバムについて、そして来たるニュー・アルバムに向けての話を、フロントマン 篠塚将行に訊いた。

-すでにオフィシャルのホームページやニュースでも発表されていますが、今年の9月2日のライヴ(9月2日に下北沢CLUB Queで開催する"それでも世界が続くなら活動中止ワンマン公演「休戦協定」")で、バンドの活動を中止することとなりました。ホームページには篠塚さんからの手紙も掲載されていますが、まずは、改めてどういう経緯だったのかという話から訊きたいなと思ってます。

ニュースとして発表したのが2月4日だったんですけど、(活動中止することが決まったのは)2月2日とかの話だったんです。手紙に書いてあるとおりというか......と言っても、本当はもっとたくさん話し合ったんでしょ? と思うじゃないですか。でも、書いてあるとおりというくらい、簡素なんです。それくらいしか喋っていないというか。まず、レーベルからベスト・アルバムを出してくれるという話があって。

-ベスト・アルバム『僕は音楽で殴り返したい』の話が先にあったんですね。

はい。タイミング的に、活動中止だからベストを出すと誤解されがちなんですけども。でも、正直そこは誤解されようが、どちらでもいいかなと思っているんです。ただ僕らとしては、レーベルの方からベスト・アルバムを出そうという話を貰って、アルバムもたくさん増えていたし、あのときやり切れなかったことがやっとできるようになってきて、自分たちのバンドの状態も珍しくそのころはちょっと良かったんですよね。いつもは、修行的な感じだったり、誰かが悩んでいたりというのがあったんですけど、そのときは、ライヴもすごくいいし、やっと俺たち、あのときになりかったバンドにちょっと近づけたかなと思えそうだったんです。で、珍しくギターの菅澤(智史)とベースの章悟(琢磨章悟)が、もっとたくさんの人に届くような活動がしてみたいというような感じの雰囲気で。俺は、それが嬉しかったんですよね。"こいつら、バンドやってる人みたい"っていうか(笑)。

-そこですか(笑)。あまりこれまでその発想はなかったんですか? バンドやってるっていう。

ある意味では、バンドっぽくないんじゃないですかね。この4人が集まっているところからして。

-友人だから一緒にいるんだというのが強いバンドだということでしたね。

バンドっぽくないんですよね、たぶん。ひとりがやたらガツガツしていたりとか、営業熱心だったりとかもなく。野心があったり、承認欲求が強かったりする人があまりいないというか。むしろ、良くも悪くも、そこらへんにいるお兄ちゃんで。そういう人だったし、そういう人でいたいと思っていたんです。でも、ふたり(菅澤、琢磨)がそう言ってくれたのは嬉しかったんですよね。バンドとして、自分たちにいい音楽ができるようになったって気がするから。"これを聴いてもらいたいな"って、ふたりは普通に思ったんだと思うんですよね。じゃあその話を、今日のスタジオでみんなでしようねって話になって。ベスト・アルバムも出るし、そのあとに新しいアルバムとか作る話をレーベルにお願いしようかっていう話をしていたんです。当初は、2枚新しいアルバムを作るかっていう話もあったんですよ。

-本当に、バンドとしてもいい感じだったんですね。

本気でいこうっていうときに、則雄(栗原則雄/Dr)が、"このタイミングで悪いんだけど"って言い出して、びっくりするくらい静かな空気が流れたんですよね。みんな気づいたんだと思うんです。則雄って昔から、大事な話とかすごく感動的な話とかのときに、いつもタイミング悪くいないとか、タイミングの悪い奴なんですよ。この間、3markets[ ]という友達のバンドが、ライヴで則雄に"やめるな"って歌を歌ってくれてたんです。でもそのとき則雄、トイレに行っていて、いなかったんですよ(笑)。そういう、いつもの間の悪いやつがくるかもなっていう感じになって。

-そのあたりは、長い付き合いだからこそ空気感でわかると。

そうそう。ふたり(菅澤、琢磨)がそういう空気になっていて。まさかね? やめるとかそんな空気出すなよ、みたいに思っていたら、則雄が"燃え尽きたので、バンドをやめたい"と言って。みんな、"なんで?"っていう感じだったと思うんです。今まさに頑張ろうって言っていて、昨日まで頑張ってきて、練習もたくさんしてきて。俺たち今までずっと、地元でバカにされてもきた4人なんです。このバンド始めたときも、千葉始まって以来の劣等生と呼ばれ、挨拶ひとつもできないし、しかも気持ち悪いとか、宇宙人とかも言われていたし、ひどいバンドだったわけですよ。それでもこうしてバンドをやってきて、探していたバンドの形にやっとなれそうな......なれそうになってるかもなっていう矢先だったので。その日は、章悟と菅澤はかなり凍りついていた感じでしたね。完全に喋らなくなって。則雄も言ったら言ったで、自分も喋らないしで。僕が、しょうがないから口火を切ってというか、"止められないよね"って。モチベーションがないっていう話だから、やりたくないのを付き合わせるのも、友達だから来てくれると思うけど。でも、少なくとも、今はやりたくないし休みたいわけですよね。

-そうですね。

音楽まで嫌いになってほしくないし、イヤでもやらなきゃいけないものにさせたくないので。無理矢理引き止められないという話になるじゃないですか。じゃあ、バンドも休むかと。休まないという話にならなかったら、則雄がやめるという話になっちゃうし、それはイヤなので。とりあえずは、現状やめたいと思うんですけど、もしかしたら休んだら気持ちが変わるからもしれないから、休むんです。活動中止ということで一時停止しようと。それが一番、無理矢理じゃなくて、可能性があるのかなっていう。だから、さっきの話じゃないですけど、ベスト・アルバム自体は活動中止が決まる前からあった話なんですよね。

-そうだったんですね。このあと夏にニュー・アルバム『それでも世界が続くなら』が控えているという話だったので、バンドとして集大成としてベストを出して、新しいアルバムへ向かうという進み方なんだろうなという印象ではありましたね。

そうですよね。そのつもりではいます。

-活動休止期間としては、9月のワンマン後から半年くらいなんですよね。

そうですね、予定としては来年の2月11日をバンドが集まる日にしていて。その日にスタジオを入れておくというか。今後どうするかは、そこで決めようということなんです。