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INTERVIEW

Japanese

ナードマグネット

2018年06月号掲載

ナードマグネット

ナードマグネット

Official Site

メンバー:須田 亮太(Vo/Gt)

インタビュアー:TAISHI IWAMI

パワー・ポップとは。60年代にTHE BEATLESやTHE WHOが生んだグッド・メロディ・ソングたちを起源に持ち、70年代には固有のジャンルとして認知されるとともに、パンクやガレージ、パブ・ロックや、ハード・ロックなど、様々な分野からもその要素を持つ曲たちが集められ、その概念は現在まで脈々と受け継がれている。とはいえ、世界各国ナショナル・チャートのレベルで、"パワー・ポップ"をキーワードにヒットしたバンドは、数えるほどしかいなかったことも事実なのだが、現在日本国内でその歴史が動く可能性を秘めたざわめきが起こっている。その中核にいるバンドがナードマグネットだ。今回はフロントマンの須田亮太に、パワー・ポップへの想いと、両A面のニュー・シングル『FREAKS & GEEKS / THE GREAT ESCAPE』に込めたメッセージについて語ってもらった。

-2016年に初のアルバム『CRAZY, STUPID, LOVE』をリリースしてから、ナードマグネットを取り巻く環境は大きく変わったと思うんですけど、いかがですか?

そうですね。結成から約10年にして初の流通作品だったのですが、おかげさまでいろんな方々に聴いてもらえたので。

-アルバムをリリースするまでに、それほど長い時間がかかったのはなぜですか?

ただパッとしなかっただけです(笑)。雑食でいろんなことをやりすぎて、方向性が定まらなくて。2012年に新しくギターの藤井(亮輔)が入ってからパワー・ポップ路線になったんですが、それが功を奏して、アルバムを作れるところまできたんです。

-"パワー・ポップ"とひと言で言っても、その歴史は長いじゃないですか。

はい。

-60年代にTHE WHOのPete Townshend(Gt/Vo)が自らの音楽をそう形容したことが起源と言われ、ジャンルとしては70年代から続いています。須田さんはどのあたりから入ったのでしょうか?

そうですね、THE WHOはすごく好きですし、70年代初頭の元祖パワー・ポップと言われるRASPBERRIESとか、日本だと90年代のUNDER FLOWER RECORDS界隈とかも掘り下げたんですけど、最初にパワー・ポップを意識したのはWEEZERのグリーン・アルバム(3rdアルバム『Weezer』)で、そこからの影響は大きいですね。

-グリーン・アルバムにはどんな印象を持ちましたか?

同じ00年代のポップ・パンクやそれ以前のメロディック・パンクも好きだったんですけど、それよりも質感的に激しくはなく、でもめっちゃギターが歪んでてグッド・メロディ、みたいな印象でした。だからそのあたりのパワー・ポップからポップ・パンクに振る感じが、ナードマグネットのサウンドの中心にあります。

-70年代のパワー・ポップも、パンクやガレージ、ハード・ロックと呼ぶには、メロディがスウィートでポップすぎたアーティストや曲が集まってカテゴライズされた。そこの定義はいつの時代も近いですね。

そうですね。パンクになりきれなかったとか、尖っているところよりもグッド・メロディが勝ってしまったとか、そういう感じですよね。

-だから、コード感やメロディにおいて様式美はあるんですけど、ロックの歴史の中で、いろんな角度から集められ、混ざっていて、雑種性も強い。

90年代や00年代だと、ポップ・パンクの要素もあるし、ヘヴィ・メタルを通ってきたバンドもいますからね。

-WEEZERがまさにそうですよね。

そうですね。パンクやハード・ロック、ヘヴィ・メタル、ヒップホップも好きで、憧れを持ってるバンド。すごくミーハーなんですよね。でも彼らはそのどれでもなかったのか、どれにもなれなかったのか。そこに親近感を覚えたんです。

-なるほど。では、改めて須田さんが思う、パワー・ポップの魅力を聞かせてください。

いい曲を書くしか取り柄のない人たち。僕はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTやBLANKEY JET CITYのようなロックンロールも大好きな少年で、コピーもしてました。でも"こんなふうにはなれないな"って思ったんです。

-なぜなれないと思ったんですか?

ロック・スターって柄じゃないですから。そこに、またWEEZERの話ですけど、『Pinkerton』が沁みたんですよ。歌詞を読みながら聴いてると涙が止まらなくなってしまって。"なんだこの普通の人の感覚は"って。

-普通の人の感覚とは、どういうことですか?

"有名になっていろんな女の子と出会ったけど、本当の恋が見つからないよ"とか、"日本の女の子からファンレターが届いたけど、僕はその娘に会うことができない"とか。"なんちゅうこと歌ってるんや"って思いました。普通の人が祭り上げられて混乱してしまった感じ。FOUNTAINS OF WAYNEとかもそうですけど、見た目もパッとしなくて、ただ音楽が好きな兄ちゃんたちが集まってやってるみたいな、そこが自分にはフィットしたんですよね。