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INTERVIEW

Japanese

挫・人間

2018年05月号掲載

挫・人間

メンバー:下川 リヲ(Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

昨年10月にロックと真正面から向き合って制作した3rdフル・アルバム『もょもと』をリリースした挫・人間。彼らが自身初となる全国流通でのシングル『品がねえ 萎え』を完成させた。『もょもと』リリース・ツアー以降に制作した新曲3曲はまったくタイプの異なる楽曲で、表題曲は下川リヲがレコーディング30分前に歌詞をすべて書き換えたという。今回のインタビューはその3曲についてはもちろん、これだけバラエティが豊富な楽曲が生まれる理由や背景にも言及していった。

-『もょもと』(2017年リリースの3rdフル・アルバム)は挫・人間がロックと真正面から向き合って制作したアルバムでしたが、そのリリース・ツアー(2017年10月から11月にかけて開催した"挫・人間ツアー2017~集まれ!隅っコ!移動型 在宅バンド 猛レース~")はいかがでしたか?

楽しいツアーだったし、新しく聴いてくれるお客さんも増えて、手応えがありました。「チャーハンたべたい」や「絶望シネマで臨死」(いずれも『もょもと』収録曲)でお客さんの手が挙がったり、それ以外でも跳ねたりモッシュが起こったり......"人気のあるバンドのライヴでよく見るやつだ!"と思いました(笑)。今までにないロック・バンドっぽい聴き方で会場に来てくれて、嬉しかったですね。"最新作が一番いいね!"と言ってもらうことも多くて、本当に好き勝手やったアルバムだったので、安心しました(笑)。

-今の下川さんにとって『もょもと』はどんなアルバムでしょうか。

今でもたまに聴き返したりしてるんですけど......リリースからそんなに時間が経ったように感じないとは思いつつも、やっぱり過去のアルバムだなと思います。曲ができればすぐ"次は何を作ろう?"と考えているし、これまでもずっと"今までやったことと同じことはしたくないな"と思いながら曲作りはしているので、過去作品は新曲を作るうえでの比較対象というか。これよりいいものを作らないとな、と思っています。

-今回のシングル『品がねえ 萎え』もそういう流れで生まれたものですか?

そうですね。ツアー・ファイナルのワンマンが終わったあと、手持ちの曲が何もない状態のときに"次はシングルを出そう"という話で今回のリリースが決まりまして。僕はシングルを買ってきた経験があまりないので、どうやって作るんだろう......と手探りのなか曲作りを始めていきました。その結果、シングルでもアルバムと同じようにバラッバラの曲が揃ってしまいましたね(笑)。3曲とも表題曲のつもりで作りました。シングルだし特に万人受けしたいと思ったので(笑)、歌詞もシングルっぽい歌詞にしてたんですけど――「品がねえ 萎え」の歌詞は、ヴォーカル録りの30分前に全部書き直したんです。もとの歌詞に対して"なんかちょっと違うな......"と思ってしまったんですよね。内容も全然違うんです。

-もともとの歌詞は、もっと"THE いいこと"みたいな歌詞だったんですか?

そうなんですよ。どんなことを歌っていたのかは覚えていないんですけど......結構真面目なことを歌っていた気がします。もともとの歌詞の方がシングルっぽかったかもしれない。でも30分前に"真実ではない。面白くない"と思ってしまって(笑)。バッと書いたものがそのまんま「品がねえ 萎え」の歌詞になっています。こういうことを歌っている方が僕ららしいかなって。1回もテコ入れしなかったので、本当に言いたいことを曲に詰められたなと思います。普段僕は、友達と品性の話をしていまして......僕らは下品なバンドだという印象をやたらと受けられるんですよ。

-奇抜だとは思いますが、下品だと思ったことは一度もないですけどね。

僕らは自分たちのことを正統派バンドだと思っているし、ちゃんと見てくれている人は下品ではないと思ってくださっていると思うんですけど。バンド名とルックスの問題もありますし、プロレスで言えば完全にヒール的な存在だし、「ちんちん大臣」(2013年リリースの1stフル・アルバム『苺苺苺苺苺』収録曲)という曲は僕らなりの上品さではあるとはいえ、そういうことも含めて第一印象で下品なバンドだと思われるのは仕方がないなとは思うんです。だからこそ我々は品性を享受しなければならないなと思う反面、もっと下劣なことをしている人たちはいまして。

-そうですね。

そういう人たちに対しての怒りを込めた曲になりました(笑)。本当の意味での品性のない人たちに、毎日非常に怒っているんです。だから"30分で歌詞を書かないと!"という状況で自然とこの言葉たちが出てきたんですよね。最初から最後までノンストップで、すぐ書き上げてしまいました(笑)。メンバーは(歌詞を)読んだ瞬間に爆笑してたので"じゃあ良かった!"って。セコいことする奴らはほんと世の中に多いんですよね。僕、Twitterとかでも毎日のように怒ってるんです。でも今回歌にしたから、これからこの件で怒らなくて済むかなとも思っていて。これからは怒りをTwitterでぶちまけるのではなく、歌に昇華していこうかなと思っています(笑)。

-Twitterに気持ちを綴ったり、友達と話したりするのと、気持ちを音楽にするのとは、やはりまったく違うものなんですね。

音楽にするとすっきりします。公言するという意味では同じなんですけど、Twitterやブログは流れていっちゃう。でも、歌になると残るんで。あとから"あぁ、あんなこと言うんじゃなかったかな......"と思っても、歌は残ってしまうものだから。気持ちを石碑みたいに建てていく感じですね。