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INTERVIEW

Japanese

小林太郎

2018年06月号掲載

小林太郎

インタビュアー:吉羽 さおり

10代でインディーズ・デビュー、2012年にはメジャーへ進出し、ソロのロック・アーティストとしてのキャリアを積み重ねてきた小林太郎。アーシーで王道なロックから、USオルタナ、ダンス・ミュージックを取り入れたモダンなスタイルまで、その音楽をふくよかに肥えさせてきたが、昨年所属事務所を離れ、新たに自身のレーベル"MOTHERSMILK RECORD"を立ち上げて、イチからスタートを切った。そして2年半ぶりにリリースとなるのが、5曲入りのEP『SQUEEZE』だ。衝動感のある、原点回帰的なこの作品に至った心境や、今後について話を訊いた。

-音源としては前のアルバム『URBANO』(2015年リリースの2ndフル・アルバム)から、2年半ぶりとなります。この時間にはいろんなことがあったようですね。

そうですね。期間としては空いたんですけど、その間に事務所の独立という大きなイベントがありまして(笑)。おかげさまで、独立というデリケートな環境の変化だったんですけど、前の事務所にも応援してもらって、すごくありがたい状況ではあるんです。でもまずは、前作から2年半空いてしまったことと、環境の変化で、待ってくれているファンの方々には不安定に映ったり、ご心配をおかけしたりしたところもあるんじゃないかなと思うので。この『SQUEEZE』をリリースすることができて良かったなと思ってます。

-ライヴをやっていない時期もあったんですか。

1年間ぐらいはほぼやってない時期もあった気がする。

-先ほど、"表立った活動がないぶん、ファンには不安定に映っていたかもしれない"と言っていましたが、自分の気持ちとしてはどうだったんですか。

前回のアルバム『URBANO』が、事務所所属時代の最後のアルバムなんですけど、そのアルバムが、その事務所で頑張ってきた自分の音楽人生の集大成になればいいなという想いで作った作品で。作り終えたとき、自分でも満足ができて、これまでの区切りとなったし、次はどういうものになるんだろうなと思っていたんです。でも活動的には、そこでひと区切りをつけたいなと思っていて。もちろん音楽は続けるんですけど、その活動の仕方を、それまでと同じようにこれまでの事務所と契約をしてやっていくには、事務所にとっても負担になるし、僕にとっても音楽的な制限というのがこれから出てきそうだったんです。決して事務所に不満があるわけではなくて、僕が時代に合わせて音楽を変化させられれば良かったんですけど、そんなに器用でもないので(笑)。

-そうですか(笑)。

なのでまぁ、僕は僕らしい音楽をやっていけばいいんだろうなと。それは自己責任という形でやりながら、またいつか前の事務所とお仕事ができそうになったら、そのときにまた1曲単位でも一緒にお仕事させてもらいたいです、それまで自分で頑張ります、と事務所にもお話ししたし、自分でもそう考えていたので。ライヴもリリースも空いてしまったんですけど、その間に大きなひと区切りがつけられたなと思いますね。

-本当に心機一転だったんですね。おおらかなロックンロールで、原点回帰的な作品だなと感じていたんですが、今作に向かって、いつぐらいから曲を作り出して、どういうものにしようと考えていましたか?

5曲中4曲は、前からあったデモを自分で料理しまして。「響」という曲だけ新しく作ったものですね。これから独立してやっていきますよというときに、見てくれているファンの人に安心してほしかったんです。もちろん、気持ち的には今の段階で僕を知らない人にも聴いてほしいし、どんどん広がっていけばという思いもあるんですけど。でもまずは、"いろんな環境の変化があったけど、小林太郎は変わってませんよ"というのをどこまで自分でプロデュースできるかというのは考えましたね。

-歌詞の面に、よりその感情や心境が表れていますね。音楽に対する自分は変わっていない、ここからもう1回切り拓いていくんだっていう想いが強く刻印されています。

無意識に変わっているところはあるかもしれないですけどね。でも、"あぁ、これこれ。小林太郎ってこれだよね"みたいなアルバムを作りたかったんです。コンセプト的には集大成として作った前作『URBANO』と、小林太郎っぽさをもう1回追求していく今回の『SQUEEZE』とは似ているところがあるんですけど、今回はよりインディーズ・デビュー・アルバム『Orkonpood』(2010年リリース)を参考にしていて。またもう1回デビューするくらいの気持ちで、同じような雰囲気が作れたらとは思いました。

-改めて、そのデビュー作品も聴き込んだんですか。

デビュー作だけじゃなくて、全部の作品を聴きました。デビュー作品って結構音がぐちゃっとなっていたりするんですけど、それはそれでその当時の雰囲気があったんだろうなと思って。でも今、まったく同じことをしたとして、ビジネス的にどうなのかとか、いろんな問題があると思うんですけど、僕としては、良くも悪くもこれから自分次第な、120パーセント自分でどうにでもなる活動が始まるので。まずはブレないように一発やろうという(笑)。昔の『Orkonpood』と同じ立ち位置のものが欲しかったんですね。

-そのころって、とりあえずバッターボックスに入って振りまくる、みたいなイメージですよね。

そうそうそう(笑)。バッターボックスに入る前から振りまくるくらいの部分です。

-その豪快さが今回は色濃くて。自分の気持ちをダイレクトに吐き出すという内容にも、音のパワーにも、そのマインドは出ていると思います。

曲は、昔の作品を参考にしながら作ったので、逆につまらないんじゃないかっていう不安とかもあったんですけど、久しぶりということで、ライヴでやったときもみなさん喜んでくれましたね。やっぱりデビュー当時って曲を知らない人たちがほとんどだったから、ライヴでも"こいつは、どんなもんなんだ?"っていう観られ方だったんですけど、今は、不器用なりにビジネスと相反したロックを7~8年間やり続けたので、ライヴはすごく盛り上がるようになって。逆に、その当時見たかったライヴの光景を、今見れているんです。それはすごく嬉しいなと思いますね。