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INTERVIEW

Japanese

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2018年05月号掲載

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メンバー:長谷川 海(Vo/Gt)

インタビュアー:蜂須賀 ちなみ

-なるほど。それを踏まえて、訊きたいことがありまして。今回のミニ・アルバム、「秘密」と「未来へのブーケトス」は6曲の中でも最後の方にできた曲なんじゃないかなと予測してるんですけど。

え、それはなんでですか?

-この2曲だけ、結局"伝えたい"って言っちゃってるんですよ。

僕、実はかまってちゃんというか、女々しいんやろうなって思って。そういうところが出ちゃってるんでしょうね。自分のこと、めっちゃかわいいなぁって思いながら書いてました(笑)。

-まぁそれもそうだとは思うんですけど、特に「秘密」はもっと、わけのわからない感じじゃないですか。"気付かないでしょ?"って言っていたのが、曲が進むにつれて"分かってるのかな?"、"伝わるといいな"というふうに変わっていって。

そうなんですよ! この曲、冒頭と結末じゃ言ってることが大幅に矛盾してて。一貫性がないと伝わらないっていうのは本でもそうやと思うんですけど、詞っていう短い文章の中で主人公の主張が二転三転していいわけがないんですよ。でも人間って最後はそうじゃないですか。実際、こういうデリケートな気持ちって口に出せることと出せないことがあるんですよね。でもそのどちらも自分のもので、欲を言うと、両方気づいてほしいし両方伝わってほしい。けど、"気持ち悪いって一蹴されたらそれまでやし......"っていう気持ちが不確かな声を不確かな声たらしめてる。

-それで最終的に"君だけには言えない 確かな声も聞いていてほしい"というふうになっていく。

そこも書き直そうかなって思ったんですけど、たぶん伝わるんじゃないかなと思って――aikoさんの作る曲のコード進行って音楽理論的に言うとわりと破綻してるらしいんですけど、それこそが受ける理由だっていう主張をされてる方がいるんですよ。その気持ち悪い部分こそが恋のモヤモヤ、腑に落ちない部分とマッチングしてるんじゃないかと。それってつまり、破綻してるからこそ逆にキャッチーになってるってことじゃないですか。それを加味すると、歌詞が矛盾してることはキャッチーではないこととイコールではないのかな? と思って。

-そう。このフレーズ、聴いているこっちとしては"いや、言ってくれなきゃわからないよ"って思っちゃうんですけど、だからこそよりリアルな心情が伝わってくるというか。

ただの男女の曲やったら僕ももっとストレートに書いたと思うんですけどね。僕の中では大きな挑戦でした。

-サウンド面もそうですけど、歌詞に関しても、無難なところを狙って小さく収まらなかったからこそ、進化できた感じがありますね。

ただでさえ100パーセントを出せる状況じゃなかったので、"やるならやれるだけを"っていう気持ちがあったんですよ。それで挑戦、成長っていうのが見えるようなアルバムになったのかなと。最後の「未来へのブーケトス」はありえないぐらい幸せな気持ちで書けたんですけど、"終わりに向かってゆくこの恋が/いつか愛になるまで"なんていう言葉を書けたときには、こういう言葉が出てくるような人生経験をしてきたんやなと思って。そうやって自分自身を認められるような曲になったんですよね。

-それはとても素敵なことですね。これらの曲たちをライヴで演奏することによって、バンドがまた進化していきそうです。

そうですね。いっぱい失敗しながらツアー(5月から7月にかけて開催する"僕しか知らない秘密のネタバラシツアー")を回ることになると思うんですけど、そうやって曲と一緒に成長していきたいです。