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INTERVIEW

Japanese

ADAM at

2018年05月号掲載

ADAM at

インタビュアー:石角 友香

根本にジャズのセッション感やスキルを持ちながら、日本人の琴線に触れるポピュラーなメロディを持ち、ジャンル的には全方位に開かれたピアノ・インストゥルメンタル・セッション・バンド、ADAM at。ニュー・アルバム『サイコブレイク』ではメタルやラウドロックの要素が際立ち、一方ではボサノヴァやラテン・テイストも。それが散漫にならないのはあくまで生音のアンサンブルを重視しているからだろう。本誌初登場の今回は、音楽性同様、非常にフレキシブルでユーモア溢れる語り口が魅力的なADAM atのキャラクターにもぜひ触れていただければと思う。

-これまでのアルバムが3枚ともiTunesのジャズ・チャートで1位を獲得していたり、前作の『Echo Night』(2017年リリースの3rdフル・アルバム)はTOWER RECORDSのジャズ・チャートでも邦人アーティストとして1位になったりと、ある意味では"ジャズってなんなんだ?"というほどの快挙なんですが、そのへんはどう思われていますか?

まず、ジャズはいろいろな諸先輩方がいらっしゃいますので、我々のようなジャンルをジャズと言ってしまったことに関しては結構申し訳ないなという気持ちもあるんですけど、ジャズの定義は人それぞれだと思っておりまして。肌色だとか空色だとか、水色と同じだと(笑)。肌色も人それぞれということで、人の数だけジャズがあるなかで、私のジャズはたぶんこれだと思ってやっております。

-ADAM atのピアノって非常に馴染みやすいというか、メロディにポピュラリティがありますが、どういうものがルーツなんですか?

そもそものきっかけはTHE BEATLESだと思ってまして。もともと、私はピアノが大嫌いだったんですけども、父が私の誕生日にTHE BEATLESのCDとピアノ譜を買ってくれて、それで"いいな、なんて素晴らしい曲なんだ"と。それで弾いてみて、"あ、自分でピアノを弾けることってこんなに楽しいんだ"と思ったっていうことがルーツにはありまして。なのでどちらかというと、ジャズだとかクラシックよりも耳に入りやすいメロディの方がルーツになってると思います。

-お父さんがTHE BEATLESのコード譜を買ってこられたのがミソですね。

そのときに左手でコードを押さえるという楽しみを覚えて。今までは楽譜どおり弾かなきゃいけなかったんですけど、譜面の上にコードが書いてあって、最低限これだけ弾いていれば曲にはなるっていうのが楽しかったです。

-コードがわかるとギター弾いてる人とも演奏できるし。

そうなんです。簡単なセッションもできますからね。

-毎回、アルバムをどういうテーマで作ってらっしゃるのか興味深くて。

正直、どういうコンセプトにしようってことをあんまり考えてこなかったんですよ。できた曲をとりあえず詰め込もうみたいな感じだったんですけど、今作に関してはどちらかといえば"ピアノってかっこいい"みたいな感じにしたかったというのはありますかね。いい子ぶって弾くとか、大人ぶって弾くというよりは、まさにロックな感じでのピアノを見せたかった、聴かせたかったというのはあります。

-1曲目「寂寞コンストラクション」の始まりはRichard Claydermanのような穏やかさですが、曲中でリズムが入ってくると変容し始めるという。

ははは(笑)。もともと、あの曲は最後かなと思ってたんですけど、ストーリーを作るとしたら1曲目がいいのかなと。今回どちらかというとややラウドな音が多かったので、相反するものを近くに置きたかったのもあるんですけど、アルバムの前半の方が比較的比重が重くなってしまったために、後半が軽くなってしまうので、うまく散りばめてみましてですね(笑)。

-お話のとおりエネルギーに満ちた曲が多いんですが、その理由はなんなのでしょうか?

リード曲で「サイコブレイク」という曲があるんですけど、これってピアノであまり使わない低音を使ってるんですよね。これはRolandさんが私のライヴ用の鍵盤の音をいろいろ調整してくださって。私はどちらかというとベースを聴かせたいので、ピアノの低音は弱くして、高音は強くさせてもらうんです。で、そのピアノの低いところをちょっと弱くしたぶんだけ、すごく耳心地のいい音でピアノが弾けたので、ちょっと使ってみたいなと思って。もともとメタルが好きなので、この低音が生きるような曲を作りたくて作りました。

-エレピでそういう調整ができるんですね。

ピアノでもロックができるっていうのが、ピアノ嫌いな子たちや、"男の子のくせにピアノ弾いて"って言っていた人たちにも広がって、"いや、ピアノってかっこいい"って感じてくれたらいいなと思ってますね。

-いわゆるギター・ヒーロー的なピアノ・ヒーローというか。

そうなれたらいいなと思います。

-たしかに「サイコブレイク」を聴いたら、この曲を携えて"OZZFEST"に出てもおかしくないなと思いました。

いいですねぇ(笑)。実は今回、激ロックさんの取材だと思ってて。"やっときた!"って思ったんですけどね(笑)。私がメタルに入ったのはOzzy Osbourneからで。今気になるのは、MACHINE HEADが7月に来日するのと、LAMB OF GODあたりもすごい好きで。例えば、九州から浜松まで運転するんですけど、そのときに、メタルDJをひとりでするんです。名前がAで始まるメタル・バンドをかけて、それが終わる前にBから始まるメタル・バンドをかけるっていうのをずっとやってると、時間がすごく早く過ぎるんですよね(笑)。