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INTERVIEW

Japanese

がらくたロボット

2018年04月号掲載

がらくたロボット

Member:ヤマモトダイジロウ(Vo/Gt)

Interviewer:岡本 貴之

神戸発の若手3ピース・バンド がらくたロボットが、1stフル・アルバム『ツキノアリカ』を4月25日にリリースする。2017年10月より会場限定リリースされた"シングルカセット3部作"からの楽曲も収録された同作は、ヤマモトダイジロウが生まれたときの声を聴くことができる「産叫」のリメイク・バージョンに始まり、メッセージのある表題曲で幕を下ろす。ドラマチックでありつつ、音を楽しむ余裕も要所要所で聴かせながら完結するこの1枚で、"本格始動"を宣言した彼らを代表して、ヤマモトダイジロウに話を訊いた。表現者として吸収するもの、吐き出すもの。バンドマンというよりは、プリミティヴなアーティストとしての魅力を知ってもらえるはずだ。

-いよいよ本格始動し、より精力的に活動していくとのことですが、ご自分ではここまでの活動を振り返ってどんな想いがありますか。

去年『BREAK OUT』(2017年リリースの2ndミニ・アルバム)を出したときには、紙袋を燃やした(写真の)ジャケットにも表れているように、過去を断ち切るようなイメージで。"ガキのくせに"みたいに言われたりすることを振り切って走り続けてきたんです。やっと今、影がくっついてくるようなイメージで。この1年、何も自分を作らずにやれたっていうか、今回は地に足がついて"今から行くぞ"っていう1枚ができました。"じゃあ本格始動だ"っていう感じですね。

-もちろんそれまでも本気でやってたわけですよね。

よくも悪くも必死すぎたというか。今はいい意味でそのままでやれていると思うんですよね。

-必死に炎を燃やしすぎて影も見えなかった?

自分の影がついてこれなかったんですよ、速く走りすぎて。それが今、影が追いついて一緒になったというか。「ツキノアリカ」のMVもそんなイメージです。「ツキノアリカ」について言うと、俺らが見ている月は太陽に見せられているだけであって、人それぞれで見え方も大きさも違って見える。このアルバムも同じなんですよ。人によってどんな聴き方をするかっていうのは、その人が感じるままなんですよね。ロックなんてそんなもんやって思ってるし、音楽ってみんなそうやと思うんです。

-前作はとてもコンセプチュアルに考えて作られていたのが印象的でしたが、今回はどんなテーマで曲を集めたんですか。

昔のがらくたロボットのイメージと未来にある俺らのイメージを繋ぐ1枚ですね。「ツキノアリカ」っていう曲は昔からやってるんですけど、それをやっと音源化できてそこから新しい何かが生まれるっていう作品になりました。前もそうだったんですけど、終わってはまた生まれて、生まれ変わっていくものだと思っているので。アルバムもバンド自体も。それで、前作の終わりでフェード・インしてくる「産叫」から今作は始まるんです。

-ご自分が生まれたときの泣き声が入った曲ですね。これを1曲目にするっていうのは、前作のときにすでに頭にあったんですね。

そうです。この曲は、僕が高1くらいのときに初めて作ったCDにも収録された楽曲です。そのときは歌詞もなくて、曲自体レコーディングの前日にパッとひらめいて入れたんですけど、それが俺らの始まりであって、それがまたアレンジを変えて歌詞を乗せて、自分が歓喜の渦の中に生まれて、っていうアルバムなんです。

-ここから新たに誕生するっていう?

そうですね。