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INTERVIEW

Japanese

WOMCADOLE

2018年04月号掲載

WOMCADOLE

メンバー:樋口 侑希(Vo/Gt) 古澤 徳之(Gt/Cho) 黒野 滉大(Ba) 安田 吉希(Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

2017年にミニ・アルバム『15cmの行方』とシングル『アオキハルヘ』をリリースした滋賀出身のスーパー・ロック・バンド、WOMCADOLEが完成させた1stフル・アルバム『今宵零時、その方角へ』は、バンドの充実と進化が十二分に感じられる内容になった。個々の異なる個性がさらに色濃くなることで互いを高め合う音像、広がりを見せるサウンド・アプローチと歌詞世界――それはソングライター 樋口侑希の気づきも影響していた。まだまだ成長真っ最中のモンスターたちが生み出した13曲のモンスターは、あなたの心臓に風穴を開ける。

-ドラマチックでロマンチックな1stフル・アルバムが完成しましたね。

樋口:ただただロマンチックなものを作ろうと思って。普段からあんま考え込んで作らないタイプなので、今回も自然に揃ってしまったんですよね。"フル・アルバムを出す"というものはたぶん頭の片隅にはあったんやと思うんですけど、曲自体は"フル・アルバムのために作った曲"という感覚ではなくて。毎回最高新記録作らなロック・バンド失格やと思うんで、その最高新記録たちが13曲集まっただけっすね。

古澤:このタイミングでフル・アルバムを出すのは、戦略的というよりは僕らの"流れ"やったと思います。『15cmの行方』(2017年1月リリースの2ndミニ・アルバム)を出したあとどうしよう? と考えているときに「アオキハルヘ」(2017年9月リリースの1stシングル表題曲)というシングルとして出したいと思える曲ができて......じゃあその次はフル・アルバムやなと。プリプロ状態の13曲を樋口がこの曲順で並べたとき、客観的に"これはヤバい。いままでと違った衝撃がある"と思った。たぶん樋口は無意識やと思うんですけど、夜をイメージさせる曲が多くて、"樋口の意識はいまそっちに向いてんねやな"と思ったんです。

樋口:できた曲が勝手に"夜"になっていったんですよ。自分の気持ちだけを曲にするというよりは主人公がいて、そいつが絶対に"夜"にいて、夜に想ういろんなことがあって......。ひとりの主人公に対して、シチュエーションの違う13曲が揃った気がしていて。いままでの曲よりも全然ロマンチックになっていると思います。

-"主人公を立てる"というのも、無意識的なものだったんですか?

樋口:そうです。考えずに作っていたら、どの曲もまったく同じ主人公やったんですよ。その主人公は俺の経験でもあるし、俺の想像でもあるんですけど......その作り方がめちゃくちゃ楽しくて楽しくて。

-樋口さんの要素が反映されているとはいえ、"樋口侑希"そのものが主人公ではないからできた楽曲たちでもある?

樋口:それはありますね。『ワタシノハナシ』(2015年リリースの1stミニ・アルバム)というアルバムは、自分の中で映画を作って、その劇中歌を作るイメージやったんです。でも『15cmの行方』のときにそのやり方からいったん離れて、『アオキハルヘ』ではマジで俺のことしか歌わんくて――『今宵零時、その方角へ』は、いままでの全部の要素が混ざった感じがしましたね。自分そのものでもいけたし、想像の主人公に自分を当てはめてもいけたし。曲が揃ったあと"この歌詞のあとにこの歌詞を持ってきたいな"みたいに、歌詞の流れに沿って曲をぽんぽんぽんぽんぽーんと並べていって。だから映画を作っているような感覚ですよね。このアルバムで映画撮りたいっす!

古澤:......また最後で話が飛んだなぁ(笑)。

樋口:俺の話の着地点がおかしいのはいつものことやから(笑)。物語を作ってみたり、自分の経験を使ったり......フル・アルバムやからできたことでもあるなと思います。「アオキハルヘ」はボーン! とド直球な感じが良かった。でも今回は、曲で遊べたんですよ。ラフな感じで作れたんです。そういう意味でも、楽曲の中に"樋口侑希"や"WOMCADOLE"が出せてるなと思います。

-そうですね。ヌルいわけでもないし、ひりついた要素はあるけれど、肩に力が入っているわけではない。それは「アオキハルヘ」で"樋口侑希"を出せたから次のステップに行けたのかもしれませんね。

樋口:うん。それは絶対にありますね。