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INTERVIEW

Japanese

ポタリ×リアクション ザ ブッタ

2018年01月号掲載

ポタリ×リアクション ザ ブッタ

ポタリ:鈴木 奈津美(Vo) 中西 詠美(Gt) 内田 愛子(Ba) 茄子川(Dr)
リアクション ザ ブッタ:佐々木 直人(Vo/Ba) 木田 健太郎(Gt/Cho) 大野 宏二朗(Dr)
インタビュアー:秦 理絵 Photo by ゆうばひかり

-本当にそうですね。前にポタリにインタビューしたとき、"男に舐められたくない"って言ってたこともあるんですよ。でもブッタはポタリのことを男とか女じゃなくて認めてますよね。

木田:そこはあんまり関係ないような気がしてますね。

内田:女として見てない(笑)。

木田:いやいや(笑)。ポタリは音楽でも、ライヴでも、ちゃんと人間として認めさせてくれるし、一対一で対等に話ができるんですよ。

大野:女性だからって、男ばっかりの対バンのときに見劣りとか気後れもないしね。

佐々木:女を武器にライヴをしてないんですよね。人間としての感じでやってるから。もちろん女の子でかわいいを武器にやってる......って言うとアレですけど、そういう人たちはずっと観てられるって、正直思いますよ? そういうのはあるじゃん?

大野:あるある。

佐々木:それの良し悪しじゃなくて、ポタリは人間としての感じが強い気がする。

-たしかにポタリって女子を武器にはしてないんだけど、だからと言って、男勝りで女を捨ててるわけじゃない。女の子のかわいいところも持ってますよね。

佐々木:うん、たしかに。

中西:めっちゃ褒められてる(笑)。

鈴木:もともとは"男に負けてたまるか、女捨ててなんぼ"ぐらいの感じだったけどね。

佐々木:あぁ、やっぱりそれは根にあるんだ?

鈴木:自分が男性のバンドを観てて、かっこいいなと思うことを吸収しても似合わなかったりするんですよ。男の人がやってかっこいいことを女の人がそのままやってもかっこ良くないんだなっていうのは、10代からずっとバンドをやってきて、やっと気づいたから。女性としてかっこ良く見える方法ってまだあるんだろうなと思って模索中ですね。

-男にしか表現できないこと、女にしか表現できないことがありますからね。

佐々木:俺が椎名林檎さんを歌ってもよくわからないことになるし。

-あぁ、この間のライヴで「丸の内サディスティック」をカバーしてましたね。

鈴木:そうなんだ!

佐々木:あの人の女性的なかっこよさ、セクシーさはひもとけないなって思いました。

-話は変わりますけど、ポタリもブッタも、ヴォーカルの歌の力を信じて、それを生かすために、バンドとしてどういう音楽を鳴らすかに奮闘してるバンドじゃないですか。

鈴木:はい

-そういう音楽は王道であるがゆえに近道がないんですよね。それこそ、10代から大人たちの注目を集めたけど、一気にブレイクするわけでもなく。

佐々木:うん。

-そういう自分たちが歩む道のりや、やろうとしている音楽については、いまどういうふうに考えていますか?

佐々木:いろいろなジャンルの人たちと対バンをしてて思うのは、かっこいい人たちは、何をしててもかっこいいんですよ。それが歌を中心にしてやっていようが、踊ることをフィーチャーしてようが。それよりも人としてちゃんと覚悟とかがすべてお客さんに伝わるぐらい魅力があることが大事というか。たしかに僕らみたいな音楽は広がるまでには時間がかかるのはどうかなと思うけど......。認められたとき、一番強いとも思うんですよ。だから、そこまで諦めずに磨き続けられるか。信じ続けられるかなんですよね。

鈴木:同じようなことを思ってたかな。歌が中心にあるバンドっていうのは、どうしても歌詞に注目してもらえる部分が大きくて。それは年を重ねて、いろいろな経験をしていくことで書けることが多くなったり、上手に伝えることができるようになったりもする。人として成長していくことで伝わることが多いと思います。

-最後にフル・アルバム『ポタリの2』の話もできればと思います。まずブッタは、今回のアルバムを聴いてどんなことを思いましたか?

佐々木:シングルとかライヴで聴いてた曲も多かったんだけど、初めてアルバムで聴いた曲だと、「scratch」が好きだった。すごくポタリに似合うなと思ったんだよね。

-エッジの効いたロック・ナンバーですよね。

中西:この曲の歌詞はアイコが書いたんです。今回のアルバムは全員で歌詞を書いてるから。

鈴木:クレジットは全部"ポタリ"なんですよ。

佐々木:へぇ、面白いね。

木田:じゃあ、誰が作詞をしたかわからないの?

中西:うん。ひとり主軸となる人はいるんだけど、最終的にみんなで作詞をするから、"ポタリ"っていう表記にしてる。

-もともとはナツさんがひとりでソングライティングを担ってたけど、今年出したシングルではメンバーの曲も積極的に取り入れるっていう流れがありましたよね。

鈴木:そうですね。ずっと私が曲も歌詞も書けない時期があって、ぶっちゃけみんなに助けてもらった1枚なんです。それがきっかけで初めて人が書いた歌詞を歌うっていうチャレンジもできたし。自分じゃ書けないようなポタリの曲が増えたと思います。

中西:やっぱり昔からナツとやってるから、ナツが"自分の歌"を歌いたいっていうのもわかってたんですよ。だから私はずっと曲を作らないつもりだったんです。でも、自分の中では漠然と"こういう曲が作りたい"っていうのもあって。それをナツが歌ってくれる日が来たのはすごく感動した。もちろんナツは葛藤も多かったと思うけど。

鈴木:うん。だからリード曲を決めるときとか、特に悩んだんですよ。メンバーが作った曲の方が、(曲が)よく聴こえるっていうときもあったし。

佐々木:あぁ......それは想像できない、俺は嫌だな。ふたり(木田と大野)が書いて、"こっちの方が良いな"ってなっちゃったら、もう......すげぇ悔しい。

木田:大丈夫、俺、曲を作る気はないから。

内田:潔いね(笑)!

鈴木:でも本当に悔しかったから、いい意味で意地が出たね。

佐々木:こんなにいい曲だから、めっちゃ良く歌わないとって?

鈴木:うん。今回この12曲になるまでにも、メンバー全員ですごくたくさん曲を出したし、その中からいい曲を選んだから、納得して向き合えましたね。