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INTERVIEW

Japanese

BiSH

2017年12月号掲載

BiSH

Member:アイナ・ジ・エンド モモコグミカンパニー セントチヒロ・チッチ ハシヤスメ・アツコ リンリン アユニ・D

Interviewer:沖 さやこ

-チッチさん作詞の「ろっくんろおるのかみさま」もリアリティがあります。生き様が刻まれているというか。

チッチ:私は難しいことができないから(笑)、まっすぐに自分の思うことや過去の自分のことを書いているので、それが自然といつも"ブレないで生きていてほしい"というメッセージになっているかなと思います。"生きて"みたいな。

アイナ:「ろっくんろおるのかみさま」もチッチの挫折の時期に一緒に時間をともにしていたから、歌詞に書かれていることがよくわかる――わかっているつもりなだけかもしれないけど、私的にはわかるから、振付も斬新にできたんじゃないかなと思います。

-"挫折"とは?

チッチ:完全にダイエット企画(※2016年に実施したダイエット企画"DiET or DiE 2ndシーズン")ですね。この企画で私自身ガラッと変われたから、いま自分らしくいられると思います。1番のAメロの歌詞は渡辺さんから言われた"悲劇のヒロインみたいになってんじゃねーよ"という言葉がもとになっていて(笑)。そのときはムカついたけど、いま思い返してみると当時の自分はまさにそうだったし、叱ってくれたことがありがたいです。2番はいまの自分が思う昔の自分のことです。昔は人の目ばかり気にしていたし、誰かと比べてばかりだったけど、それはダサいなと思った。

-だから"そんじゃあね"や"さ、ら、ば"という言葉が入っているんですね。

チッチ:そうですね。昔の自分とは"さらば"したんで。......あとこの歌詞を書いているときに嫌味を言われることが多くてムカついていて、"応援してくれる人たちは本当に私のこと好きなのかな?"と思っちゃって。でもきっと応援してくれている人たちや好きでいてくれる人たちはいるから、そういう人たちだけにでも自分の気持ちが届けば――"君に届けば"という歌詞にはそういう気持ちを込めています。日常でも嫌になることたくさんあると思うんですけど、人間不信になったり、"この人何を考えているかわからないな"と思ったときにこれを聴いて、自分を見失わないように元気を貰ってくれたらいいなって。だから"そんじゃあね"や"さ、ら、ば"には"好きじゃないならそばにいてくれなくてもいいよ、そんじゃあね"という気持ちも入ってますね(笑)。

-ははは(笑)。ハシヤスメさんが歌詞を書くうえで大事にしていることとは?

アツコ:背伸びをしないことです。BiSHに入ってからたくさん作詞をしたんですけど、全然採用されなかったんですよ。なんでだろう? と考えて行きついた結論が、背伸びをしていたからだと気づいて。免許持ってないのに"ドライブをしようよ"とか――

一同:(笑)

アツコ:いま思うと恥ずかしい(笑)。それに気づいてから"なるべく妄想はやめてちゃんと自分のことを話そう、自分の経験したことしか書かないでおこう。それが一番伝わるんじゃないかな"と思って。

-では今回の「パール」も?

アツコ:「パール」は"とあるAさん"という人の心の中を書いています。寝ているときの夢と将来の夢の歌なので、それに関するAさんの葛藤というか。Aさんを励ましたい気持ちもあるし、Aさんだったらこう思うんじゃないか......Aさんがもしこういう状況になったらこういうことをするんじゃないか......と思ったことを歌詞にしています。仮歌が壮大で、お世話になってきたスタッフさんの名前とかが入った感謝の歌だったんですよね。そういうのも影響した部分もあります。自分がちゃんと理解できる歌詞がいいので、変に難しい言葉は入れないように。なんでもわかりやすい方がいいかなと思うので。

-アイナさんはどうでしょう?

アイナ:大事にしていることとかはないですね(笑)。わかんない! 定まってないかもしれない。曲を聴いてまず思うことは"どんな振りが合うか"なんです。最近よくクリープハイプさんを聴いているんですけど、クリープハイプさんのアルバムの全曲に振りができているくらい(笑)。"あっ、この音でブレイクダウンして止まったらいい!"とか、そういうことばっかり考えているんです。だから歌詞を書くという発想までに至らない。そんなに言葉も知らないし。

モモコ:でも今回アイナが作詞してる「ALLS」はほとんど直されていなくて。おまけに巧みな言葉使ってるんですよ。スタッフさんとも"アイナって本当はめちゃめちゃ頭いいんじゃない!?"と話していました(笑)。

アイナ:あははは! それやばい(笑)!

モモコ:"虚無"って言葉がアイナから出るんだ!って(笑)。

アイナ:それ自分でも思う(笑)! この詞は結構全部音にハメてますね。でも書いてあることは実話で、本音で。私は自分が男か女かわからなくなるときがあって......なので"ちゃんと女になってみよう! 自分の実年齢の女として思うことを歌詞に書こう"と思って......だから私の性小説みたいな感じ(笑)。すらすら書けたので、あ、アイナって女やったんやな、と気づけました。それが採用されたので嬉しかったです。