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INTERVIEW

Japanese

Outside dandy

2017年11月号掲載

Outside dandy

Member:村上 達郎(Vo/Gt) 松本 翔(Gt)

Interviewer:岡本 貴之

-上京するうえで、どんな音楽性でやっていこうかということは話したんですか。

松本:いや、今でこそOutside dandyがどんな音楽をやるべきかっていうのは4人で共有して曲作りやライヴ活動をしていますけど、固まるまでにはかなり時間がかかりました。村上はソングライターとしていろんな曲が書けますし、僕もいろんな曲が好きなので。今の僕たちの方向性が決まり出したのは、2013年に出した3rd ミニ・アルバム『BIRTH』収録の「サタデーナイトメランコリック」という今でもライヴで必ずやる曲があるんですけど、その曲ができたことによって、ライヴのやり方やバンドの熱量が変わったんです。それまでは、村上がやりたかったダークでオルタナティヴな世界観がすごく強かったんですけど、この曲を機にロック・バンドらしくなったというか。それまでは内に秘めたものを魅力として出しているバンドだったんですけど、自分たちの熱を外に発信できるようになったのはそのときからですね。

-ちなみに村上さんは日本人ならどんなヴォーカリストに影響を受けているんですか。

村上:バンドのヴォーカリストだったら近しい先輩とかですね。GRAND FAMILY ORCHESTRAの松山晃太さんとか、ライヴを観ていてすごいなと思う人は数えきれないくらいいます。歌の表現力がすごいなと思うのは、玉置浩二さんですね。あとは沢田研二さん。

-今、ヴィジュアル的に全盛曲のジュリー(沢田研二)っぽさが出てますけど。

一同:ははははは(笑)!

村上:超憧れてるんですよ! 僕もテレビ番組でいつか札束とかばら撒きたいです。ハットを投げたり(笑)。昔、"速報!歌の大辞テン"っていう今の音楽と昭和の音楽のランキングを比べる番組で、初めてジュリーを見たときに、すごくかっこいいなと思って。それからですね。玉置浩二さんの安全地帯もそうですし。その番組は昭和のランキングに興味があって見てました。

-そう言われてみれば、Outside dandyのメロディって歌謡曲的な要素もある気がします。

村上:僕は真ん中にあるものが歌謡曲なので。弾き語りでやってもメロディがいい曲を作るようにしています。

-ところで、バンド名はどんな意味があるんですか。

松本:"Outside dandy"は"外れ者"っていう意味で、それと当時村上が"dandy"っていうフレーズが印象的な曲を歌っていて。結構ダンディっていう言葉が巷で流行っていたので(笑)。特に意気込みがあったわけではなくて、響きで付けました。

-響きで付けたとはいえ、曲にも男らしさが根底にあるというか、甘いラヴ・ソングみたいな曲はないですよね。

村上:前作(2016年リリースの1stフル・アルバム『Mr.』)、前々作(2014年リリースの4thミニ・アルバム『Satisfaction』)にはあるんですけど、今作に関してはそうですね。今回は全部直球でいきたかったというか、"これがOutside dandyです"っていう、名刺が欲しかったんです。

-名刺にしたかったというのは、自主レーベル"HAMIDASHI Records"を立ち上げたことが大きいと思うんですけど、立ち上げに至るまでの気持ちを聞かせてもらえますか。

松本:僕らは以前事務所に所属していたんですけど、次の作品をどうするかっていう話をしたときに、事務所としては聴き心地のいい曲を作った方がいいんじゃないかっていうのがあって。僕らもそういう曲を作ってみたりはしたんですけど、そうしているなかで迷っている自分たちと、その僕たちに戸惑っているファンの方々の空気感を感じるようになってきて。正直僕たちの中でもOutside dandyはどんな音楽をやるバンドなのか、すべてわからなくなっていたんです。そんなときに、あえて事務所に所属する前にやっていたような激しい曲たちでライヴのセットリストを組んでみたんです。そうしたら、自分たちがどうあるべきかっていうのを再確認できたというか。自分たちの根底にあるものや、それぞれが聴いてきた音楽は違っても、Outside dandyがやるべき音楽はロックなんだなって。聴き心地がよくて共感されるものではなく、自分たちの中にひしめく熱を放出するものが、Outside dandyの音楽であるべきだっていうことに、ようやく気づけたんですよね。それで覚悟を決めて、自分たちでレーベルを立ち上げたんです。そこから一気に曲を作り出しました。

-レーベル立ち上げをきっかけに書いた曲だからこそ、そうした心境が色濃く出た歌詞が多いわけですね。

松本:そうですね。特に1曲目の「Jet city」には僕らのこれからの意志表明と、覚悟、勢い、熱量をすべて詰め込みたかったので、歌詞でもサウンドでも力強さを表現した曲になりましたね。