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INTERVIEW

Japanese

Halo at 四畳半

2017年09月号掲載

Halo at 四畳半

Member:渡井 翔汰(Vo/Gt) 齋木 孝平(Gt/Cho) 片山 僚(Dr/Cho) 白井 將人(Ba)

Interviewer:秦 理絵

深い思想の海に誘い込むような文学的な歌詞を緻密且つアグレッシヴなバンドの演奏で体現する千葉発の4人組ロック・バンド Halo at 四畳半(通称:ハロ)。ライヴハウスを中心に知名度を上げている彼らが3枚目のミニ・アルバム『Animaplot』をリリースする。ひとつ作品を完成させるごとにバンドの現在地を大きく更新してきたハロだが、今作では初めてアレンジに様々な楽器を取り入れて、バラエティ豊かな楽曲を作り上げた。ソングライティングを手掛ける渡井翔汰の歌詞もまた、いままで以上に訴求力を強め、ロック・バンドとしての精度を上げていく4人に、今作で取り組んだトライアルについて話を訊いた。

-今回はいままで以上にバンドとして伝えたいことの精度が増したアルバムになりましたね。何があったんですか?

渡井:前作のEP(2016年リリースの『万有信号の法則-EP』)を作って、その楽曲をライヴで演奏するようになったころから、自分のマインドが変わってきた感覚があるんですよね。人としての自我が芽生えたというか(笑)。自分が抱いていた想いを言葉で伝えようとする機会も増えたんです。それで自分自身が何を伝えたいのかっていうことのベクトルが絞れてきたところもあって、今回はこういう作品ができたんじゃないかなと思いますね。

-今回でミニ・アルバムも3枚目になりますけども、まず作品の出発点としては、どういう構想でスタートしたんですか?

渡井:僕たちは作品ごとに進化を重ねてきているバンドなので、今作に関しても、新しい挑戦をしていこうっていう気持ちで作り始めました。

-わかりやすいところで言うと、それぞれの曲にいろいろな楽器を入れるとか。

白井:そうですね。一番大きいのは3曲目の「ユーフォリア」という曲でストリングスが入ってるところだと思います。これは初めての試みなんですよ。

齋木:6曲目の「トロイカの箱」はカントリーっぽい曲なんですけど、ドラムだけじゃなくて、シェイカーとかウィンドチャイムとか他の打楽器も入れてるんです。

片山:いままで僕たちは各担当の楽器以外の音を入れたことがなかったので、他の楽器を入れるのは、大きな挑戦でした。

-これまで4人の音だけで鳴らすっていうことが、ひとつハロの良さだったと思いますが、それを壊していこうと思ったきっかけはあったんですか?

渡井:もともと僕たちはそういう方向性の音楽をやっていきたいっていう意志はあったんです。今作でも4曲目の「劇場都市」では、バンドだけで表現する良さを残していて、その選択肢も捨てたわけじゃないので、いままでの4人でやるライヴ感も残しつつ、新しい挑戦をしてみたっていう感じですね。

白井:ずっとやりたかったことなんですよね。

-そうすることで、いままでのレコーディングと進め方が変わった部分がありましたか?

齋木:勝手がわからないなかで進めたので、やっぱり時間はかかりましたね。

片山:「トロイカの箱」だったら、使う楽器が増えてたので、いつもより選択肢が多くて。"正解がわからねえよ"みたいなところは、正直最初はあったりして。

白井:ずっと手探りでした。

-いろいろな楽器が入っていくっていうのは、メンバーでアレンジをしながら加わるものなんですか? それともデモ音源に入ってるものなんですか?

渡井:僕の場合はデモ音源に入れてます。実は今回だけじゃなくて、いままでもデモ音源にいろいろな楽器の音を入れてたんです。そういうのが好きで。それで、今回も「ユーフォリア」っていう曲に鐘の音を入れてみたら、すごくハマったんですよね。それをメンバーに送ったら、メンバーも納得してくれたので。僕としては念願が叶ったという感じですね。

-いままではデモに入っていた楽器の音は、完成形では消えてしまっていたと?

渡井:それをいかに4人の音だけで再現できるかっていう闘いをしていたんです。

-結果、「トロイカの箱」も、ストリングスが入った「ユーフォリア」も、いままで以上に表情豊かな楽曲になりましたね。

白井:いろいろな楽器を入れた曲作りをしてみても、結局、ハロの良さは死ななかったのが良かったなと思ってます。曲の世界観が広がっただけの話だったというか、それが自信に繋がったんです。もう次回作を作る話にもなってきてるんですけど、"もっといろんなことをやっても大丈夫だな"というのはありました。

片山:自分がリスナーとして、いろいろな音楽を聴いてきて、悪い意味で"変わっちゃったな"っていう印象のバンドとかも見てきたんですよ。それで、すでに自分の中でバランス感覚が身についてたんじゃないかと思いますね。新しい要素といままでのハロの良さのバランスをどういうふうに取っていくか。それをみんなで話し合いながら、どのぐらいストリングスを強めに出すのかを細かく決めていったんです。

渡井:よくストリングスとか新しい楽器が入ると、悲しんじゃうファンの人たちがいるじゃないですか。自分自身もそういう想いをしたことがあるんですけど、この楽曲たちなら納得させられるんじゃないかっていうぐらい自信はありますね。