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INTERVIEW

Japanese

tacica

2017年09月号掲載

tacica

Member:猪狩 翔一(Vo/Gt) 小西 悠太(Ba)

Interviewer:岡本 貴之

-「群青」、「youth」という曲がありますが、このアルバムを聴くうえで重要な曲ではないかと思いました。それぞれどのような心境で書かれた曲か教えてください。

猪狩:「群青」は、外でタバコを吸っていたときに、スラッと歌詞もメロも全部できたんです。"群青"っていう言葉自体が、もうメロディみたいな言葉だと思っていて。青が群れる、と書きますけど、悲しいときとか"ちょっとブルーだ"って言うじゃないですか? なぜか最近あんまり聞かなくなったけど(笑)。とにかくメンタルが弱ったりへこんだりするときに使う色ですよね。そういうのが群れている感じって、ふと周りを見渡すとそういう人が多いかなって。でも、それ自体は決して悪いことではないと思うし、すごくポジティヴな感じで作った曲です。

小西:今回のアルバムは、自分が今まで猪狩の作ってきたメロにあててきた方向じゃない、"こういうのを試してみて"っていう感じの野村さんからの要望が多くて。「群青」は自分が持ってきたものと野村さんのアイディアと、中畑さんのリズムと、バンドとしてちゃんとまとまったイメージはありますね。

-「youth」はどんなテーマで書いた曲ですか。

猪狩:レコーディングでは最初に「YELLOW」と「youth」を録ったんですけど、その録りの直前に僕の祖父が亡くなって、お通夜と葬儀で地元に帰ったんです。ひととおり終わって帰ってきたときに、「youth」は歌詞をほとんど書き換えたんです。タイトルも"展望台"だったのを"youth"にして。若さや青春っていう意味ではあるんですけど、実は老人の歌なんです。若さとかその人にとっての青春みたいなものって、年齢に比例したものじゃないなっていうのをすごくそのときに感じて。若いときにしかそういう感覚を得られない人もいるかもしれないけど、人によっては、自分が病気だってわかってからそういう体験をする人もいるだろうし。大事なのはこういうことなんじゃないかなっていうのを、そのまま書いたつもりです。

- "僕達も最終回 0になる"という歌詞が印象的だったんですけど、先ほどのゲームの話とは逆になりますが、結局最後は全部なくなってしまうんだ、というのは生きていくなかでどこか意識しているんでしょうか。

猪狩:それはこの曲に限ったことではないですけど、前提としてありますね。

-10年以上バンドマンとして生きてきたおふたりにとって"若さ"ってどんなことですか?

小西:基本的にやっている気持ち的には何も変わっていないですけどね。

猪狩:何も変わっていないことが良いことか悪いことかはわからないけど、バカみたいなことを未だにスタジオとかでやったりとか(笑)。本当に若いときよりも、バカなことしているなって。20代前半とかの方が、変に大人っぽいことをしようと思ったりしていました。

-今は、"こうしなきゃいけない"みたいなことがなくなった?

猪狩:"こうしなきゃいけない"みたいなことってあんまりないのかなって今は思ってますね。この前、中畑さんと話していたんですけど、"音楽は「絶対」みたいなものがないから楽しいんでしょ"っていうことを言っていて。なるほどなぁって。今の4人の中での若さの象徴は中畑大樹ですから。

小西:見た目もね(笑)。

猪狩:この前、駅のホームで遠くに中畑さんの姿を見たときに、マジでスーパーサイヤ人かと思ったからね。

小西:ははははは!

-(笑)その中畑さん、野村さんと4人でのツアーが9月8日横浜 F.A.D YOKOHAMAからスタートします。

猪狩:楽しいツアーになりそうです。"そんな曲もやるんだ?"っていう、3人のときにリハでやってみて泣く泣くセットリストから外したような曲も、今だからっていうのもあるし4人だからっていうのもあるし、何の抵抗もなく入っている曲とかもあって。もちろん今回のアルバムを聴いて来てくれる人も楽しめると思うし、ずっと来てくれている人の方が"おぉ~!"ってなってくれるんじゃないかと思います。

小西:今回、初めて4人でミニ・アルバムを作って、そのメンバーでそのままツアーに行くので、そのぶんスタジオにも多く入れていて。まだ4人では3本しかライヴをやっていないんですけど、そのときの密度の濃いバンド感が出せるかなって。地方にも結構行くので、ずっと3人しか見てこなかった人たちも今回は違う意味で楽しめると思います。