神田莉緒香

INTERVIEW

Japanese

神田莉緒香

2017年08月号掲載

Eggsプロジェクト

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Interviewer：高橋美穂

－そういった日々が、この愛を考えたタイミングに繋がっていそうですね。

自分がこれまで書いてきた曲の中にも、愛はちょこちょこ出てくるんですけど、いまいちこのワードに自信を持てなかったんです。今回も、聴き手側にとっては、それは愛じゃないわって思われるかもしれないんですけど、"私はこれが愛だと思うから、もっともっと届けていきたいんですけど、どうですか？"みたいな感じで書きました。

－詞先の作り方なんですよね。この情熱的な思いを、ソフトなバラードに仕上げたというところには、何か理由があるんでしょうか？

いや、"愛について書いてみますか"ってピアノに向かって歌い始めて、ずっと同じコード進行でやってくの面白いなって思って、そこで、"アップテンポじゃないわ"って思って。

－詞をピアノに乗せて、ピアノが答えをくれた？

そうですね（笑）。この言葉がしっくりとくるメロとテンポ感がバラードだったっていう。こういう形にしたいというヘッド・アレンジは自分でして、全体的にはアレンジャーの中村タイチさんといろいろ相談しつつ進めました。今作の演奏的な一番のポイントとしては、ピアノを本間さんに弾いていただいているところです。私はピアノ弾き語りシンガー・ソングライターなのでずっと自分でピアノを弾いてきたのですが、さらに上にいきたいと考えたときに、足りないものを感じたいという気持ちもあってお願いしました。結果、自分だけでは生まれなかった表現が加わって、勉強になったし、さらに良いものとしてお届けできるんじゃないかなと思っています。

－錚々たる方々と音楽的会話ができるようになったというのも、神田さんの中では大きいのではないでしょうか。

そういうことができるようになったのは、ここ最近なんです。自分がしっかりしなきゃいけない場面に、修行のようにぶち当たって、どう伝えればいいかがわかるようになってきて、集まってくれた方々が、"こういうことだよね"って、上手に汲み取ってくださって。やりとりももっと楽しくなってきたし、"この人たちのためにより良い音楽を作りたい"と思えるようになりましたね。

－ここまで、楽曲を制作するクリエーター、ピアノを奏でるミュージシャン、自身の活動を考えるプロデューサーといった神田さんの面がわかりましたけど、何よりシンガーとして魅力的ですよね。この声質じゃなきゃ、この言葉やトラックでは歌えないと思います。

嬉しいです。自分が歌うことに対して自信をなくすこともあるんですけど。自分が思ってる理想より、"ライヴで歌ってる声が魅力だよ"って言われることが増えて、何がCDとライヴで違うんだろう？って思ったんですけど、それはライヴの声の方が生きているからで。私、単純だから、褒められると調子に乗っちゃうんで（笑）、"褒められたい"っていうのが根底にあって続けてきたんです。だから、CDはきれいに歌ってなんぼだろって思ってたんですけど、"ライヴにあるものをCDに吹き込めたら、ライヴも音源も良くなるな"って考えにシフトして、そこで歌い方が変わったんですよね。"きれいで正確なだけじゃなく、尖ってても、波があってもいい"って、受け入れられたというか。"私、生きてるよー！"って気持ちでこの曲もレコーディングできたんです。

－エグサポに関しては、どうでしょうか？

クラウドファンディングでライヴ・イベントを成功させるなんて、面白いなぁって思いました。曲名もイベント名とリンクしてて（笑）。ラヴなものもヘイトなものも叫んでいくって、生きている感じがするし......この曲は、いろんなものに書かせてもらったんですね。