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INTERVIEW

Japanese

HEADLAMP

2017年07月号掲載

HEADLAMP

メンバー:平井 一雅(Vo/Gt) 白石 浩輝(Ba)

インタビュアー:秦 理絵

大阪 高槻発の4人組ロック・バンド HEADLAMPが、全国流通盤として初のフル・アルバム『ON THE GROUND』を完成させた。今作は2009年のバンド結成以来、自主制作盤などでリリースしてきた代表曲を始め、これまでのバンドの軌跡の中でも特に大きな意味を持つ楽曲を網羅した集大成の1枚。同時に、堂々としたサウンドスケープが印象的な新曲群には"いまを生きる"という力強いテーマが貫かれている。泥臭く不器用に歩み続けながら多くの仲間たちと出会ってきた過去を肯定し、この先も地に足をつけて生きていく。『ON THE GROUND』は、そんな意志を込めた正真正銘のロック・アルバムだ。

-1曲目のタイトル・トラック「ON THE GROUND」がまさにアルバムの幕開けに相応しい雄大なロック・ナンバーで、今回のアルバムを象徴する曲になりましたね。

平井:この曲ができたとき、"アルバムのタイトル曲にもなるな"と思ったんです。今回のアルバムでは、僕たちのどの部分をピックアップして、どういう作品にしていくか、結構悩んでいたんですけど、「ON THE GROUND」ができて見つかったというか。"生きる"っていうことと向き合うような作品にしようと思ったんです。地に足をつけて進んでいこうぜっていうことを歌えたらなって。だから、意外とアップテンポな曲は少ないんですよね。

白石:新曲は壮大な感じになりましたし。

平井:前回のインタビュー(※2017年5月号掲載)では、メロコアとかパンクから始まったバンドが1周して原点に戻ったっていう話をしましたけど、そこからまた走り出して、次のところに行こうとしているのが今回のアルバムなんです。

-作品としては、12曲中7曲が過去のシングルや自主制作音源に収録されているけども、気持ちとしてはバンドが新しいフェーズへ向かうことを表したかったと。

平井:そうですね。だから全曲録り直したんです。

白石:「アオハルロンド」(Track.7)も。

-「アオハルロンド」はシングルで出したばっかりじゃないですか。

白石:そう、だからまだ「アオハルロンド」がシングルとして世に出てないのにアルバム用に録り直すっていう、よくわからないテンション感だったんです(笑)。最近のライヴではずっとやってきたので、それを踏まえてアルバムに入れるっていう感じでしたね。

平井:やっぱり、ライヴで1回身体に馴染ませると、曲を演奏するパワーが違ってくるんですよ。あと、ドラムの(武村)奏が入る前の過去曲を改めて録り直したいっていうのもあって。そうすることで、新しいHEADLAMPを打ち出したかったんです。

-なるほど。

平井:あと、今回のアルバムにはひとつコンセプトのようなものがあって、アルバムが1日の生活を表してるんです。朝、車を運転してたときに、ラジオから流れてくる曲が1日の始まりになるなと、ふと思ったんです。それを聴いて仕事だったり、学生の子やったら学校で"頑張ろう"って思う。そういうふうに1日が始まって、最後の曲で夜が終わるみたいな、1日通して聴けるアルバムがあればいいかもなと思ったんですよね。1日のルーティンの中にHEADLAMPが入っていけたらなって。そういうふうに曲順を決めてます。

-たしかに言われてみると、あからさまに朝、昼、夜というワードは出てこないけど、なんとなく曲の流れがある感じはします。

平井:昼間にムカつくことがあったら、この曲を聴け! みたいなのとか。

-それが「PUNKS!!」(Track.6)ですね。

平井:そう。で、帰り道は「NEW ORDER」(Track.9)とか「帰せる列車に」(Track.10)を聴いて、家に帰って日記を書くときには「ウチュウイチ」(Track.12)とか。だから、夕方に聴く「帰せる列車に」は音をかなり抜いてあっさりさせてるんです。デモみたいな音で聴けたらいいなと思って。

白石:ピッチ調整とかもまったくしてないから、生々しくて人間味が出てると思います。

-昔の曲だと、それこそ6年前の曲(Track.3「パンジー」)もありますけど、改めてレコーディングし直す作業は大変じゃなかったですか?

平井:時間は結構かかりましたね。歌で言うと、それがまったくの新曲だったら、いまから歌ったやつが絶対的な正解になるじゃないですか。でも、昔の曲を知ってるから、それに近づけようとしちゃうんです。昔の曲でもいまはいまの正解があるはずなのに、一度答えを出した状態で塗り替えるっていう作業が難しかったというか。

白石:そのときそのときのベストで作ってるからね。

平井:いまは声も変わってるし。どうしても昔の歌に勝てへんなって思う瞬間もありましたけど、最終的には1曲ごとに超え方を見つけられたと思ってます。

- 一番言われたくないのは、昔から聴いてくれてる人たちに"前の方が良かった"って言われることですからね。

平井:そうなんですよ。でも、当時の僕らの思い入れまで知ってる人だったら、"絶対に昔の方が良かった"って言う人の方が多いと思うんですよ。俺もそっち派なので。他のバンドの再録を聴いてると、"あ、昔の方がいいな"と思ってしまう。やけど、この先ずっと時間が経っていったら、若いときには若いときの色があって、いろいろ経たあとの色があってっていうのを感じられると思うので。いまの等身大を出すことが大事だったんです。

-逆に、「ON THE GROUND」とか「Glory Monday」(Track.4)みたいな新しいバンドのモードを表すような新曲の方が、レコーディングはスムーズだったんですか?

平井:新曲はどっちかって言うと落ち着いた曲が多いと思うんですけど、こういう曲を作れたのは奏の存在が大きいなと思いましたね。すごく落ち着いたドラマーなんですよ。バラードでもしっかりハメてくれるので。今作は奏がキーマンだったと思います。

白石:あと、新曲は景色が見える曲ばっかりだよね。

平井:そうそう。その景色をちゃんと自分らで見えるかなっていうのは確認しながら録りました。ギター・リフひとつにしても、これは朝やな、夜が明けてきた瞬間の朝日が差すようなリフがいいなとか。そういう喩えばっかり出してたので、迷い迷いやってたんですけど、それがカチッとハマる瞬間は気持ちよかったですね。