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INTERVIEW

Japanese

ねごと

2017年07月号掲載

ねごと

Member:蒼山 幸子(Vo/Key) 沙田 瑞紀(Gt) 藤咲 佑(Ba) 澤村 小夜子(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-佑さんは努力家ですよね。ひとつひとつクリアなさってるなと思います。カップリングの「DEADEND LOVE STORY」(Track.2)は幸子さんのデモに瑞紀さんがオケをつけたものですか?

蒼山:そうです。これはもう2年くらい前に作ったデモからで、そのときは全然違うトラックだったので、今回のカップリングに入れるにあたって瑞紀がいまのテイストに作り変えて。

澤村:前のトラックは「ラブ・ストーリーは突然に」(小田和正の1991年リリースの両A面シングル表題曲)だったもんね(笑)。

沙田:"LOVE STORY"だけに、そういうトラックにしてましたね(笑)。

-ははは。それで今回ループ・ミュージック的なトラックに生まれ変わったということですね。

沙田:ヒップホップっぽくなるといいなと思ったのでダウンビートにして。そこから"音が変だといいな"と思って、ピアノの音を古めの感じにしたり、ドラムの音とかをエンジニアさんと相談しながら作っていきました。幸子からデモをもらったときにワード的にはキャッチーなものがたくさんあったけれど、切ない感じもたくさんあるなと感じたので、それを汲んでいきたいなと思って。ヒップホップのビートは、普通の音を使ってないんですよね。どギツい感じの音が淡々とループしてるのがかっこいいなと思っていたので、それをやってみました。

-ビートが引っ張っていっている曲になっていると思います。

沙田:ヒップホップはビートの音がでかいので(笑)。小夜子とは生音と打ち込み音のバランスを相談しました。打ち込みの音だけになるとエモさは薄くなっちゃったりもするのでギターは入れたいなと思って。ドラマチックにしたいから間奏の部分とアウトロの部分に入れました。わりとロング・トーンでずっと居座ってます(笑)。

藤咲:シンベのラインが難しくて......特に2Aあたりとか(笑)。

-たしかに結構クセのある、おしゃれなベース・ラインだと思います。瑞紀さんとしてはこれをライヴでも佑さんに弾いてもらわないと、ということですか。

沙田:そうですねー。そうなりますね(笑)。

藤咲:頑張ります(笑)。

-2年前の曲でありつつも、「アシンメトリ」のときから歌詞の軸となっている幸子さんの赤裸々な想いが綴られたものだと思いました。

蒼山:前の自分だったらそういう面はあまり出せなかったかもしれないですけど、やっぱりちょっとずつ変化してきているというか。すんなりこういうことが歌えるようになってきていて、それがリアルで、素直なものになっていると思います。

-"DEADEND"という言葉が強いので最初少しびっくりしたんですけど、歌詞を読んでそういうことかと納得もして。

蒼山:うん、悲しい歌のつもりでもなくて。"DEADEND"という言葉はよしもとばななさんの"デッドエンドの思い出"(2006年出版)から取ったものなんです。その作品は"ぎりぎりの瞬間こそすごくきれいな思い出になっている"という短編集で、それがすごく好きで。自分にとってファースト・インプレッションがすごくいい言葉だったので、そういう気持ちで歌詞を書けたらいいなと思って。

-最近は制作でも以前以上にヴォーカルに集中できるようになって、ヴォーカリストとしてはいい環境でしょうね。

蒼山:そうですね。最近はだいぶハンドマイクでライヴをできるようになってきたのもあって、「DANCER IN THE HANABIRA」もライヴではハンドマイクで歌ってもいいかなと思っています。

-ねごとのシングルでお馴染みの瑞紀さんのリミックス、今回の楽曲は「ETERNALBEAT」です。過去2作でダンス・ミュージックに挑戦したことが影響する部分もありますか?

沙田:いままでやってきたリミックスはバンド・サウンドがメインの曲で、リミックスするとガラッと変わることが目に見えていたのでやりやすかったんですけど、「ETERNALBEAT」のオリジナル自体がバンド・サウンド寄りではないので、それをどうするか? というのが今回のテーマでした。オリジナルの方はアルバムの1曲目にしたいなと思って作ってたんですけど、リミックスはオリジナルとは関係なく、曲として面白くなるといいなと思って。私はもともと短い曲が好きなのでワンフレーズをループさせることはあまりしてこなかったんですけど、リミックスの場合はループ感が楽しめるので、改めて"聴かせどころはどこなんだろう?"と考えるというか。

-リミックスを作る場合はオリジナルのトラックを考えるのとは解釈が違うということですね。最近のねごとはもともと持っていた音楽的欲求がどんどん広がりを見せていると思います。

藤咲:最近ねごとは曲の繋ぎを作ったり、ライヴ・バージョンの曲も増えてきて、"いまはこの楽器があるからこういう(リミックス的な)アプローチもできるんじゃない?"というチームからの提案も出てきていて。『ETERNALBEAT』自体がリリースしてまだそんなに時間が経っていないので、それをもうちょっと聴かせたいなと思いつつ、タイミングが合えばそういうものもいつかやってみたいと思っています。

-おぉ、いつかの機会を楽しみにしておきます。

澤村:でもあれはできないでしょ? "う、う、う、う、うー"みたいなリミックスしたヴォーカルは(笑)。

藤咲:それは......さっちゃん(蒼山)頑張って(笑)。

蒼山:人力なの(笑)?

藤咲:まさかの人力(笑)。"今日はできた! 今日はちょっとぶれた!"とかになりそう(笑)。