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INTERVIEW

Japanese

SpecialThanks

2017年05月号掲載

SpecialThanks

メンバー:Misaki(Vo/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

前作『heavenly』リリース時のインタビューで、フロントマンのMisakiが"『heavenly』はもっともっと上を見ているSpecialThanksの新しい第一歩になる作品というつもりで作ったので、この作品が今のSpecialThanksの完成形だとは思っていない"と語っていたが、SpecialThanksの最新作となる3rdフル・アルバム『Anthem』はその言葉を裏づける、さらに広がりを見せる作品だ。2ndフル・アルバム『missa』以降、赤裸々な心情をメッセージとして届ける彼女の、そしてバンドの現在を探っていった。

-『heavenly』(2016年リリースのミニ・アルバム)からほぼぴったり1年ぶりにリリースされる『Anthem』は、Misakiさんの1年間を感じられるような内容でした。季節感のある曲も多いです。

フル・アルバムだから、いつ聴いてもらってもいいようなものにしたくて。全部通して聴いてもらうのも嬉しいし、今の時期だったらこの曲を聴きたいなと思ってもらうのも嬉しいし。ずっと聴いてもらえるようなアルバムを作ろう! と思ったんです。私はずっと愛と感謝をテーマに曲作りをしてきたんですけど、最近新たなテーマが出てきて。

-"新たなテーマ"?

私はライヴハウスが大好きで、"そこが一番!"と思ってたんですけど、家でリラックスしながら音楽を聴いたり、春なら桜を見たり、枯れた土地が少しずつ色づいていくのを見るとワクワクしてきたり、6月なら紫陽花を見たり......昔はそういうものにも全然興味がなかったのに、年々自然が好きになってきて(笑)。自分がそういうときに聴きたい曲を自分で作りたい、ライヴハウスだけが似合う音楽ではなくて、みなさんがライヴハウスから帰ったあとも心の支えになるような、自然と日常生活に溶け込めるような曲を作りたいなと思ったんです。

-へぇ、それはかなり大きな心境の変化ですね。

それもあって、去年初めてSpecialThanksで"ライヴで感じた楽しい気持ちを持ち帰ってほしい"という想いを込めた言葉でもある"LIFE to go"というタイトルの自主企画ライヴをして。そうやって自分が変わってきたことが、そのまま曲になっていった......というか。やりたいことばっかりやっています(笑)。

-それは何より。"Anthem"というタイトルもすごく堂々としていますし。

アルバム・タイトルはずっと私がつけてきてたんですけど、今回は初めて何がいいのかわかんなくなっちゃって(笑)。それでメンバーに候補を出してもらったら、Hiromu君(Ba/Cho)が出してくれた中に"Anthem"があったんです。"代表作"と言っていいほど素敵なアルバムになったな......とも思うし、うちのレーベルの古閑(裕)社長がメタル好きだからバッチリかなって(笑)(※ANTHEMというヘヴィ・メタル・バンドがいる)。

-ははは。お話を聞いていると、Misakiさんに外の世界と関わっていく余裕が出てきたのかなぁと感じます。以前のMisakiさんは時間に追われて......という感じでしたし。

あ、そうかもしれない。前は音楽と仕事ばかりしていて、外に出る時間がほとんどなくて。......私はずっと音楽を"趣味"にしていたんですよ。それを守りすぎていた。

-Misakiさんは"音楽で得た収入は音楽にしか使わない"ともおっしゃっていましたよね。"純粋な気持ち、楽しんで音楽をやりたい"という気持ちが音楽を"趣味"にしていたのかな。

"絶対に自分の決めたルールを守らなきゃ!"と思っていたし、ちょっとでもラクをしたら"自分はだめな奴だ"と不安になったりしたし。だから前の方が自分に厳しかったかも。でも、最近は"もう何も考えないようにしよう! それくらいがちょうどいいかも"と思うことにして(笑)。

-没頭しすぎると視野が狭くなる可能性も、なきにしもあらずですから。

そうです、そうです。仕事を辞めてからはいろんなところに出掛けるようになったし、ツアーもたくさん行けるようになって。自由に遊びまくってる(笑)。だから今まで気づけなかった"こんなところにかわいいお花が咲いてる"とかに心をときめかせるようになりました。今までは自分の心情を綴った日記みたいな歌詞が多かったんですけど、今回は風景が自然と思い浮かぶような曲が作りたくて。例えば「snow town~雪の降る街に~」(Track.11)とかは"あぁ、雪が降ってるな~"と思えるようなものになったかなって。

-そうですね。雪国出身ではない人が雪に馳せるロマンもあり、2番やアウトロのサウンドスケープには雪が降り積もっている雰囲気もあって。

そう思ってもらえたら狙いどおり(笑)! 今までは私がある程度作ったものに対してメンバーに"自由にやって"と言って、スタジオとかで"あ、そのフレーズいいね!"という感じで音作りをしていたんですけど、今回は"これをこうしてほしい"と結構お願いをして、プロデュース! みたいな感じで作っていったものが多くて。余裕ができたからそういうところまで考えられたのかも。でも、私ばかりで考えてもバンドじゃなくなるので、「everyday」(Track.10)みたいにフレーズや構成をメンバーに託して、バンドで作っていった曲もあります。

-「snow town~雪の降る街に~」は北海道テレビ放送"おにぎりあたためますか"の1月度エンディング曲で、「white lover」(Track.4)はさっぽろ雪まつり会場インシティ・イベント"白い恋人 PARK AIR 2017"のテーマ・ソング。この2曲は書き下ろしですよね?

そうです。北海道テレビ放送の方が札幌のライヴに来て、私たちの音楽を気に入ってくださって。"まだちゃんと決まってないんだけど、こういう曲作れる?"と言われて、"できます! すぐできます"と大げさに即答して(笑)。

-ははは。新しいチャンスは逃さない!

そうそう(笑)! 前に若い女の子がスノーボードの動画で私たちの「NEVER GIVE UP」(2009年リリースの2ndミニ・アルバム『SEVEN SHOWERS』収録曲)を使ってくれたりしていて、それを見て私もスノーボードをテーマにした曲が作りたいなと思っていたところに"白い恋人 PARK AIR 2017"のテーマ・ソングのお話をいただいて。それでまず作ったのが「snow town~雪の降る街に~」だったんです。でもスノーボードだし激しい曲の方がいいなと思って、自分の彼氏がPARK AIRでスノボしてたら......と仮定して書いてできたのが「white lover」です。協賛が"白い恋人"だからタイトルを"white lover"にして、2007年からスタートした企画だから歌詞に"2007"と入れたり、あとは「ゲレンデがとけるほど恋したい」広瀬香美が1995年にリリースした7thシングル表題曲)とか「サーフ天国、スキー天国」(松任谷由実が1980年にリリースした10thアルバム『SURF&SNOW』収録曲)みたいな日本の代表的なスキーの曲のタイトルを歌詞に入れてみたり。

-あ、"好きー!天国みたい♡"は"スキー天国"のことなんですね!

聴いてくれる人が幅広い年代になるなと思ったので、そういうのも入れて遊んでみました(笑)。それで「white lover」と「snow town~雪の降る街に~」を提出したら、「white lover」を"白い恋人 PARK AIR 2017"に採用してもらって。"「snow town~雪の降る街に~」もいい曲だから"というご厚意で"おにぎりあたためますか"のエンディングにも使ってもらえたんです。ギターのChikai君が北海道出身なので、すごく喜んでました。昔から"PARK AIR"のCMも見てたみたいで、Chikai君のご両親や地元の友達にも喜んでいただけたらいいな(笑)。みんなでコーラスも頑張りました。