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INTERVIEW

Japanese

ORESAMA

2017年06月号掲載

ORESAMA

メンバー:ぽん(Vo) 小島 英也(Prog/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

2人組エレクトロ・ポップ・ユニット ORESAMAが再メジャー・デビュー。TVアニメ"アリスと蔵六"のオープニング・テーマを表題曲にしたシングル『ワンダードライブ』をリリースする。1年間マンスリー自主企画"FLAT NIGHT CARNIVAL"を行い、初のワンマン・ライヴも行うなど、精力的な活動をしながら自分たちの居場所と自分たちにしかできないポップスを探し続けてきたふたりが、とうとう新しいフィールドへ身を移し走り出した。

-ORESAMAの再メジャー・デビューを飾るシングルの表題曲「ワンダードライブ」(Track.1)はTVアニメ"アリスと蔵六"のオープニング・テーマ。最初に聴いた印象は"極上のJ-POP"でした。とはいえ、かなりテクニックや小技が効いたトラックメイキングで、ORESAMA色はしっかりあるなと。

小島:原作を読ませていただいて、疾走感、ハウスのビート、シンセサイザーのきらきらした感じという具体的なイメージや雰囲気が浮かんできて、それをどう曲に落とし込もうかと試行錯誤して完成したのが「ワンダードライブ」です。アニソンとJ-POPの区別は自分的になくて、アニメで使っていただいたらどんなジャンルの音楽もアニソンになる。だから、今回もみんなが踊って歌って楽しいディスコの気配がある、"ORESAMAのいいポップス"を作るという意識で作りました。

ぽん:最初1巻の表紙を見たときに、少女とおじいさんのほのぼのストーリーかと思ったけど、実際読んでみたらすごく不思議な世界のお話で驚きました。ファンタジーな世界と蔵六さんみたいな人間味のあるキャラクターというコントラストによって、人の温もりを強く感じるし。少女の成長と愛の物語だなと思います。「ワンダードライブ」の制作はアニメのタイアップがついたというよりは、"アリスと蔵六"という作品の音楽を書き下ろした、という感覚です。作品と自分がすごくシンクロするところがあって、それを反映させた曲を再メジャー・シングルの表題曲にすることができた。運命的だと思っています。

-"アリスと蔵六"の主人公である紗名目線の歌詞ですが、小島さんのオケが完成してからぽんさんは歌詞を乗せたのでしょうか。

ぽん:小島君がデモを上げるたびに歌詞をつけてたんですけど、最終的にこの曲と出会えて、一番今の自分の気持ちや決意を音に乗せることができたので、とても意味のある制作期間だったと思います。紗名ちゃんと蔵六さんがドライブをするシーンに、今まさに走り出そうとしている私たちが重なって見えたんですよね。私たちもこれから何が起こるかわからないドライブを始めるので(笑)、紗名ちゃんも私たちも、もっともっと走っていけるように......という願いを込めて、シンクロさせて書いていきました。

-"再メジャー・デビュー"というのは、ぽんさんにとってかなり大きな出来事なんですね。

ぽん:新しいフィールドに飛び込むので、いままでのファンの方々にも進化していくORESAMAと進化していくORESAMAのポップスを一緒に楽しんでほしいと思っていて。例えば"誰かの夢なんかじゃない この道は"という歌詞は、私にとっては"歌いたいからここにいる、もっと走っていく"という決意で、紗名ちゃんに向けて"自分の意志でもっと遠くまで走っていけますように"という願いを込めて書いた歌詞です。純粋な気持ちを出したいからヴォーカルも大人っぽくなりすぎないように、素直でパッと聴ける声で歌いたいなと思って。

-ベースは不思議な感触の音ですが、どうなっているのでしょう? Aメロのドラムもかなりテクい感じで。

小島:生のベースの音をソフトウェアで鳴らして、人間の手で弾けるの? と思うようなスラップを入れています。その下にヴィンテージのシンセの音を重ねたりして、いままでよりぶっとい感じになったかな。Aメロのドラムは"このBPMでスネアのロールを入れたらどのくらい疾走感が出るんだろう?"と思って試しに入れたら気に入っちゃって。それをそのまま使いました。結構細かいことをやっています(笑)。

-「ワンダードライブ」はORESAMA史上最もBPMが高い曲になりました。それだけ"疾走感"というワードは欠かせなかった?

小島:マストのキーワードでしたね。僕は"どうしてこう思ったのか"という理由があんまり自分でわからないんです(笑)。なぜ疾走感を覚えたか、きらきらした印象を持ったのか......と考えると曲ができなくなるとも思う。ファースト・インプレッションのイメージを表現する、という方法でずっと曲を作ってきたので、それが一番作りやすかったですね。

-小島さんは作品から受けたインスピレーションを大事にして曲を作り、ぽんさんは作品と自分自身がリンクする部分を丁寧且つエモーショナルに書き綴る。ORESAMAがポップスでもロック然としたパンチやスパイスが効いているのはそういうものが影響しているのかもしれませんね。「「ねぇ、神様?」」(Track.2)もその成分が存分に生かされていて、特にいままでのORESAMAらしい曲だと思いました。"うた"という言葉が入っていることからもわかるように、これはシンガーとしてのぽんさんの素直な心情が描かれているんですよね?

ぽん:はい。この曲ができるまでには背景があって。一度ヴォーカルとしてとても悩んだ時期があって、"私の歌ではだめなんじゃないか"とか、"私じゃだめなのかも"と考えてしまって、それをきっかけにnanaという音楽アプリで名前を伏せて毎日2、3曲、半年で400曲くらいアップしたんです。聴いてくれた人は"声がかわいいね"や"上手いね"と声を掛けてくださって、それが嬉しくて。でも、"ORESAMAのぽんとして歌を聴いてほしい"という気持ちが強くなったんです。発表することで"なんだプロだったのか"と言われるかもと思ってたんですけど、"変わらずに応援するよ"や"ORESAMAのぽんちゃんを応援していくね"と言ってくださって、ORESAMAのファンのみなさんも"頑張ってね"と言ってくださって。それがすごく嬉しくて、何かかたちにしたいと小島君に相談して完成したのが「「ねぇ、神様?」」なんです。

-そうだったんですか。ぽんさんが今回"再メジャー・デビュー"と強く思っていることも、それらの出来事が影響しているのかもしれませんね。

ぽん:"聞こえますか"、"届きますか"という言葉がたくさん歌詞に入ってるんですけど、当時は本当にそういう気持ちでした。私にとってかなり大きな出来事だったので、シングルには絶対にこの曲を入れたいなと思って。歌詞には苦悩や叫びが入っているんですけど、明るい曲調なので、笑顔のポップスとして歌ってほしい。いろんなことで悩んでいる人たちがいたら、そういう人たちに寄り添える曲になったらいいなって。