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INTERVIEW

Japanese

ポルカドットスティングレイ

2017年05月号掲載

ポルカドットスティングレイ

Member:雫(Vo/Gt)

Interviewer:岡本 貴之

福岡を拠点に活動しながらも、猛烈なスピードで全国的に知名度を上げてきたポルカドットスティングレイが、待望の1stミニ・アルバム『大正義』を4月26日にリリース。昨年からメディアを賑わせ話題となり、リード・トラック「エレクトリック・パブリック」のMVは解禁後1ヶ月で100万回再生を突破、GWには大型フェスに3日連続参戦と、ますますその勢いは加速している。今作を機に本格的に大ブレイクとなりそうなバンドの中心人物、雫に話を訊いた。ゲーム・アプリの開発ディレクターとしても活躍する彼女ならではの視点と考え方に注目してほしい。

-昨年からメディアを賑わせていたり、6月のワンマン・ツアーも即日ソールド・アウトと注目が集まっていますが、雫さんはこうした現象をどう感じていますか。

まだポルカ(ポルカドットスティングレイ)のことを知らない人がたくさんいて、新規のお客さまを貪欲にたくさん獲得していく時期かなと思っているので、去年からのMVなりセルフ・プロモーションでやってきたことって、バズらせにいってるんですよ。なので、こうやってSNSなんかでポルカがだんだん賑わっているというのは、我々の今やりたいことでもあるのですごく嬉しいですね。Twitter見ながらニヤニヤしてます、毎日(笑)。

-雫さんはゲームの開発ディレクターとしても勤務しているそうですが、それはまだ続けているんですか?

そうですね。そろそろ結構厳しいんですけど、これもキャリアとして強みになるかなと。去年くらいから寝る時間を削ってやってますね。

-やっぱり去年から急激に変わってきた感じですか。

2016年6月にバンドとして初めて県外に出て東京でライヴをしてからですね。それからちょうど1年で6都市ワンマン・ツアーですから、だいぶ変わりました。一番大きい変化としては事務所に入ったことですね。それまではひとりでやってたので、おかげで今はだいぶ生きた心地がしています(笑)。

-ポルカは2015年から活動を開始したということですが、どんな始まり方だったのでしょう。

3年くらい前にイギリスに留学していたんですけど、帰国したら遊びでふんわりした感じのバンドをやりたかったんです。それでTwitterで"帰国したら遊びでバンドをやりたいんだけど、誰かどう?"みたいに呟いたら、今のドラム(ミツヤスカズマ)が"やりたいです"って結構本気で言ってきて。イギリスに行く前にもゆるい感じのバンドをやってたんですけど、お互いのバンドで対バンしたことがあったんです。"あのときのミツヤスです!"、"すいません、ちょっと覚えてないんですけど"みたいな(笑)。でも彼は私に対してすごく才能があると思っていてくれたらしくて、"この人は遊びでやるって言ってるけど、そのうち仕事にできるくらい本気にさせたい"って。でも私はゲームを作る人になりたいっていうのが子供のころからの夢だったので、絶対そっちしか考えられなくて。当時就活中だったので必死だし、バンドは息抜きみたいにやりたいって言ってやってたんですけど、ゲームの方もバンドの方も両方わりかしガチになってきた時期があって。"才能があるんだから本気でやってくれ"みたいな感じで言われたんです。じゃあ死ぬ手前までめちゃくちゃ頑張って、どうせやるなら仕事をふたつやるくらいのつもりでやってやろうって。それから「テレキャスター・ストライプ」(2016年リリースの1st EP『骨抜きE.P.』収録曲)を出しました。

-男気があるというか、めちゃくちゃ気合入っていますね。

気合入ってますね、仕事が大好きなんです。

-もともと仕事が好きなうえに、頼られるとますます頑張っちゃう?

頼られるのが好きなのかもしれないですね。仕事でも、ゲーム・ディレクターとしてチームのみんなが私の書いた仕様に従ってゲームを作ってくれたりとか、信頼して一緒に仕事してくれているのを見ていると、もうめちゃくちゃ頑張ろうみたいな気持ちになるし、バンドも一緒ですね。

-エジマハルシさん(Gt)、ウエムラユウキさん(Ba)はどうやって加入したんですか。

ミツヤスの本気度が高かったから、遊びのつもりで入ってきたメンバーが辞めて。Twitterで募集したなかでユウ君(ウエムラユウキ)を入れて。そこからしばらくして「夜明けのオレンジ」(2015年リリースの1stシングル『極彩』収録曲/※今作のTrack.6に"大正義 ver."として収録)のMVにも出てるリード・ギターが辞めて、それからサポート・ギタリストを入れてたんですけど、当時は人気もなくてライヴハウスにノルマ払って出てたバンドだったのに、サポート・メンバーがいるから4人でスタジオに入っているのに3人でスタジオ代を払わなきゃいけないという、"バンドあるある"なつらい時期があって(笑)。それを経て当時19歳のエジマハルシが彗星のごとく入ってきたんです。"ちょっと若いな......"って戸惑いながらも今や"ポルカといえばハルシのギター"っていうふうになってます。

-そうですよね、ギターはものすごく弾きまくってて目立ちますよね。

前のギタリストがガンガン前に出て弾くタイプではなかったんですよ。だからハルシが入ってきて、"私はこのギタリストを乗りこなしきれるのだろうか"みたいに焦りましたね。「夜明けのオレンジ」のギター・ソロだけ変えてコピーして動画で送ってくれって言ったら、完璧にコピーしてギター・ソロだけバシバシの動画を送ってきて、ビビりました。"全然違うけど大丈夫かな!?"って。当時のギター・ソロがそのまま『大正義』に入ってます。

-エジマさんが入ったことでバンドとしてかなりレベルアップした?

だいぶ変わりましたね。私は曲を作るときに、他のパートはこんなふうにしてほしいって考えながら作るんですけど、前は無意識に置きにいってた部分を限界まで言えるようになってきて。"ここはもっとこういうことをして"って、だいぶ可能性が広がりました。その結果が今作の「シンクロニシカ」(Track.3)なんですけど。"好き放題やってみて"って言ったらああいうのができたので、"まぁいっか"って(笑)。彼は高校生からギターを始めて、周りで一番自分が下手だったから一番頑張ったみたいな、負けず嫌いなのかもしれない。