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INTERVIEW

Japanese

JUNIOR BREATH

2017年04月号掲載

JUNIOR BREATH

メンバー:ホシヲ(Vo/Gt) いずべい☆(Ba/Cho) ウェール(Gt/Cho) シューマッハ・ヨシアキ(Dr)

インタビュアー:岡本 貴之

-アルバムの中には、素直に恋愛を歌っている曲もありますね。「宝島」(Track.7)が好きなんですけど、この曲はすごくそう感じます。

ホシヲ:ラヴ・ソングって言われるものをそのまま書くことが別に怖くなくなった感じですかね。実は「宝島」は、僕とウェールが前のバンドでやっていた14年前くらいの曲なんですよ。

ウェール:ヨシアキが加入して、『PIRATES RADIO BOOTLEG』でやってみて、今回のアルバムにまで入るという出世をしました。今回はオルガンも入っています。

ホシヲ:この曲は人気がありますね。盛り上げやすい曲なんですけど、そういう盛り上げやすいとかっていうのが恥ずかしくなくなったんですよ。昔は僕、すごく尖がってたんで、調子に乗った感じでやってましたね(笑)。

ウェール:そのときとはちょっと違うよね。

いずべい:僕がホシヲさんとウェールと初めて会ったとき、前身バンドが解散する直前くらいだったので、僕が唯一持っている音源が「宝島」が入っているもので、めちゃくちゃ好きだったんです。ちょくちょく遊びでスタジオでやったりはしていたんですけど、ヨシアキが入っていろいろアレンジしてたら、面白いからやろうということになって。去年、"全曲ワンマン・ライヴ"を大阪と東京でやったんです。そのときに昔の曲も引っ張り出してきてアレンジしまくって、この曲は今の4人でやったらカッコいいということで昇格しました。

ホシヲ:「宝島」は記憶の彼方からサルベージ(※沈没船や海底に沈んだ財宝の引き上げの意)された曲なんですけど(笑)。今回のアルバムでいうと、「世界が終わるその前に」(Track.8)もヨシアキが入るずっと前、8年くらい前にやった曲です。

-曲順をすごく悩んだということですが、どのあたりで悩んだのでしょうか。

ホシヲ:最初に曲順を作ったときは、もっと速い曲がブワ~ッと続いてたんですけど、聴いていてしんどいなと。さっき言った機能性じゃないですけど、見せ方を変えました。「いつものあかり~THEME OF FURUYA~」から「この街」くらいまでは、"飲みすぎて覚えていないターン"ですね。「いつものあかり~THEME OF FURUYA~」で飲みすぎて、混濁する意識の中にいる感じ。ちょっと夢の中に近いような。それで「サーティーエイジラスト」(Track.11)で家に帰っているという。ライヴをやった日の流れで打ち上げがあって、みたいな感じで見せられたらなと。

-ライヴを意識した曲順にもなっているということですか。

ホシヲ:う~ん、できるだけそこは崩さないようにはしたいんですけど、ただ毎回ライヴを観ている人たちからしたら意外な展開だとは思います。

いずべい:今回は良い意味でどの曲もしっかり聴けるというか、前よりもホシヲさんが"近いこと"を歌うようになったので、全部すっと聴ける曲順にはなったんちゃうかなと。速い曲でバババ~ッて並べちゃうと焦点がぼやけてしまうようなところがあるので、流れとして全部しっかり聴けるものにはなったかなと思いますね。

ホシヲ:いろんなタイプの曲を録ったので、散らしてあげた方が楽しめるかなと思って曲順を作りました。実はここにもう1曲入るはずだったんですけど、その曲をうまく録れなかったんですよ。それが1曲目に入る予定だったんですけど、"あぁ、こいつは入るべきじゃないんかな"っていうところから、パッと"ザ・リビングシングス"というタイトルを思いついて、じゃあそういうタイトルの曲を入れたいということでそこから曲を作ったんです。「ザ・リビングシングス」が曲としてうまく機能するかどうかはわからなかったんですけど、そこはメンバーがうまくブラッシュアップしてくれたんで。

いずべい:この曲が入る前のところでアルバムとしてまとめるつもりだったんですけど、タイトル曲をこれにしてこの曲を入れたいということで、レコーディングの最後に「ザ・リビングシングス」を録ったんです。

―「ザ・リビングシングス」からいろんな曲を経て、最後の「シーユーレター」(Track.13)は頭に繋がるメッセージになっている感じがありますね。

ホシヲ:そうなんです、そこなんですよ。「ザ・リビングシングス」と「シーユーレター」が逆というアイディアもあったんです。「シーユーレター」がエンドロールとして最初にあるという。ただ、CDショップで展開していただいたときに試聴機で俺たちのことを知らない人がパッと聴いたときに、どっちの曲やろうって思ったんです。「シーユーレター」が僕らの必殺技なのは承知しているんですけど、そうじゃないなと。それを押しつけるだけやったら別にCDなんか作らんでもええやないかと思ったんですけど、「ザ・リビングシングス」という包容力のある曲ができたので、これで行こうと。それで「ザ・リビングシングス」を最後まで聴いたら突然速くなる感じにしようと思いました。今回は"こういうものを作りたい"というものは僕の中でタイトル曲が録れた時点で完結していたので、そこからは変な話、商品としてちゃんと機能するものという意味で曲順をどうするか、最後まで悩みましたね、どっちがいいやろって。だから、最後と最初が繋がっているように聴こえるというのはめっちゃ嬉しいですね。そこはアルバムを作るたびにずっと思っていることなので。もう1周できるという。

いずべい:気づいたら2周目を聴いているっていうのが一番いいんじゃないかなって。

-アルバムのジャケット・アートワークは今回ホシヲさんが描いているそうですが、右端に描かれているのはTHE BLUE HEARTSの1stアルバム(1987年リリースの『THE BLUE HEARTS』)のジャケですよね? やはりTHE BLUE HEARTSの存在は大きいですか。

ホシヲ:僕がウェールと出会ったころ、青春パンク・ブームがあって。僕らもそこにカテゴライズされることが多いんですけど、僕は当時青春パンクが大嫌いだったんですよ。全部甲本ヒロトの真似にしか聴こえなくて。そういう気持ちがあるのは、僕らがやっていくなかですごく大きなことかもしれないです。今まで売れなかった原因かもしれないし、今まで新しい曲が作れている理由かもしれない。THE BLUE HEARTSが歌ってきたメッセージを直接投げることはできないというか、例えば「人にやさしく」(1987年リリースの自主制作シングル表題曲)で、"ガンバレ!"という言葉を使って人のファイト・ソングにするのは、もうあれ以上のことはできないと思うんですよ。だから"ガンバレ!"という言葉をみじん切りにしてハンバーグにするしかないんです、僕らは。影響を受けているからこそ、真似にならないようにしたいんです。

-昨年は野外フェス"ROCK BLESS FESTA 2016"を主催しましたが、今年も開催するのでしょうか?

ウェール:今年もやります。今回もチケット前売り1,000円、高校生無料というのは変わらないです。

ホシヲ:他にもいろいろ考えていることもありますし、『ザ・リビングシングス』を聴いて"バンドをやりたい"って思ってくれたら嬉しいですね。