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INTERVIEW

Japanese

fhána

2017年05月号掲載

fhána

メンバー:佐藤 純一(Key/Cho) yuxuki waga(Gt) kevin mitsunaga(PC/Sampler) towana(Vo)

インタビュアー:吉羽 さおり

2013年TVアニメ"有頂天家族"のエンディング・テーマ「ケセラセラ」で、メジャー・デビューを飾ったfhána。今年、アニメの第2期"有頂天家族2"が放送開始となり、そのエンディング主題歌を再びfhánaが手掛けることになった。その曲「ムーンリバー」は、メロウで、哀愁の漂うエレクトロ感と、力強いバンド・サウンドがグラデーションとなったエレガントな1曲。fhánaの洗練されたアレンジメントが光り、towanaのヴォーカルが生む物語性が際立つ内容だ。2期連続で同作品を手掛けるのは初ということで、コラボレーションとしての遊びもしながら、4年を経たバンドの物語も詰め込んだ意欲作について訊いた。

ニュー・シングル曲「ムーンリバー」(Track.1)は、デビュー曲の「ケセラセラ」(2013年リリースの1stシングル表題曲)以来となる"有頂天家族2"の主題歌となりました。1期目の「ケセラセラ」とはまた違った大人の雰囲気で、今回はyuxukiさん作曲のエレクトロ感とインディー・ポップ感がある曲となりました。サウンド的にどうイメージして進めていった曲ですか。

yuxuki:この「ムーンリバー」は、僕が曲を作って佐藤さんがアレンジをしている曲で。普段は、エレクトロとバンド・サウンドを混ぜて使っているんですけど、今回は切り替えてみようかという話をしましたね。今回の曲のテーマがちょっとシリアスで、このアニメ盤のジャケットになっている登場人物"弁天"の歌なんです。この弁天の悩みと、そこから立ち上がる強さを表現したくて。エレクトロとバンド・サウンドを切り替えて、場面を転換することでそのドラマを作りたいなと、話しながら進めていったんです。僕が作ったデモは、ほぼバンド・サウンドなんですけど。そこに、佐藤さんがいい具合にテクノ的な質感を加えてくれて、今の形になったという感じですね。

-頭のエレクトロ感とメロディが相まって、とても美しい曲になっていますが、佐藤さんはどんなイメージでこのエレクトロの質感を加えていったんでしょうか。

佐藤:NEW ORDERの「Krafty」(2005年リリースの7thアルバム『Waiting For The Sirens' Call』収録曲)方式だなと思いながらやっていましたね。あの曲も、Aメロが打ち込みのリズムで、サビでタターンっと生ドラムのバンド・サウンドに切り替わる曲で。そういうコントラストをつけたかったんです。

-いつもとは違うアプローチで試行錯誤もありましたか?

佐藤:試行錯誤は......今回は、結構スムーズでしたね。

yuxuki:スムーズでしたね。正直、僕が作ったデモとは変わっている部分があって(笑)。"おぉ! めっちゃ変わってるやん"と思ったんですけど、かっこよかったのでアリだなって、そのままレコーディングに入りました。ただ、この曲になってからはスムーズなんですけど、その前に1曲ボツにはしていますね。もうちょっとお洒落めな曲だったんですけど、サビはもっと熱さが欲しいっていうことになって。それでこっちではRADIOHEADの「Creep」(1993年リリースの1stアルバム『Pablo Honey』収録曲)みたいな感じでサビ前で遊ばせてもらって、一気にああいう感じになりましたね。

-このメロウなメロディも、yuxukiさんが書いたものですか。

yuxuki:そうですね、今回は歌で聴かせる曲になればいいなと思っていたんです。歌が伸びやかに映えるメロディ・ラインで。なおかつ、上手く歌うのにはコツがいるというか。あえて、そういったものを作ってみました。でも、聴いていてきれいで、物悲しさもあるようなイメージはありましたね。

towana:waga君が"こう歌ってほしい"というのが、この曲には結構あって。Aメロはこうで、Bメロはこうで、サビはこうっていうのが細かくあったから、それを汲み取りながら、私は自分ができることを全部詰め込んでやった感じですね。

-サビのヴォーカルの伸びの美しさもさることながら、曲の転換部分となる、Cメロ的なパートがまたグッときますよね。

yuxuki:ありがとうございます。アニメの内容として、弁天は1期では完璧な人だったんです。なんでもできる人で、主人公の憧れの存在だったんですけど、2期では悩む場面が出てくるんです。実際アニメではへこんだままなんですけど、この曲では立ち上がる姿も表したかったので。曲としてもだんだんと明るくなったり、サビにいくコードがマイナー・コードだったのが、メジャー・コードになったり、そういうちょっとした仕掛けを入れています。

-kevinさんは今回はどういった役割をしているんですか。

kevin:いつも僕がやっている音作りとして入れているのは、後半部分や間奏の部分が大きいですね。TVサイズに収まるA、B、サビのところでは、主に浮遊感をつけるような。テクスチャーって言うんですかね。単体だと他の音と混ざって、あまり認識はできないけれど、裏側にいる質感みたいなところを重点的に作っていますね。弁天は、天狗の力を持っていて空中を浮いているので(笑)。そういう意味でも、浮遊感をつけたいなって思って。ふわふわした感じをつけています。

yuxuki:本当にアレンジでは遊んでいますね。個人的にお気に入りは、1サビ後の、ひずみがかかったドラム・ブレイクです(笑)。アニメ版って、その前で終わってしまうんですけど。フル尺を聴いたときにびっくりすると思います。最初はそこまでひずみは効いてなかったんですけど。

佐藤:トラック・ダウンのときに、ひずませてみようっていうことで。

-今回は、アニメ盤とアーティスト盤という2パターンのリリース形態で、そのアニメ盤のカップリング曲が「ケセラセラ ~先斗町Ver.~」(Track.2)です。1期目の主題歌「ケセラセラ」のリアレンジですが、大人っぽい仕上がりになりましたね。

佐藤:やはり"先斗町"(京都の花街)ということで(笑)。この"先斗町Ver."というのは最後についたんですけどね。

yuxuki:これはまた面白くて。表題曲は、僕が作曲で佐藤さんアレンジだったんですけど、こっちは佐藤さん作曲で今度は僕がアレンジをしています。以前ライヴで、ジャズ・バージョンみたいな感じでやっていて。最初はそれを録ろうかという話をしていたんですけど、もうちょっと整えて作りたいなっていう話になって。ジャズっていうよりは......うまく言葉にするのは難しいんですけど、イメージ的にはバーみたいなところでバンドが演奏している感じというか。それこそ、先斗町にありそうなバーの感じで(笑)。もともとの「ケセラセラ」からポップめなところを抽出してみた感じですかね。

-リアレンジというのも、fhánaの曲の新しい一面が見えていいものですね。

佐藤:同じ作品の2期を担当するのが、今回初めてだったので。続けて担当させてもらえるからこそ、できる遊びというか。同時に、ファンの方にも喜んでもらえるかなという感じもありました。

-結構、思い切って手を入れた感じですか。

佐藤:よりあたたかみのある、生演奏の気持ちいい感じになりましたね。

yuxuki:fhánaにしては珍しく、ひとり1楽器縛りでやっているんです。だから、ギターも1本でやっているし、歌もコーラスもダブルがなくストレートで、kevinもグロッケンひとつだし、佐藤さんもピアノだけだしで。録音自体も、ギターとベースとドラムは一緒に録っていて、歌も今回は一緒にやっているんです。ライヴ感のある感じで歌っていて、それが一番面白かったかな。

-その録り方が、この曲ではベストだろうと?

yuxuki:最初は、ガイドで歌ってもらうくらいの感じだったんだっけ?

towana:そうですね、ギター、ベース、ドラムが一緒に録るのは最初に決まっていて。そのレコーディングのためにガイドの歌が必要だから、"最初に1回入って"って言われて。それで4人でやったらいい感じだったので、そのまま本番の歌もその録り方でいこうってことになったんです。

yuxuki:あとから録ったら絶対に録れないようなテイクになっているので、よかったなと。