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INTERVIEW

Japanese

Base Ball Bear

2017年04月号掲載

Base Ball Bear

Base Ball Bear

Official Site

メンバー:小出 祐介(Gt/Vo)

インタビュアー:金子 厚武

-もともとラテン始まりだったという「SHINE」は、"光源"というアルバム・タイトルにも繋がるし、重要な曲かなと。

この曲はベースが引っ張る曲で、"俺は何もしないから"って宣言から始まってるんですけど(笑)、なのでAメロとBメロはベースがコードを動かして僕はステイ。サビでやっとちゃんと弾く。ギター・ソロも、3人だからバッキングがないんですよ。ギター1本で押し通す剥き出しのかっこよさみたいなものが出せればいいなと。それはもちろん今までやってなかったし、今回のアルバムの中でもこの曲だけで。しかも、やっているうちにどんどん曲がハードになっていったんです。

-ギターの歪みもすごいことになってますよね。

街スタで借りてた、かなり歪むファズが気に入って。それでずっと弾いてたから、そのイメージが残ってたんですよね。で、そのエフェクターを自分でも買って使ったんですけど、だんだん物足りなくなってきて、他のエフェクターも全部踏んで、アンプがぶっ壊れる寸前くらいまで歪ませたんです。ふたりでそれをやるとうるさくなっちゃうけど、ひとりだからいいやって。音はすごくハードなんだけど、でも根本はタイトっていう曲になりましたね。


"青春"っていうテーマの向こう側に
実は一番でかいテーマとして、"時間"があったんです


-"光源"というタイトルは、どこから出てきたのでしょうか?

さっき言った対象化によって、自分にとっての青春が何だったのかようやく言語化できて、要は自分にとって"未解決事件"なんだなって思ったんです。中高の6年間に対して、今も"他に何かあったんじゃないか?"っていう気がずっとしてるんですよね。今の自分に不満はないし、"あのころに戻りたい"とかは思わないですけど、"他に何かあったんじゃないか?"っていう感触はずっと残ってて、それはもう一生解決できない。今後の人生で補てんすることはできても、答えを出すことはできない。だから、頭の中でなぞりたくなるんだろうなって。

-なるほど。

同時に、あの時期は万能感も感じてたんです。暗黒期でもあったけど、周りへの呪いが強すぎて、"俺は絶対お前らとは違う人生を歩んでやる"っていうパワーがすごくて、根拠のない確信があった。でも、それが終わったのが、最初の武道館のライヴ(※2010年開催)だったんです。少なくとも自分にとってその日のライヴは、"俺の武道館これ? めっちゃしょぼい"って、自分の実力の足りなさにがっかりして、それまでの万能感が終わったんです。そこから『新呼吸』に向かう流れになるんですけど、あそこではっきり終わったというか、水をぶっかけられたというか、アイス・バケツ・チャレンジみたいな(笑)。

-(笑)

で、現実のことを考え出して、未解決なんだけど、あの謎の万能感が自分にとっての青春時代だったんだってわかった。「SHINE」はそれを1曲の中で終わらせたんです。歌詞としてはあまりやりたくない書き方なんですけど。基本的に歌詞は1枚の写真だと思ってて、そこにもう1枚写真を置くのって、あんまり美しくないと思うんですね。

-説明的になっちゃいますもんね。

写真2枚だと2コマ漫画になってしまうので。でも、それをやらないと言い切れないと思ったんですよね。青春の渦中だけを歌ったら、終わらせられない。時間の経過が必要だったんです。2コマ漫画って、絶対に時間の経過がある。それが「SHINE」には必要で、この曲の歌詞を書いたあたりで、"青春"っていうテーマの向こう側に、実は一番大きなテーマとして、"時間"があったんです。"光源"って光を発している源で、そこがA地点だったとすると、現在はB地点だってわかるわけです。

-その時間の経過こそが、本作の主題だったと。

3次元的なことをパンパンに詰め込んだ『C2』で何か違うなって思ったけど、"青春"をテーマにして、時間を歌うことによって、話が4次元に広がって、やっとやりたいことができたというか、ずっとこれをやりたかったんだなって思ったんです。今までは自分が感知しうることにフォーカスを当てていて、それは3次元的だったけど、4次元になることで、感知できないことの中に自分がいるっていうことにもフォーカスできた。そこは大きな違いだったんですよね。時間ってすごく不思議なフレームで、1年前にはまさかバンドが3人になるなんて思ってもいなかったけど、"こんなことある?"っていう青天の霹靂も、それを導いたのは時間なんですよね。そして、これからも時間に導かれていくでしょう。で、今回"青春"を介することで、僕なりに時間を実現することができた。それはひとつの達成だったんです。