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INTERVIEW

Japanese

KEYTALK

2017年03月号掲載

KEYTALK

Member:小野 武正(Gt/MC/Cho) 首藤 義勝(Vo/Ba) 寺中 友将(Vo/Gt) 八木 優樹(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

前作『HOT!』から1年10ヶ月というリリース・スパンがにわかに信じがたいのだが、お待ちかねの4thフル・アルバム『PARADISE』をリリースするKEYTALK。この間、メンバー全員が自身の作詞作曲スタイルをさらに研ぎ澄まし、シングル5作でその成果を表現。軽くアルバム1枚分の新曲は世に出してきたものの、やはりKEYTALKの持ち味はアルバム曲の突き抜けたユニークさ。同世代のギター・ロック・バンドで、ここまで奇想天外な楽曲をマンパワーで表現する存在はいないだろう。個々人のスキルアップとこの4人でしか出せない痛快さ。17曲50分台という凄まじい濃度を誇るアルバムについて全員に訊いた。

-『HOT!』(2015年リリースの3rdフル・アルバム)以来1年10ヶ月。そんなに経っていたとは意外です。この間、シングルが5作リリースされたとはいえ、アルバムに向けて思うところはあったんじゃないですか?

小野:そうですね。アルバムを出せるタイミングは何回かあったと思うんですけど、それをあえてここまで持ってきたっていうのはあります。去年夏のタイミングでアルバムって話もありつつ、そこはちょっと1回我慢して、4人それぞれが作詞作曲した曲を入れたシングル2枚でワンマン・ツアーを回りきれたので、それで良かったんだなっていうのは改めて思いますね。

-それまでの曲だけでも十分レパートリーはあるけれど、焦ってアルバムを作るよりは?

小野:うん。武道館からまたライヴハウスに戻ったんで、もう1回、ライヴハウスでのライヴをしっかり地に足つけてお客さんと作って、その結果として完成したアルバムなんですけど。2016年の夏ぐらいだったら、たぶん余韻冷めやらぬなか新作を出すことになってたと思うんです。それはある意味、攻めの姿勢だったと思うんですけど、"じゃない"攻めというか。なので、"出せなかった"というより"出さなかった"って方が強かったかもしれないですね。

-この『PARADISE』ってアルバムは、個人的にはデビュー前のいい意味での"この人ら狂ってんなぁ"みたいな(笑)、オリジナリティが戻っている感じがして楽しいです。

寺中:たしかに、今回はちょっといろんなことをやりすぎてて、自分たちで笑っちゃう感は聴いててありますね。ここまで曲に笑わせられるのは初めてかもしんないです。

-KEYTALKって誰かの頭から始まる曲というか、そのアイディアの純度がすごく大事だと思うんです。そういう意味でより面白いものを作ってやろうなのか、よりいいメロディを作ろうなのか。

首藤:シングルのリードが5曲入るって決まってる状態で、たぶん、武正と八木氏が変な曲作ってくれるだろうなって(笑)。で、俺はこのへんの曲出したらちょうどいいかな? みたいな感じで、なんとなく雰囲気読んで作ってみたらいいバランスになりました。

-役割分担を意識して?

首藤:そこまでガチガチに気にしてるわけじゃないですけど、たぶん、僕が作るのはちゃんとお化粧したよそ行きみたいな曲。ファンじゃない人も聴く割合が高い、そういうポジションの曲なのかなとなんとなく思ってるんです。僕の曲を通過して、もっとやりたい放題やってるモードのKEYTALKの曲にのめり込んでいってくれたら嬉しいなっていうのは考えてますね。"総合受付"みたいな(笑)。

-アルバム曲では、その中でも面白いことやってるなと。「Summer Venus」(Track.1)とか。

首藤:あぁ。あれはEDMとか入れてみたんですけど、ちょっと変なことしたいなとは思ってましたね。

-でもEDMに対するスタンスも結構ナメてるっていうか。いい意味で、ですよ?

首藤:そうっすね(笑)。"こんぐらいでいいのかな"っていうのはあります。

-結局、KEYTALKの面白いところって、人力でEDMにも負けない高揚感を繋いでいくところだと思うし。

首藤:うん。やっぱライヴで自分たちで演奏できるから、どうとでもできるというか。ライヴでもっと面白い曲に進化させていくこともできるし、それが僕たちの強みなんじゃないかと思いますね。

-アルバム全体が曲で攻めていくなって気がしました。そのへんの自負心は強いんじゃないですか?

小野:そうですね。わりと昔から一貫しているところかなと思います。