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INTERVIEW

Japanese

POLYSICS

2017年03月号掲載

POLYSICS

メンバー:ハヤシ(Gt/Vo/Syn/Prog)

インタビュアー:吉羽 さおり

-クラスの中でも目立たなかったような子が、唐突に開花する場でもあったりしますしね。

授業中に、ひとりでこっそりウォークマン(のイヤフォン)を耳に当てて、有頂天を聴いてた自分がいて。有頂天いいよって言っても、当時、周りは誰もピンとこないわけで。でも、いいと思っていて。それでDEVOに出会って、俺もこれをやろうと思って、POLYSICSをやるわけじゃない? 今はようやく言いたいことも言えるようになってるけど、以前は恥ずかしくてストレートに言えなくてさ(笑)。それでこういうバンドをやってるのに。今は、普通にかっこいい子が、普通にかっこいいことを歌って、かっこいいリフ弾いてるな、みたいな。それでめっちゃいい人だなって。それは若い女の子はキャーキャーなるよなっていう(笑)。

-(笑)屈折感がないんですかね。

ないよね。やっぱりそういうバンドが好きだし、そういう人が好きだな。もちろん、話したらいろいろあるかもしれないけどね。あとはみんな、MCで良いことを言いすぎる。やっぱり、どうでもいいことを全力で歌う方が好きだね、俺は(笑)。まぁ、ポリがそうなんだけど。もちろん、わかりやすいものが多くの人に支持されるのはわかるんだけど。髪型とか格好がみんなと一緒で、顔の区別がつかない。ってさっきからすごいこと言ってるな(笑)。

-だからと言って、POLYSICSのようバンドがたくさん出てきても、困っちゃいますよね。

そしたら俺が変わるかもしれない(笑)。でもそれはないでしょう。もう1バンドくらいはいてもいいと思うんだけどね。

-POLYSICSの場合、この20年あまり、周りに同じようなバンドがいないまま来ている感がありますね。

俺、もっといると思ってたからね(笑)。

-広い海に出たらいるんじゃないかと。

そうそう。そしたら本当にいなかったという。バンドを結成したときは、自分がやってる音楽がマイノリティだっていうことは、全然知らなかったから。いるはずだと思っていたら、全然いなくて。でも新宿JAMでやっているときに、MOTOCOMPOがライヴを観にきて、テープ作って持ってきてくれて一緒に遊んだり。一緒にイベントやろうって似たバンドを探して、ちょっとずつちょっとずつは広がってきていたから。まぁ、そういうものかなと、やっぱいるじゃんと思っていたけど。全然狭いところだよね、それは。

-今もアンダーグラウンドで、そういう子たちがいるかもしれないし。ポリを見てバンドを始めたって子にも、会ったりしませんか。

(Skream!の表紙を見て)パスピエ成田(ハネダ)君とか、そうみたいですね。この間一緒に飲んだけど、ポリに影響を受けて、俺が聴いてたニュー・ウェーヴとかも聴いてたっていう。でもそれがきっかけでいろんな音楽を知れるようになったんだって言っていて。パスピエはちょっと特殊だよね、スタイルとかも。やっぱり他にないことをやってるのが好きだし、シーンから孤立して頑張ってるバンドは、共感するな。自分たちでしか作っていけないよねっていう。

-POLYSICSが面白いのは、サウンドの破壊力もそうですけど、ルーツをいろいろひもといていけるということもあると思うんです。インタビュー中でも出てきますし、この音のルーツ、態度や姿勢、精神の元となったものは何なのかが探りたくなる。そうやって広がっていく音楽の楽しみはありますよ。

自分が楽しいとか言ってたけど、一番嬉しいのは、こういう音楽があるんだっていうのを伝えられることなのかもしれない。こういう音楽の楽しみ方があるんだよ、こういう音楽があって、すごくない? 良くない? っていう。例えばJames Chanceとかの名前をどこかしらで言ったことで、もちろん100人が100人じゃなくていい、10人でもひとりでもすごいねってなって、聴いてみようってなってるのを見ると、自分が聴いてきたものがポリを通じて伝わるんだなと思って。先人たちの熱量っていうか。自分の中でイメージするロックって、周りはこうだから、うちらはこういう形で自分たちの個性を出そうとか、その繰り返しだったと思うんだよね。もちろん反発心とか政治に対しての姿勢とか、音の部分でのかっこよさもあるけど、音にならない大きな、渦巻く熱量みたいなものがやっぱり好きなのかなっていう。LED ZEPPELINやKING CRIMSON、Jimi Hendrixとかは、なんかぶっ壊してやろうみたいな空気がすごいから。自分もそうありたいなって思ったしね。その"ぶっ壊してやろう"というのは、忘れちゃダメだなって思う。