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INTERVIEW

Japanese

ドシードシー

2017年03月号掲載

ドシードシー

Interviewer:山口 智男

自分がベストと考えるバンド・サウンドをとことん追求するため、ソロ・プロジェクトであることにこだわるドシードシーが活動開始から2年、満を持して1stミニ・アルバム『デイライトライトの旅の途中』をリリース。新曲のみならず、以前からのファンにはお馴染みの曲もリアレンジして収録した多彩な全6曲は、ドシードシーがどういうアーティストなのか知ってもらうにはうってつけのベスト・セレクションとなっている。Skream!初登場となる今回のインタビューでは、謎めいたバックグラウンドを持つドシードシーが何者なのかを明らかにする。

-まずドシードシーとは何者なのかというところから聞かせてください。プロフィールには東京生まれ千葉県育ちの"100,052歳"と書いてありましたが(笑)。

はい(笑)。顔を出していないのも同じ理由からなんですけど、年齢とか見た目とかからのイメージで、きっとこういう音楽だろうと判断されてしまって、聴いてもらえなかったらもったいないじゃないですか。じゃあ、判断できないくらいの年齢だったら面白いんじゃないかって、聖飢魔IIのデーモン小暮閣下の2歳下という設定にしたんです。自分で忘れないように(笑)。自分で何歳か忘れちゃったとき、デーモン小暮閣下の歳を調べれば、思い出せるんですよ。

-ソロ・アーティストではあるけれど、シンガー・ソングライターではないんですよね?

やっているのがバンド・サウンドなんですよ。どうしてもシンガー・ソングライターがバンドを従えて、みたいに思われてしまう。それは自分がやっていることとちょっと違う。じゃあ、いっそのことバンドっぽい名前に変えようということで、ドシードシーにしたんです。

-赤坂さんを中心にしたプロジェクトと考えたらいいですか?

そうですね。

-そもそもはどんな音楽的なバックグラウンドを持っているんでしょうか?

小学生のときにX JAPANを聴いて、こんな音楽があるんだとびっくりして、そこからヴィジュアル系含め何でも、J-POPはほとんど聴きました。

-曲を作って自分で歌うってなったとき、理想とか、目標にしていたバンドやアーティストはいたんですか?

初めはBUMP OF CHICKEN。自分が歌うとき、一番イメージにあったのは藤原(基央/Vo)さんでしたね。

-音楽的な幅が広がったのは?

バンドじゃできないこともやらないともったいないと思って、小さいシンセを買って、そこから現在のエレクトロ要素もあるロックという方向性が定着していったんです。サポートを迎えたプロジェクトという形でやっているのは、そこで好き勝手やるのが性に合っていたんだと、今、やりながら思います。

-ドシードシーとして活動を始めてから1枚目の作品である今回の『デイライトライトの旅の途中』をリリースするまでに2年かけたのは、なぜだったんでしょうか?

やり始めるとき、次に出すときは"ここだ!"というタイミングで出したいと考えたんです。bayfmさんでやらせてもらっている"ドシードシーの『ラジオドシー』"というラジオ番組のオープニグ・テーマとエンディング・テーマを会場限定でリリースはしているんですけど、全国流通盤は満を持してということにしたいと考えて、溜めに溜めていたら、今年の3月1日がちょうど(新作CDの発売日とされている)水曜日で、あ、ここしかないって運命的なものを感じたんです。

-どんな作品にしたいと考えたんですか?

ドシードシーとして初めてのリリースなので、単純に"はじめまして"というか、これで知ってもらうということを一番に考えました。ライヴでやってきた曲を入れたのもそこで、ベスト的な感じで詰め込みました。

-サポート・メンバーとレコーディングしていますが、曲のアレンジは赤坂さんが全部考えているんですか?

いや、丸投げする曲もありますし、こういう感じにしたいってニュアンスだけ伝えることもあります。それができるのはメンバーを信頼しているからなんですけど、サポート・メンバーが言うには、僕の伝え方は特殊らしい(笑)。それは音楽の知識が全然ないからだと思うんですよ。ニュアンスでしか伝えられない。でも、それに慣れたメンバーが集まってくれているから、僕が伝えようとしていることを汲み取って、"こんな感じですか?"、"そうそう。それいいね"って感じで進めることが多いですね。最近はデモも作らないです。1曲目の「サーチライト」も弾き語りで持って行って、"この曲は1曲目にしたい。いかにもリード曲って感じにして"と言って、みんなでアレンジしていきました。そういう感じが多いです。ソロ・プロジェクトではあるんですけど、曲の作り方はバンドに近い。メンバーもそれを楽しんでくれていると思うんですよ。

-なかなか贅沢ですよね(笑)。

そうそう。ホントそうなんですよ(笑)。ライヴを観てくれる人は、"もうバンドじゃん。なんでバンドにしないの?"って言ってくれるんですけど、バンドにしちゃうと、メンバーに譲っちゃったり、本当はこうしたいのにメンバーの意見も入れなきゃいけないと思って妥協しちゃったりして。だから、サポートにこだわっているんです。

-贅沢ですね、なんて言っちゃったんですけど、それができるのはサポートのみなさんが赤坂さんが作る音楽をすごく認めているからですよね?

だとしたらホント幸せなことですよね。メンバーからも刺激を受けますしね。最初に始めたときは、全部自分でやれたらいいと思ったし、実際に"これを弾いて"とフレーズを指定していたんですけど、それでは自分の範囲を超えたものを作れないと思って、良いものはどんどん取り入れて、それを自分のものにしていったらいいと考えるようになりました。前はサポート・メンバーが代わってもいいように誰でも演奏できるフレーズを求めていたんですけど、今はその人にしか出せないニュアンスでやってもらって、メンバーが代わったときはそれを演奏してもいいし、また別のニュアンスでやってもらって、それで曲が広がっていけばいいし。そこは意識が変わってきました。今はサポート・メンバーの力を存分に出してもらっても、それがドシードシーですって言える。逆に僕らしさは曲と歌で守れると思えるんですよ。前はサポート・メンバーの色に負けてしまうのが怖かった。でも、今は誰とやってもドシードシーになるという自信があるんです。

-ライヴでやっている曲は今回、ライヴのアレンジを踏襲しているんですか?

いえ、CDはCDでって感じでアレンジし直しました。だからライヴでは全然違って聴こえるかもしれないけど、ライヴで再現することにはこだわらずにCDだからこそできることに挑戦しました。

-例えば?

2曲目の「東京」、3曲目の「エゴリズム」は、the Adresってエレクトロ寄りのバンドにエフェクトっぽいトラックを作ってもらいました。そんなふうにエレクトロな曲はよりエレクトロな感じになるように音を足したりしています。

-曲と歌で自分らしさを守れるとおっしゃいましたように、どの曲もヴォーカルの個性が強いからドシードシーらしい曲になっているけど、実はアレンジが結構多彩ですよね。曲ごとに多彩なアレンジで聴かせるのはテーマとしてあったんですか?

そうですね。イントロがゲーム音楽っぽい4曲目の「イツカミノ」は、フック的にそういう曲が欲しいと思って、昔のレパートリーから引っ張り出してきたんですけど、ここからここまで全部ありだよという幅を持たせたいというのはありました。原点であるギター・ロックからエレクトロっぽいものまで、さらには初めてピアノ、ドラム、歌だけの編成に削ぎ落とした最後の「淡い淡い淡い」(Track.6)のようなしっとりした曲も。6曲入りってなったとき、そこは意識しました。

-ドシードシーらしさとともに曲の多彩な魅力もアピールできる作品になったと思うんですけど、ドシードシーらしさと言えば、やっぱり歌と歌声。実際、バンド・サウンドなんですけど、どの曲も歌を前に出したミックスになっていますね。

エンジニアさんも"一番聴かせたいのは歌だよね。こういうミックスがいいんじゃない?"と言ってくれたんですよ。いろいろなアレンジだったり音だったりで凝ったことはしているんですけど、やっぱりソロである以上は歌を前に出すようにしています。今回、リリースするにあたって、いろいろな方からコメントをもらっているんですけど、"声が近い"、"生々しい"って声が多いんですよ。みなさん、そこを良さとして捉えてくださってるようでよかったです。

-テクニック的な上手さを追求しているヴォーカリストではないですよね。そこがすごくいいと思いました。

本当は、上手いに越したことはないと思うし、上手くなりたいとは思っているんですけど。以前、ある方に"下手でもグッと来たから、いいと思う。そのまま変わらないでほしい"って言ってもらえたんです。だから伝わるんだったらそっちで魅力を出していけばいいと思うようなりました。そこに甘えているわけではないんですけど、そういう作品になったと思うし、それが聴いている人に伝わったらいいなと思います。