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INTERVIEW

Japanese

Qaijff

2016年12月号掲載

Qaijff

メンバー:森 彩乃(Vo/Pf) 内田 旭彦(Ba/Cho/Prog) 三輪 幸宏(Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

2016年4月に2ndミニ・アルバム『Life is Wonderful』をリリースした、愛知県在住の3ピース・バンド Qaijffが、3曲入りの1st EP『snow traveler』を完成させた。今作は、J-POP感は増しているのにラウド要素も増しているという、プログレッシヴ・ピアノ・ポップを掲げる3人の音楽性がさらに可能性を広げた楽曲が揃う。3人はなぜ、この短期間でこれだけ自分たちの表現の幅を広げることができたのか? それは"自分たちらしさ"と素直に向き合ったからだという。

-『Life is Wonderful』のリリース以降、リリース・ツアーを回り、"名古屋グランパス"のイベント("LOVE GRAMPUS Festa 2016")や、多数のフェスやサーキット・イベントに出演するなどして、得た刺激も大きかったのでは。

内田:去年は年間100本ライヴをやって......今思えばいろいろと模索していた年だったのかなと思うんですけど、今年は『Life is Wonderful』を作ってリリースして、"僕らはこれでいいんだな"と思うことも増えてきて。ライヴの本数自体は去年より少ないんですけど、ライヴひとつひとつに対して"ちゃんといいショーにするんだ!"という作り込みができたかなと。

三輪:『Life is Wonderful』を出す前と今とで、ライヴもだいぶ変わってきた気がしていて。お客さんの反応もそうだし、自分たちもやっていてしっかり歩き出せている感覚や、しっくり感があります。

森:あれだけライヴをしたのも去年が初めてでしたし、Qaijffを結成してからCDを全国リリースするのはまだ今回で5枚目ですけど――やっぱり初の全国流通盤(2013年リリースのTOWER RECORDS限定ワンコイン・シングル『Clock hands/エンディング』)を出したときは"嬉しい! 夢のようだ!"という気持ちだったんです。でもどんどん夢だったものが現実味を帯びてきて、幸宏の言っていたとおり"自分たちはこういうことをやっていくべきなんだ"というのが実感できるようになってきました。

-そういう活動のなかで生まれたのが今回の1st EP『snow traveler』ということですか。

内田:『Life is Wonderful』あたりから日常的に曲を作るようになって、そんななかで今年の夏あたりに、12月にCDをリリースさせてもらえることが急遽決まって。冬は雪が降ったりして四季のなかで一番景色が変わる季節だし、季節感を出すことが好きなので、そういうCDにしようというイメージで制作を始めました。作ってあったデモに、なんとなくメロディが切なくて、あたたかいか寒いかで言うと寒いイメージがあるな......くらいの印象があったんです。そこに冬のニュアンスをどんどん足していった感じですね。ミニ・アルバムやフル・アルバムは(曲数が多いぶん)ストーリーを立てやすいから"作品"にしやすいんですけど、"2、3曲のCDはどういう形が一番あるべき姿なんだろう?"というのが最初はわからなくて。結果的に三者三様の1枚になりました。

森:3曲それぞれが毛色の違うものになったし、単体で勝負できると思う曲を3つ並べました。どれをリードにしようかもギリギリまで悩んで。だからシングルではなくEPとしてリリースを決めました。"EP"って言いたかったし(笑)。

-(笑)三者三様の楽曲、それぞれで新しい挑戦が見えました。

内田:結成して4年ちょっとの期間で、ライヴも楽曲もだいぶ変わってきて。結成初期はコアな音楽ファンに認められたいという気持ちがすごく強かったんですよ。でもそういう人たちに届ける以上に、例えば音楽に全然興味のない人に"なんかわかんないけど、すごいかっこいい! 感動する"と言ってもらう方が難しいと思っていて。そこに対する挑戦をするべきなのか、でもそれはバンドとしてかっこよくないことなんじゃないか......と葛藤していたのが去年だったんです。でも『Life is Wonderful』を作って、"音楽に興味のない人たちに向けて音楽を作ったとしても、音楽的に評価してくれる人もいる"と気づいたので、そこ(コアな音楽リスナー以外)に向けてどう自分たちの音楽を提示できるかを考えて。それで"私"が主人公の失恋ソング「snow traveler」(Track.1)を作ったり、「universe」(Track.2)はもともとメタルやラウドが好きな幸宏の要素を入れたりしました。

-三輪さんのラウドやメタルのセンスがいつQaijffで発揮されるのかな、と思っていたので、"とうとうきた! おまけに考えてた以上にすごいものがきた!"と思いました(笑)。

内田:(笑)幸宏の持ってる要素を活かしたいとはずっと思っていたんですけど、バンド的にNGかなと思っていたところがあったんです。でも、やりようによってはコアな音楽リスナー以外にも届くものが作れるんだなという自信がつきました。だから3曲とも、"今までやってこなかったけど実はやれたんだ"みたいなものを入れることにして。

三輪:僕の根本にあるものはラウドロックなので、"どこでそういうことをやろうかな、どこかでやれたらいいな"とずっと探ってはいたんですよね。それで「universe」のデモを初めて聴いたときに、僕がツイン・ペダルを踏んでいるところの直前の歌詞("絶えぬ争いもポップミュージックで/笑うのさ/ユーモアが世界を変える")的にも、自然な流れでツイン・ペダルが欲しくなるな、やろうかなと思ったのでやってみて。だから、無理して詰め込んだろ! という感じはないんです(笑)。必要とあらばやる。シンプルです(笑)。

内田:そのツイン・ペダルの部分はデモの段階で2ビートにはしていて。ツーバスを入れる案はないわけではなかったんですけど、それだとやりすぎかなー......って。そこまで踏み込めなかったんです。でもスタジオでトライしてみたら全然ありじゃんと思って。Qaijff史上初のツーバスが入りました(笑)。

-「universe」は『Life is Wonderful』の進化形のような楽曲だと思いました。

森:『Life is Wonderful』のリリース・ツアーの東京と名古屋で披露した曲で、その時点ですでに曲として成り立ってたんですけど、"やっぱりこういう方がいいんじゃない!?"と言って、そこから何度も曲が変わっていったんですよね。

内田:できあがった瞬間は"これは最高だ!"と思うんですけど、2週間くらい経つといろんなことが気になってきちゃって(笑)。

森:最初に作った曲から残ってるのがAメロくらいなんです(笑)。最初のバージョンはもっと爽やかできれいな感じで。あんなツイン・ペダルが入ってくるセクションなんてまったくなかったんですよ(笑)。自分たちで"プログレッシヴ・ピアノ・ポップ"と言っているし、そういう要素を入れたいなー......という話をしていた気がします。

内田:もっと良くなる気がする......というのがずっとあったんですけど、どうすれば良くなるのかがずっとわからなかったんですよ。ライヴで初めて披露してから2ヶ月後くらいのレコーディングだったので、(ブラッシュ・アップのために)チャレンジしてみようと。歌詞もメロディもアレンジもいろいろ考え直していたら、もともとの形がほとんどなくなっちゃいました(笑)。