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INTERVIEW

Japanese

鏡トナリ

2017年01月号掲載

鏡トナリ

Member:橋本 一平(Vo) 青木“Kevin”進也(Prog/Gt/Cho) リョウタシミズ(Gt) しょた(Ba/Cho) シャー:D(Dr/Cho)

Interviewer:山口 智男

-ruiさんって"曲をたくさん作れ"って言うそうですね。

Kevin:はい。"1ヶ月で50曲作れ"って言われました。だから今回100曲ぐらい作ったんですよ。途中で迷走しながら。

-今回の収録曲はそこから厳選したものなんですね。

Kevin:「Sunday story」は僕がスランプから抜け出せたときの曲なんですよ。その作り方が合っているならこのやり方だろうって、スタジオでみんなとフレーズを出し合いながら作ったら、パパッと2曲できたんです。それが「Lonely beat」と「Moment」(Track.3)。

リョウタ:「Moment」なんてものの数分でできたもんね。

-たしかにその3曲はストレートというか、一度聴いただけで、良さがパッと伝わる曲になっています。その他に今回、新たな挑戦はありましたか?

Kevin:やっぱりピコピコをなくしたのは結構デカいです。あとは前のアルバムのときは、恋愛のことをがっつり書いた歌詞は恥ずかしかったんですけど、今回はあえて入れようって。

一平:ラヴ・ソングを書きました。前のアルバムを聴いてもらうとわかるんですけど、俺、自分のことしか歌ってないんですよ。登場人物もだいたい、俺だけ。でも今回は、君がいたりメンバーがいたりする。そこは新しいと思います。そういうふうに書きたくなったんですよ。

-ラヴ・ソングって「Lonely beat」?

一平:そうです。ラヴ・ソングと言っても別れたあとの歌なんですけどね。

Kevin:前回よりも一平らしさが出たと思います。

一平:Kevinに「Lonely beat」の歌詞を見せたら、"お前、女々しいな"って言われましたけど(笑)。

Kevin:女々しいっていうか、"39度の熱を出して、君に会いたい"みたいな歌詞を書いているから、"俺だったら恥ずかしいから会いたくないんだけど"って言ったんですよ。

一平:はいはいはい。弱っているところを見せたくないわけね。俺は逆に会いたくなるんですよ。でも、それを言われたとき、恥ずかしくなりました。いいじゃねぇかよって(笑)。

Kevin:"でも、それが一平だから、それでいいんだ"って言いました。

-実体験なんですか?

一平:すみません、そうです(笑)。でもそういうとき、会いたくなったりするじゃないですか?

シャー:D:心細くはなるよね。

しょた:風邪引いたりしたらね。

一平:ほら(笑)!

-歌詞を書くときは、いつも実体験をもとに?

一平:そうですね。もちろん想像で広げてはいきますけど、もとにはそれがないと書けないです。だからどの曲も、根っこにはそのもとになる出来事があります。

-「Lonely beat」以外の曲は、"困難はあるんだけど、それでも生きていこう"とか"夢を追いかけよう"という気持ちが歌われているように感じました。

一平:鏡トナリってそういうイメージなんですよね。何を歌ったらいいんだろうってところで、ネガティヴな歌じゃないし、人をディスった歌でもない。せっかく歌うならこのバンドでは希望を歌いたい。それが根底にあるからそういう曲が多くなりますよね。唯一、「Sunday story」はバンドが解散前最後に演奏する曲を作りたいと思って書きました。それはこのバンドがこの2年間、リリースできなかったときにリアルに見てしまった光景なんです。でも、それを乗り越えてきたからこそ、今回、歌詞にしたいと思いました。

-つまり、解散するかもしれないと思ったこともあったということ?

シャー:D:あったかもしれないけど、俺たちを繋ぎ止めていたのがライヴなんです。

しょた:バンドで思ったというよりは、個々がどこかしらで感じていたかもしれないけど、ライヴの予定が入っていたから......入っていたからというか、音楽だけは続けたいという気持ちがあったからライヴを入れていたと思うし、それでもやっぱりやり続けたいとは5人全員が思っていたと思います。

一平:綺麗事ではなく、盛り上がっているフロアを見ると、頑張ろうって思えるんですよ。

-じゃあ、「Lonely beat」はさておき、今回の作品の根底にはそんな気持ちがあるんですか?

一平:うーん、どうなんだろう。わからないけど、そうなのかな。だから、歌詞の中の"僕"が今回、"僕ら"になったのかもしれないですね。

-レコーディングはいかがでしたか?

Kevin:今回、ブースを分けてですが、ギター、ベース、ドラムで一発録りしたんですよ。そこで初めてバンドで合わせたんで、"あ、こんな感じになるんだ"って驚きと喜びがありましたね。

シャー:D:スケジュールがカツカツでレコーディング前にバンドで合わせることができなかったんですよ。

リョウタ:「Sunday story」のイントロのリード・ギターは、ずっとOKが出ずに20パターンぐらい考えたんですけど、その他のレコーディングが全部終わってもまとまらず、最後の最後に夜行バスに乗って、ひとりで東京に行って、ruiさんに聴いてもらいました。